CAREERS

デジタルデリバリー
事例紹介

最新ツールとアジャイルで、30画面を4人・10週間で実現!
プロトタイピングを駆使したアプリ開発プロジェクト

Takuya S.
シニア・マネジャー
プロジェクトリード
Takefumi K.
コンサルタント
サービスデザインを担当
Sayuri Y.
アナリスト
UXデザインを担当
Yang Y.
アナリスト
アプリケーション開発を担当
大手通信会社の法人営業部門の課題解決に挑戦

Takefumi K.このプロジェクトは大手通信会社のお客さまの法人営業部門の営業担当の方々(約2000ユーザー)が利用する「営業支援アプリ」をデザイン、設計、構築、開発、保守運用するという内容でした。このアプリを活用していただくことで、お客さまのワークスタイルの改革と業務の効率化に同時に貢献するというものです。

今回のアプリのユーザーであるお客さまの法人営業部門は、外回り営業が中心の業務スタイルです。客先を訪問し、商談して、結果や進捗を上長やチームへ報告するという一連の業務の流れがあります。

営業報告/案件管理にはSFAツール(営業支援システム)が使われていましたが、入力項目が多いため現場営業担当者がタイムリーに報告を行わなくなり、さらには部/課ごとに異なるスプレッドシートで案件が管理されるようになっていました。それによりフォーキャストや部横断の情報の参照に時間を要する状態となっており、経営層は営業状況の正確な把握が課題だと認識していました。

つまり、このプロジェクトは「営業担当者の業務負荷の軽減」と「営業状況の把握の正確性・リアルタイム性の向上」という2つの経営課題の解決を目的としてスタートしたのです。

Takuya S.お客さまは業務用のスマートフォンを営業担当者に1人1台で配布していましたので、移動中の空き時間に入力作業を行うなど、カジュアルにインプットできるようにしたいというご要望がありました。

当初はスタンドアロンのスマートフォン用アプリとして設計していましたが、お客さま側のSFAツールの刷新タイミングと重なったため、プロジェクトの途中からアプリとSFAとの連携も要件に加わりました。

最新テクノロジーを取り入れながらアジャイルで開発

どのようなスケジュールで進行したのでしょうか。

Sayuri Y.2017年の1月にプロジェクトはスタートし、プランニングが本格化したのは2月からです。デザイン作業が先行し、システム面の要件定義が5月、開発は6月から8月末までの約10週間でした。

Takefumi K.このプロジェクトでは、まずデザインシンキングの手法を取り入れて現場参加型のワークショップを実施しました。情報システム部門・現場営業担当者を交え、現状の課題や目指すべき方向性、サービスアイデアを集中討議して共創しました。ワークショップを通じて実際のユーザーの心理に深く共感することが、プロダクトのエクスペリエンス向上に繋がります。その上で業務シナリオをビジュアライズし、サービスアイデアを取り入れたプロトタイプを作成していきました。プロトタイプをベースに機能やデザインについてお客さまと議論を重ねた後、システム面での要件定義に入りました。

当初は100画面近くありましたが、絞りこんでいって、最終的には30画面くらいに減らしました。まずは要件をすべてヒアリングして、すべてを盛り込んだフルタイプの要件定義をつくっていきましたが、クイックな営業報告ができるように機能を絞り込んで50画面程度まで減らし、その後さらに削ぎ落していったんです。

Sayuri Y.「案件管理と営業報告にフォーカスしたコンパクトな設計にしよう」というのがコンセプトでした。スピードが重視される開発でしたので、プロトタイピングツールを使って、動作しているかのような感触のモックアップを約1カ月で作りあげ、それをベースにお客さんと仕様を詰めていったことをよく覚えています。

プロトタイプではタップできるところなどが制限されていて、特定のシナリオに沿ってのみ動作するなど一方通行ではありましたが、実際の操作感を再現できていたことがお客さまにも安心していただけたポイントだと思います。

Takefumi K.早い段階で完成形イメージを関係者が共有して「こうすべき」を議論できていました。

もしプロトタイプがなくて、Excelなどで機能一覧を作るといったような方法で作業をしていたら、機能をどう絞り込むかが見えにくかったかと思います。プロトタイピングで取り組んだことのメリットは計り知れません。

Takuya S.その後、6月に開発が本格化して、開発チームを立ち上げました。

僕が入ったときに、すでにアプリのプロトタイプは完成形に近い状態でしたが、さらなる削ぎ落しが必要だと感じていましたので、お客さま側の営業部門の方々にレビューいただきながら、その作業を一緒にやりました。

Yang Y.私が最初に担当したのはホーム画面のカレンダー機能で、これがこのアプリの最も難しいところでした。とはいえ楽しく勉強しながら開発した記憶があります。

Takuya S.開発にはCordova/Angular 4を使い、4名のエンジニアで約30画面の開発を10週間で完了しました。

アジャイル開発ですから細かなタスク管理はせずに、「8月末までに作り切ろう」というスケジュール方針の下で、日々エンジニアと話しながら開発スコープのコントロールを行っていました。参画してくれたエンジニアはみな優秀で、各自がお互いをサポートしようという気持ちで仕事をしてくれていたので、作業が滞るといったようなことはありませんでした

開発中はどのようなコミュニケーションをとられたのですか?

Takuya S.たとえばKさんやYさんの隣で作業をしながら「こんな感じでどう?」と一緒に画面を見ながら進めていました。

開発側だけでは決められないことは、すぐにお客さま先に飛んでいって、意見交換を行いました。お客さま先にはほぼ毎日行っていましたね。

Sayuri Y.私は新卒入社のエンジニアと席をならべて作業していましたので、修正や変更点を即座にその場でフィードバックできてとても作業しやすかったです。同じ拠点のワンチームで和気あいあいと仕事ができて本当に効率的でした。

業務改革にも貢献。アクセンチュアならではの価値を提供

このプロジェクトで特に苦労したポイントを教えてください。

Sayuri Y.SFAツールと連携することがプロジェクトの途中で決まったので、それに伴う仕様変更ですね。

PC版(ブラウザ版)との整合性を取る必要がでましたので、そこが苦労したポイントです。

Takuya S.ユーザーである法人営業部門の方々は主に外出中にモバイルで入力しますが、帰社したらPCを使って続きを入力します。データがシームレスに連携することが求められました。

システム要件を詰めている間に出てきた追加要件でしたが、最終的には良い感じに統合できたと思います。

Sayuri Y.今回は現場の声を直にヒアリングできる機会が多いプロジェクトだったのが印象深いですね。

Takefumi K.法人営業部と一口に言っても、対象企業の規模によってチームが分かれていますからチームごとに、要望が少しずつ異なります。それを刷りあわせする作業が特に大変でしたね。

Takuya S.たとえば、あるチームは商談中の営業先の情報を共有したいという要望がある一方で、別のチームは各個人で管理して互いの分は見られないようにしたいなど、データの権限の部分の調整に難航しましたね。現場の営業さん30人近くが集まって5~6回はディスカッションした記憶があります。

とはいえユーザー受け入れテストが終わって実稼働に入るときは非常にスムーズでした。使いづらいとか、バグだらけといった評価は皆無でしたね。

アクセンチュアはコンサルティングの企業ですので、営業業務改革の点でもたくさんの提案できましたし、そこは単なるアプリ開発ベンダーとは異なるバリューだったかと思います。

重大なバグはゼロ。ユーザーからは前向きなフィードバック。

プロジェクトの現在の状況と今後の展開を教えてください。

Sayuri Y.昨年10月のリリースは第1ステップの位置づけで、まだ第2、第3ステップと続いていきます。1つのステップで完結していくのではなく、段階的にリリースしていくアプローチです。

Takuya S.リリース初日でインストール率は30%でした。社内業務用のアプリとしてはかなり高い割合です。1週間以内に70%までいきました。急激に使われていったのと、どんどんデータが入ってくるのを見ているのは楽しかったですね。

こうした案件ではリリース後1~2カ月はバグ対応や緊急修正対応などでスタンバイすることが多いのですが、今回はそれがほぼありませでした。重大問題はゼロ件です。お客さん社内でもサポートセンターを立ち上げていましたが、ネガティブな意見はほぼなく、ユーザーからの好意的なフィードバックが多数入ってきています。それを元に「より良くする」、「改善する」ための前向きな機能を追加しています。

「教え合うカルチャー」とチームワーク

Yang Y.私は今回の開発チームに入る前は、モバイルアプリの専門性は高くなかったのですが、開発が楽しくて、リリースまで走り抜けられたことで強い達成感がありました。

SFA連携では社内の専門家チームからのレクチャーを受けながら実践していくことができましたし、かなり勉強になりました。経験者を講師にして勉強会を開いてもらうなど、アクセンチュアの教え合うカルチャーが生きていたと思います。

Takuya S.今回のプロジェクトでは和気あいあいとディスカッションを重ねながら作っていました。1人で黙々と作業しているだけという場面は少なかったですね。

Yang Y.アクセンチュアには得意分野や経験の異なるメンバーがそろっているので、それぞれの知識を持ちよって助け合って実装に向かって進んで行けました。

それに、Sさんがメンバーにどんどん話しかけてくださったので、煮詰まっている部分があってもすぐに解決しましたね。

Takuya S.僕はいい意味で「かき乱す」ことを意識していて、知恵を互いに出したり、コーヒーブレイクをしてチームで考えたりといったことも試みました。これはアジャイルの時代ならではのチームワークだと思いますし、アクセンチュア独自のスピード感だと思いました。

通常、30画面を作るには開発だけでも4~5カ月が必要だと思いますが、今回は半分くらいの期間でできました。プロジェクト管理ツールによる厳格な管理をあえて行わなかったことで、互いに助け合い、スピーディな開発につながったと思います。

もちろんテストではバグが出ますが、チームの成熟と個人の成長により、スピーディーに解決できる状態になっていました。コミュニケーションが密なので、手の空いている人がいればすぐにわかりますし、負荷が集中している人がいればすぐに作業を分担したり巻き取ったりしていました。

Yang Y.メンバーも手が空かないように、各自が率先して仕事をしていた気がします。1人ひとりが自分の仕事に対するオーナーシップを持っていた感じですね。

学んだことが生き、成長を実感できる環境

このプロジェクトの感想や、プロジェクトを通じて得られた成長などは何でしょうか?

Takuya S.自分の仕事の成果として誇れるアプリが出来たのは純粋にうれしいですね。

Sayuri Y.UXデザインは画面をデザインしているのではく、体験をデザインしているのだとよく言われますが、それを非常に強く実感したプロジェクトでした。

100あった画面を30まで絞り込んだわけですが、そのときも「機能で取捨選択」するのではなく、「外出中に親指の操作だけで営業報告を完了させるためには何が必要か」を考え、「あるべき体験に基づいて考えてデザイン」しました。

Takefumi K.法人用の業務アプリとしてはかなりのユーザー規模ですし、本部長クラスのトップや実際のユーザーである現場の方々と直接やりとりしながら開発できたのはよい経験でした。

今回は通信会社のお客様でしたが、他の案件では農業機器メーカーの仕事だったり、海外旅行をする人と航空会社との接点を考えるプロジェクトだったり、いろいろな業界に関する体験を形づくる仕事ができるのはアクセンチュアの醍醐味だと思います。

Sayuri Y.さらに多様なプロジェクトをエキスパートなメンバーと一緒に働ける、というのがいいですね。

いいグルーブ感があるなかで成長できているのは、次のプロジェクトに入ったときに強く実感します。学んだことが生きているな、と。

Sさんはあまりガツガツ言わないタイプの上司ですが、「最近どう?」とフレンドリーに話しかけてくださるので、意見や話を言いやすい環境ですし、持っている知識や経験の幅などで、とても勉強になります。

Takuya S.業務コンサルタントとの連携など、アクセンチュアならではの経験や成長機会がありますよね。

Yang Y.エンジニアの視点としては、常に最新技術に触れることができるので、次のプロジェクトでもすぐに活用できて充実感があります。

デジタルデリバリーでの働き方としては、コミュニケーションがポイントだと思います。私はフィリピンの開発チームとのコラボレーションのプロジェクトなどに参画したことがありますが、距離が離れていてもツールを使っていつでもコミュニケーションできますし、そうした「話のしやすさ」はプロジェクト成功に貢献している要素だと思います。