電子化の進展がもたらす自動車・産業機械の「ものづくり」の変化
近年、自動車や産業機械などの重工業製品には、多くの機能と高い品質の両立が求められており、メカ制御だけではなく電子部品に組み込まれるソフトウェアによるきめの細かい制御が不可欠となっています。これに伴い、製品開発にかける時間や労力もソフトウェアに比重が傾きつつあり、製品によっては数百万行レベルでのソースコードの急増を生んでいます。この傾向は今後も加速していくと考えられ、「ものづくり」においてソフトウェア開発業務量の増加はもはや避けられない状況になってきています。
オフショア化推進を阻む課題
ソフトウェア開発業務の急増は、製品開発コストの増加につながり、そのコストは今や製品原価押し上げの要因として無視できない規模となっています。また、どの製品においてもあまねくソフトウェア開発業務量が急増していることで、国内でエンジニアを調達することも難しくなっています。これらの課題を解消するため、近年では安価な海外リソースを活用したオフショア開発の取り組みが始まっています。しかし、海外オフショア化を推進するにあたり、下記の課題を抱える企業が多いのも実情です。
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海外でのパートナー選定、自社エンジニア確保・育成など、オフショア開発体制を構築し、軌道に乗せるまでに数年単位の時間を要し、実際にコストを削減できるまでのスピードが遅い
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オフショア化が容易な一部の工程や作業だけしか活用が進まず、開発コスト全体で見たときのオフショア活用によるコスト削減の寄与度が小さい
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オフショアでの品質や生産性が思うように上がらず、工数増を招き、コスト削減効果を享受できない(かえってコスト増になる場合もある)
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