上條: smart-FOA様とアクセンチュアの協業が、いよいよスタート地点に立つことができました。奥社長は長年にわたるご経験の中で世界の製造業の現場を熟知されていて、多くの貴重な知見をお持ちですが、まずFOAについてのご自身のお考えをお聞かせいただけますか?
奥氏:伝統的な日本のものづくり現場にある情報活用の仕組みをさらに磨き上げて、「組織感度」を高めていくためのコンセプトがFOA(Flow Oriented Approach)です。特にFOAの大きな目的の1つに、「データでものを言う文化」の醸成にあります。これまで日本のものづくりでは、定型業務の効率化はかなり達成されてきましたが、これからの変化・変動のグローバル競争を勝ち抜くためには、益々増加する非定型業務の領域にまで踏み込んだアプローチが必要になります。ここでは「データでものを言う文化」が確立しているかどうかが重要です。
とはいえ、このためには企業戦略の中に、新たな文化にいかにして埋め込んでいくかという領域からお客様を支援しなければいけません。ここは、やはりアクセンチュアさんのようなコンサルティングに長けたパートナーと連携することによって、ものづくり現場での実現系の領域における私たちの強みを融合しながら、よりトータルなソリューションを提供できると考えています。
上條:今回の協業は、アクセンチュアにとっては自戒と期待の両方の側面があります。アクセンチュアはこれまで、お客様に対して外部の組織とのパートナーシップを通じて、ビジネスを拡大するアプローチを推奨してきましたが、では私たち自身を省みてどうなのかというと、それが十分にできていないところがあります。では、どこと組めばいいのかというと、それは大企業ではなくて、アクセンチュアが持っていないものを持っているベンチャー企業やスタートアップなのです。それだけにsmart-FOA様との協業にも、新たなイノベーションの実現に向けた大きな期待を感じています。