Skip to main content Skip to Footer

CAPABILITY


ビッグデータ活用:サービスを通じた価値革新の実現

アナリティクス主導で価値を革新

「価値の時代」とグローバル・ヘルスサービス・ソリューション市場

ジェフ・エルトン(Jeff Elton)
製薬・医療機器産業
グループ統括
マネジング・ディレクター

今日、製薬会社・医療機器メーカーがその提供価値を革新していくためには、治療をとりまく業界構造全体の中での、プレーヤーやサービス間の依存関係や課題、そしてこれらを解決するための多様なソリューションを把握する必要があります。本格的なグローバル・ヘルスサービス・ソリューション市場について解説します。

製薬会社・医療機器メーカーの従来のミッションは、病気の生物学的プロセスを解明し、創薬標的を特定し、臨床開発を通じてプログラムを進め、それから10年以上かけて製品化を行うというものでした。これは、創薬標的の発見や臨床開発での承認取得、さらに製品化段階での資金回収につき、リスクを伴うビジネスモデルです。アクセンチュアの調査によると、創薬プログラムの中で市場導入に至るものは全体の10%未満に過ぎません。

つまり、高リスクで製品自体に多大に依存するビジネスとして見ることができます。医薬品の採算性は、医師による薬の採用・使用に依存しているため、製薬企業では「量」、すなわちカテゴリーシェアの増加とNRx(新規処方)の対TRx(合計処方)比率の向上が成功の指標となってきました。

意思決定基準としての価値

その一方で、新しい時代は確実に到来しており、病院の統合・大型化が進み、医師が何を処方し、何を患者の利益と見なすかを決める際に、より大きな影響力を行使するようになっています。新時代においては「価値」が意思決定の基準となり、患者の利益と、リスク負担者(コスト負担者またはリスクを負担する企業、病院)の利益の両方の実現が求められます。

このような「価値の時代」においては、医薬品や医療機器は、単なる新技術でなく、疾病に対するソリューションまたはシステムの一部として捉えられます。最も高い効果が現れた患者を特定し、臨床効果を最大化させる方法を明確にできるインサイトとツールが求められます。つまり、治療を超えたイノベーションの広い舞台が求められることを意味し、アルゴリズムや臨床判断サポートツール、アクティブな遠隔モニタリング、患者エンゲージメント・プラットフォームまで、すべてが「ソリューション」に含まれます。

価値の時代に、バリュー・イノベーターを目指す製薬企業や医療機器企業に求められる最初のステップは、問題を深く理解することです。これには、生物学的な問題のみならず、治療分野のソリューション全体を背景とした問題も含まれます。このためには、現行の標準的な治療方法と、その提供内容や欠点を把握することが必要です。

これを実現した企業がバリュー・イノベーターであり、新しい時代の成果と価値の実現に関わる臨床医、その他医療従事者、患者、患者の家族、他の役割を理解してインサイトを導き出せる企業です。つまり、臨床、プロセス、社会、経済の各観点から複合的に理解する必要があり、患者のケアマネジメントのエコシステムを包含する非常にダイナミックなインサイトを意味します。価値を革新し提供するためには、患者の治療をとりまくエコシステム内の様々な要素間での依存関係や課題、そしてこれらを解決できるソリューションや代替ソリューションを把握することが必要となります。長期間かつ豊富なデータによって「Patient journey(発病から受診・治療開始、退院後の地域の中での生活といった一連の患者体験)」を明らかにすることができ、それによって治療方法の変更やその他重要な判断の要素の識別や、究極的には予見が可能となります。

アナリティクス主導

なぜ糖尿病患者は、医師とのコミュニケーションやインタラクティブ・ツールの使用に、自分の病態を管理する時間の3%しか割かないのでしょうか。初めて糖尿病と診断された患者の20%~40%が治療を開始しないのはなぜでしょうか。糖尿病患者の40%が治療開始後8ヶ月で所定の治療を継続しなくなるのはなぜでしょうか。

バリュー・イノベーターは、事業基盤としてアナリティクスを積極的に活用する組織であり、Real World Dataや分析から得たインサイトをもとにイノベーションを意思決定し、業務のモデルを確立します。例えば、糖尿病患者はなぜ医師とのコミュニケーションやインタラクティブ・ツールの使用に、自分の病態を管理する時間の3%しか割かないのか、初めて糖尿病と診断された患者の20%~40%が治療を開始しないのはなぜか、糖尿病患者の40%が治療開始後8ヶ月で所定の治療を継続しなくなるのはなぜか1、などです。疾病の治療に際して患者自身や医療提供者の貢献価値は高まっており、バリュー・イノベーターは、生物学や薬のレベルをはるかに超えたそれらのインサイトを収益化します。バリュー・イノベーターは患者と医療提供者双方との連携を深めた経営アプローチを導入します。

バリュー・イノベーターは、医療提供者や地域ごとに異なるシステムのもと治療を受ける患者集団に対して、それぞれに最適で有効なケアを提供できる体制を組めるサービス・シンジケーターとなります。製薬業界ではバイオ医薬品、バイオテクノロジー、疾病関連の各財団法人などとの連携により先端科学の新分野を進展させ、研究開発の生産性をよみがえらせましたが、それと類似した取り組みが必要となります。多岐にわたる潜在的パートナーシップやアプローチの形成が始まりつつあります。具体例として、センサーやプラットフォームを提供する企業(アップル、グーグル、サムスン、フィリップスなど)、広範な接続性とエンゲージメント・プラットフォームを提供する企業(クアルコム、ボッシュ、セールスフォース、AT&T、ベライゾンなど)、組織の壁を超えて拡大し、新しい機能性を生み出している臨床プラットフォームを提供する企業(エピック、サーナーなど)といった大手のテクノロジー企業が挙げられます。新興のベンチャー企業の急増や、ヘルスケア・サービス業界への異業種からの参入者が、継続的な混乱をもたらすであろうことは言うまでもありません。これらエコシステム・ソリューションの明確化、管理、継続的な進化は、概して今日の地域ブランドやフランチャイズ経営者の枠を超えた、次世代の企業幹部にとって重要な要件となるでしょう。

グローバル・ヘルスサービス・ソリューション市場

欧米における価値の革新は比較的横並びのペースで進行しているため、様々なエコシステム・ソリューションに着実に参画していることには大きなメリットがあります。これはヘルスサイエンスや製薬・医療機器業界においてほとんど前例のないグローバル・ヘルスサービス・ソリューション市場の本格的な出現であるとアクセンチュアは考えています。

短期的に見れば、製品と価値の両分野にまたがって経営を行うことは企業にとっての課題となります。欧米では、地域や顧客が変遷する中で、企業は短期的には現行モデルに残存する利益を抽出する必要に迫られる一方で、価値の革新とそのマネジメントに向けて目標とすべき経営モデルの方向付けを見直す必要があります。このためには、現行の事業モデルにサービス要素を付加する、取引先との関係を価値重視または複合チャネル管理型にするための取引先レベルの主要プランを持つ、又は全く新しいグローバル経営モデルと企業の創造に向けて総合的・先見的な視点から様々な治療分野を見据えるということが考えられます。最も重要なことは明確な選択を行い、新たな基盤を整備し、価値マネジメントの実地経験を促進させることです。

1. Source: Verispan/McKesson

当寄稿は、Eye for Pharmaに掲載された原稿です:
http://social.eyeforpharma.com/column/value-innovation-realized-through-services

関連記事

アクセンチュア・プレディクティブ・
ヘルス・インテリジェンス
- リアルワールドデータを使った予測型の情報分析サービス(日本語)

Accenture Predictive Health
Intelligence (英語)

PDFをご希望の方はこちら

Accenture Technology Vision 2014
for Life Sciences

PDFをご希望の方はこちら

お問い合わせ

製造流通本部では皆様からのお問い合わせをお待ちしております。関連PDF資料として、「アクセンチュア・プレディクティブ・ヘルス・インテリジェンス- リアルワールドデータを使った予測型の情報分析サービス(日本語)」、「Accenture Technology Vision 2014 for Life Sciences」もございますので、ご希望の方はお知らせください。

TEL: 03-3588-4453 (製造流通本部直通)
お問い合わせフォーム