都市とその機能は、地域や社会と共に発展し、新たに生じるさまざまな課題に対応しながら継続的にあるべき姿へと形を変えていきます。現代の都市はスマート化への移行段階にあると言えるでしょう。
AI や IoT などの最先端技術を活用することで、都市は「つながるインフラ」の新たな可能性を提供できます 。そして、市民個々のニーズを継続的に学習し適応することで、新たな可能性をもたらし、市民目線の良質な体験とサービスの提供へとつながっていくのです。
都市はスマート化の過程で、産学官民すべてのステークホルダーが、未来の都市づくりを「共創( Co-Creation )」できるプロセスを整備する必要があります。「共創 」 が、市民によるイノベーションを推進し、市民中心のプロセスの影響を増大させることで、市民の生活の質( QoL )の向上をもたらすでしょう。 また、新型コロナウイルス感染症のパンデミックを契機とする新たな変化の波は、人々に行動変容を促し、新たな課題を生み出しています。このような状況の中で、都市部や地方のさまざまな都市が、新たなイノベーションの機会を見い出しており、これらの地域間のさらなる統合が進んでいくことが予想されるでしょう。
このような世界の変化の中で、市民の生活を本質的に支えるスマートシティ実現のためには、持続的に市民のくらしをより豊かにしていくアプローチが重要です。アクセンチュア ソングのデザインスタジオFjord Tokyoと作成した本レポート「スマートシティ:市民中心の未来都市」では、市民・行政・民間が一丸となって「市民中心の未来都市」を共創していくための展望を、国内外の事例を踏まえながら提示しています。