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挑戦者たち
―Redefining Professionalism― Season2:プロジェクト管理

"最高の環境かも…"とメンバーが語るアカウントのヒミツとは?~紙の量よりコミュニケーションの量を創る~


このプロジェクトチームは、総勢約40名4チームに分かれ戦略立案、コンサルティング、SI(システムインテグレーション)など様々なサポートを提供しています。一方で、お客様、アクセンチュアのプロジェクトメンバー間に信頼のネットワークを張り巡らし、プロジェクト管理を円滑に進めています。一体どんな工夫を凝らしているのでしょうか?

プロジェクトデータ

■お客様へのサービス開始時期: 2000年頃
■提供しているサービス: 戦略立案、コンサルティング、アナリティクス、SI(システムインテグレーション)など
■メンバー数: 約40名
■中途と新卒の割合: 7:3
■フレックスタイム利用者: あり。子供のお迎えなどで17時に帰るなど。
■ご参加いただいた方々 T.Nさん(マネジャー)
K.Jさん(マネジャー)
D.Mさん(コンサルタント)
M.Dさん(コンサルタント)

きめ細かなコミュニケーションが”理想の働き方”を実現させる

大手飲料メーカーを担当しているこのプロジェクトチームには、1つの自慢があります。これまでの実績を土台とするお客様との極めて厚い信頼関係と、各事業部に分散しているチームメンバー間のコミュニケーションを両輪として、多数のプロジェクトを同時並行で回していること。メンバーは「今までで経験した中でも最高の環境…」と口を揃えます。

ただし、昔から“理想的な働き方”を実践できていたわけではありません。かつては“新参者は自力で這い上がれ”という文化でした。上司からの積極的な声掛けはあまりなく、「用事があるときだけ時間をとって」というスタイルです。それで機能した時代もありましたが、プロジェクトチームへのサービス規模・ビジネスの領域が拡がり、人員が拡大するにつれ、うまくいかない場面が増えたといいます。

もっときめ細やかなコミュニケーションを通じてメンバーを成長させ、チーム内の雰囲気を良くしていこう―。規模が拡大し、中途入社の方も増えだした数年前より、チームのリーダーシップ層の強いコミットメントのもと、変革を開始。成長・育成、高付加価値の提供、中途の戦力化、生産性の高い働き方…。今、チームはすべてをバランスよく兼ね備えた組織へと変貌しています。

マネジャーの一人、T.Nさんはその特徴をこう語ります。

「時間くださいとメールを打って、スケジュールを確保して、資料をきちんと用意して…。そういう打ち合わせはほぼなくて、普通に仕事している最中に10分ディスカッションという感じなんです。メンバーともお客様ともです。誰にでもいつでも気軽に声をかけられる。それがこのチームの一番の魅力ですね」

施策の一覧は、下記図にまとめました。キーワードは、「紙の量よりコミュニケーションの量を増やす」。それでは、実際に各チームで行っている工夫をいくつか見ていきましょう。

きめ細かなコミュニケーションが”理想の働き方”を実現させるクリックすると拡大画像が別ウィンドウで開きます。

常に近くにいる 雑談から生まれる信頼の力

T.Nさんのチームは現在4~5人。シニア・マネジャー、マネジャー2人、コンサルタント・アナリストレベルが2人という構成になっている。

グローバル市場進出、海外企業の買収サポートなどレベルが高い経営案件を扱うことが多く、「普段相談したりプレゼンしたりするのは役員クラス」という状態だ。

経営層と対峙するからこそ、お客様とは“阿吽の呼吸”で信頼関係を築いている。

常にそばにいてコミュニケーションしているので、改めて紙を作って相談ということはあまりない。最低限の資料だけ作って話しかけに行く。距離が近いので、どのタイミングでどういう成果を出したらよいのか分かっているため、仕事の波もそれほどない。

「“コンサルタントとしてはサポートしてほしいけど社会人としては俺が先輩だから。君たちを育ててあげたいんだ”。お客様から良くそう言われます。お互いに“人”として付き合っていて、関係が良すぎるかなと思うぐらいです」とT.Nさんは笑う。

お客様との信頼関係が結べていることで、チーム内には余裕ができ、中途や新卒メンバーを育てることにも積極的だ。プロジェクトチーム内やグループ内で行われる「紙書き研修」や「アナリティクス研修」など様々なトレーニングに参加してもらう。

普段は早め早めのレビューを心がける。「行き詰まっていそうだったら、隣に座って雑談しながら、“いつでも何でも聞いて”という雰囲気を作ります」というT.Nさん。一方で育成を意識するときは少し時間を置く。

T.Nさん(マネジャー)

やり方はオーソドックス。一段上の課題を与えて、取り組んでもらうというもの。ただ違う点は、十分な時間を与えること。2~3時間ではなく、一日じっくり考えてもらい、翌日一緒に課題を詰める。仕事が円滑に回っているからこそ、なせる余裕だろう。

「思考力を駆使して価値を向上し、お客様に高付加価値な成果物を提出することが以前よりも強く求められています。大切なことは作業スピード向上よりも思考レベルを高めることです。最近は特に強くそう思います」と話す。

毎日の”朝会”で緻密なタスク管理・優先度管理を実現

M.Dさんが所属するチームは現在4~5人。シニア・マネジャー、マネジャー、コンサルタント・アナリストレベルが2人という構成になっている。

M.Dさん

普段はお客様の商品しか飲みません―。そう言い切るのは、BチームのM.Dさん。お客様の商材をいかに飲食店に置いてもらうか、営業・マーケティングの観点からサポートしている。

戦略立案の要になっているのはデータ分析。データベースへのデータ取り込みやマスタ整備などに加えて分析業務も北海道デリバリーセンターを活用して実施しており、そのマネジメントをM.Dさんが行っている。

拠点をまたいで細かい分析業務を実施しているため、タスクが分散しやすい。そのため、M.Dさんが毎日実施しているのが”朝会”だ。9時10分から9時半まで。毎日20分間、進捗管理やその日の業務確認を必ず行う。

タスクを切るとき、十分に話しあって“今週、今日やるべき仕事”を精査する。業務量が溢れることを防ぎつつ、優先順位を整理していく。

「小さなお子さんが二人いるメンバーもいて、残業が難しい状況です。ですからお客様の期待値コントロールとタスク管理は両輪で欠かせません」とM.Dさん。

M.Dさん自身も毎日のように担当者と顔を合わせる“このチームの流儀”の実践者だ。紙は作らず、エクセルのデータのまま投影し、その場でいじりながらディスカッションを重ねる。

そのための下地作りも欠かせない。一緒に食事に行くなどお客様と信頼関係を作る。些細なことでミーティングをセットせず、フラッと立ち寄っては声をかけるなど、日ごろからのコミュニケーションを大切にしている。

仕事の無駄を減らし、育成・成長・バリューを両立させる

D.Mさんが参加しているチームは現在5~6人。シニア・マネジャー2人、コンサルタント・アナリストレベル4人という構成になっている。(時期によって変化する)

このチームは、お客様が手掛ける幅広いブランドを小売店に対していかに展開するか、その設計を行うマーチャンダイザーグループの戦略立案支援、および業務設計を行っている。

学生時代、陸上競技で全国大会に出場したD.Mさんは、チームの要。実はT.Nさんとは、同じ高校の陸上部の後輩・先輩として共に切磋琢磨していた関係だ。

仕事でもゴールラインをいち早く駆け抜けるため、また育成とコミュニケーションを兼ねて実践していることが3つある。

一つ目は、二段階レビューの廃止だ。

メンバーが作成した資料を上位者がレビューし、せっかく作り直したのに、さらに上が別の指示を出し、時には先祖返りもする・・・。「作り直した手間は何だったのだ」と感じる、典型的な“あるある”。

重要度の高くないレビューは基本的にD.Mさんの手元で完結させる。そのために、常日ごろからシニア・マネジャーと頻繁にコミュニケーションを重ね、管理者の考える方向性と各作業がぶれないよう常に意識している、という。難しい案件の時は、一同に会する。

「メンバーからレビュー依頼があったらすぐに応じるのもポイントです。“このチームはいつでもすぐにレビューしてくれる”と新規参画メンバーに言われます。」とD.Mさん。

二つ目は、育成に関して。お客様との定例ミーティングの場で、新しいメンバーに1テーマ持ってもらい、そのテーマについて議論するときは責任を持って進めてもらう。「”まずい”と思ったらサポートするから」とフォローアップする姿勢を伝えておき、場数を踏んでいってもらう。

「失敗することもありますが、繰り返すことが重要。いつでもサポートできる体制だからこそ、安心して場慣れに励んでもらえます。一方的にこちらが言いたいことを言うだけでなく、お客様の意見を引き出しながら持っていきたい方向へ導くなど会議進行の勘所をつかめるようになると、成長実感も大きいと思います。」

三つ目は、資料の簡素化

他のチームでも上がっていたが、週次ミーティングなどの報告ではこだわった紙は用意しない。その一度限りしか使わない資料に時間をかける無駄はしない、でも大事な時には徹底的にこだわろうとルールを決めている。

D.Mさん

元々はすべての資料をこだわって作っているタイプでした」という。生産性・効率性を意識することの重要度に気付き始めた。出来るだけ無駄を省いてお客様に価値を提供できる時間を増やそうと、資料の骨格やメッセージに関わる部分と必要最低限のお作法以外は、メンバーの作成する資料にもなるべく口を出さないようにしている。

徹底した1対1の”先輩・後輩制度”で中途の戦力化を実現

K.Jさんが参加しているチームは、SI(システムインテグレーション)案件を担当する社外メンバー含め15名ほど在籍している。

少人数での業務が多い他のチームとは異なり、K.Jさんのグループは常駐している拠点が異なり、人数も多い。そのため、“チーム内のメンバー育成”の取り組みにも工夫をしている。

「このグループはコンサルタント未経験の中途採用入社が多く、ここ半年毎月1名のペースで入社してくれています。そのためスキルの伸長によるメンバー育成を非常に重視しています」と話すのは、自身も2014年中途入社のK.Jさん。

中途入社の新人が新たにチームメンバーになった場合、コンサルタント業務のやりがいをいち早く感じてもらうために、前職での経験に近く、土地勘のある領域の業務を任せる。

その後、経験の長いコンサルタントとペアを組んでお客様との会議の進行や合意形成などの実務でスキルを伸ばすことを重視。「グループは大所帯なので、このような“先輩・後輩制”が機能している」とK.Jさんは説明する。

“先輩・後輩”の組み合わせは年齢やジェンダーとは無関係に、プロジェクトに参画したタイミングで決まる。新人メンバーは仕事の内容に徐々に慣れていくとともに、アクセンチュアならではの働き方のコツを習得する。

K.Jさん

その際、アカウントチーム全体の経営課題は何か、カウンターパートはどのような人物で、さらにお客様とのミーティングの場ではどのようにアピールすれば良いのかなど、きめ細かく情報を共有する。自ら中途入社直後の苦労を経験したK.Jさんならではの、工夫が生かされている。

“先輩後輩会”と呼ばれる二人での飲み会に行ったり、チーム懇親会、サブチーム懇親会も合わせると、プライベートでのコミュニケーションの場も充実している。

お客様との信頼関係構築でも工夫した。プロジェクトが始まって3カ月は「毎日お客様側のカウンターパートと必ず話す」というKPI(重要業績評価指標)を設定していた。挨拶も含めてお客様とのコミュニケーションを徹底した結果、早期に関係構築ができた、という。

「信頼関係がベースとなって、より生産性の高い成果の出し方が実現しています。今では“7”ぐらいの資料を作ってあとの“3”はお客様と一緒にその場で作っていくといった感じで進めています」とK.Jさんは胸を張る。

心理的安全(Psychological safety)コミュニケーションの目的は一体?

お客様、プロジェクトメンバーとのコミュニケーションを重ね、築いた信頼関係をベースに、より生産性の高いプロジェクト管理を実現した各チームの施策を紹介してきましたたが、プロジェクト全体での取り組みも盛んです

メンバーの今後のキャリアの希望を定期的に聞く。チームを横断した勉強会を開く。マネジャー未満でも本音で話しやすいよう、マネジャー抜きのオフ会を実施する。マネジング・ディレクターとメンバーが直接交流する機会を設ける。自己紹介ページを作り、新しく入った人もメンバーの人となりを知ることができる…。

また面白い取り組みとしてメンバーの“キャラ付け”があります。今回紹介したアカウントに参画すると、これまでのキャリアや背景を生かして、マネジャー陣が自分をお客様に積極的に売り込んでくれるそうです。例えばM.Dさんの場合はフットワークの軽さや親しみやすい雰囲気を印象付けようと、「すぐに会いにいけるコンサルタントです!」と紹介されたといいます。

このチームでは、小さな仕掛けから仕組化されたものまで、無数の工夫を凝らしています。その向かうところはどこにあるのでしょうか。ヒントはT.Nさんが口にした「人間関係の距離感が程よい」という言葉にあるのかもしれません。

働きたい会社としてさまざまな調査で上位にランクインするグーグル社が行った調査によると、同社のチーム生産性を決定する唯一の変数は「心理的安全(psychological safety)」だったといいます。(※出典:What Google Learned From Its Quest to Build the Perfect Team" The New York Times, FEB. 25, 2016)

「友達のように仲の良いチーム」なのか「仕事以外は赤の他人のチーム」なのかは関係ない。唯一、「叱られるのでは」「馬鹿にされるのでは」という恐れや不安なしに、安心してコミュニケーションできる環境かどうかだけが、生産性を左右するというのです。

このチームの例を参考にコミュニケーションを見直すとき、この“心理的安全な環境の構築”も一つのゴールになるかもしれません。

今月のPRIDE川柳 アクセンチュア劇場

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挑戦者たち SEASON1:変化 挑戦者たち SEASON2:プロジェクト管理