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アクセンチュア・ストラテジーによる著書「Waste to Wealth」がサーキュラー(循環型)のメリットを最大化させるための5つのビジネスモデルを特定
アクセンチュア(NYSE: ACN)が行った最新調査によると、「サーキュラー・エコノミー」による経済効果は2030年までに4.5兆ドルに上ることが明らかになりました。この結果は、本調査によって特定された5つのサーキュラー・エコノミー型ビジネスモデルを推進することで、企業の競争力を高めつつも、資源多消費型経済から脱却し、さらなる成長を実現することが可能であることを示唆しています。
アクセンチュア・ストラテジーの新著書「Waste to Wealth(Palgrave Macmillan出版)」では、現在の大量生産・大量消費型のビジネス形態を継続した場合、2030年には世界で約80億トン分の天然資源が不足することを指摘しています。この需給ギャップは、2014年に北米で消費されたすべての資源量に匹敵し、経済損失額は2030年時点で4.5兆ドル、2050年時点では25兆ドルに達すると試算されています。
2000年までの過去40年間、世界経済では需要が拡大するなかでも、コモディティ価格は下落し、様々なかたちの「Waste(無駄)」が生まれました。例えば、一度利用しただけで破棄される原材料やエネルギー、一定期間利用しただけで捨てられる耐用年数の短い製品、さらには、多くの時間が「稼働していない」、「利用されていない」または「空いている」といった状態にある自動車などです。しかし、過去15年、世界規模で人口が増加し、消費意識の変化や都市化の影響などを受けて、多くの天然資源の供給体制は不確実な状態となりました。コモディティ価格は高騰し、世界市場は乱高下をする時代に突入しています。
「Waste to Wealth」の著者で、アクセンチュア・ストラテジーのマネジング・ディレクターであるピーター・レーシー(Peter Lacy)は次のように述べています。「天然資源を『取って、作って、捨てる(Take, make and waste)』という旧来型の直線的なビジネスモデルは、今後の経済成長のボトルネックになりつつあります。原材料の価格変動が予測できず、供給の不安定さに対応するためにコストがかかり過ぎているからです。これからの新しいビジネスモデルに求められるのは、こうした『Waste(無駄)』を『Wealth(富)』に変えていくことです。不安定な原材料への依存度を下げつつも、収益拡大に貢献する革新的なサービスモデルを生み出し、企業競争力を高めていくことが必要になります。」
アクセンチュア・ストラテジーの著書「Waste to Wealth」では、サーキュラー・エコノミーを進化させる5つのビジネスモデルを明らかにしています。
サーキュラー・エコノミーを進化させるデジタル戦略
本書によると、サーキュラー・エコノミーを進化させるために欠かせないのはデジタル技術の進歩であるとされています。例えば多くの企業では、モバイルやM2M(マシーン・ツー・マシーン)、データアナリティクスなど駆使して、本来利用可能なのに使われていない状態にある資産や製品の利用を促すことで需給をマッチングさせる取り組みを推進しています。
本書の共著者であるアクセンチュア・ストラテジー シニア・マネジャー ヤコブ・ラトクイスト(Jakob Rutqvist)は次のように述べています。「一部の先進的企業ではサーキュラー・エコノミーを自社のビジネスモデルに取り込みはじめていますが、最先端のデジタル技術を活用すれば、全ての企業がサーキュラーなビジネスモデルを自社のグローバル戦略における中核に据えることができます。しかし、こうした新たなビジネスモデルを大規模に展開するためには、企業活動のバリューチェーンの全域において新しい役割や機能が求められるようになります。」
「Waste to Wealth」では、サーキュラー・エコノミーモデルを進化させるために以下の取り組みを推進していくことを提言しています。
アクセンチュア・ストラテジー マネジング・ディレクター ピーター・レーシーは次のように述べています。「企業がサーキュラー・エコノミーを推進する理由は、新たな市場機会を獲得することであり、資源不足などへの配慮によるものだけではありません。資産の生産性を高め、長期化させることでより大きなビジネス成長を実現できるのです。大半の企業は、Waste(無駄)を前提とした事業運営をおこなっており、Waste(無駄)からWealth(富)を創造するためには、様々な施策を実行に移していく必要があります。いち早くこうした変革を実現した企業は、今後、市場における競争優位性を確立することができるのです。」
アクセンチュア 戦略コンサルティング本部 マネジング・ディレクターの朝海 伸子は次のように述べています。「サーキュラー・エコノミーはシェアリング・エコノミーやアイドリング・エコノミーを包含する新たな概念であり、IoT(インターネット・オブ・シングス)によってあらゆるものがネットワークにつながった世界で、競争力のあるビジネスモデルを確立させるために欠かせないフレームワークです。従来の『モノ売り』から『コト売り』を中心としたビジネスへの転換を目指す企業は、どの領域で、どのようなサービスを展開するのかといったことを慎重に見極め、それらを実装していく必要があります。サーキュラー・エコノミーは資源輸入国である日本にとって今後の持続的な経済成長の糸口となり得るものであり、グローバルな舞台で日本がリードするべき領域なのです。」
「Waste to Wealth」は、グローバルにおける企業120社、50名の経営幹部を対象にした調査に基づき、サーキュラー・エコノミーが創りだす世界的なビジネスチャンスを明らかにした著書です。先進的な企業のサーキュラー・エコノミーの成功事例を数多く掲載しており、既に英国、中国、ドイツで出版されています(米国では2015年9月25日に出版)。本書は、amazon.com, amazon.co.ukまたは書店で購入できます。
本書の概要は以下の日本語特別サイトもご参照ください。
https://www.accenture.com/jp-ja/insight-creating-advantage-circular-economy
アクセンチュアは「ストラテジー」「コンサルティング」「デジタル」「テクノロジー」「オペレーションズ」の5つの領域で幅広いサービスとソリューションを提供する世界最大級の総合コンサルティング企業です。世界最大の規模を誇るデリバリーネットワークに裏打ちされた、40を超す業界とあらゆる業務に対応可能な豊富な経験と専門スキルなどの強みを生かし、ビジネスとテクノロジーを融合させて、お客様のハイパフォーマンス実現と、持続可能な価値創出を支援しています。世界120カ国以上のお客様にサービスを提供する35万8,000人以上の社員が、イノベーションの創出と世界中の人々のより豊かな生活の実現に取り組んでいます。(2001年7月19日NYSE上場、略号:ACN)。
アクセンチュアの詳細はwww.accenture.comを、
アクセンチュア株式会社の詳細はwww.accenture.com/jpをご覧ください。
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