クラウド推進事業本部/テクノロジーコンサルティング本部シニアマネジャーの飯田と申します。AWS等のパブリッククラウドを使用したIT Modernization、クラウド・セキュリティやビッグデータプロジェクトを担当しています。

前編と後編の2回に渡って、アクセンチュアにてTableau様に開催いただいた勉強会の様子と今後のビッグデータ関連のプロジェクトで利用できそうなTableauの機能およびクラウドサービスとの連携について紹介いたします。
今回の前編ではTableau製品の概要とTableau社とアクセンチュアの協業について、次回後編ではクラウド上でTableau製品を使用するときのポイントなどを中心にご説明いたします。

アクセンチュアは独自の製品を持たないコンサルティングファームのため、お客様にとって最適な製品を選定することやお客様より指定の製品を用いたコンサルティングが求められます。アクセンチュアでは様々なパートナー企業様とのアライアンス関係を持っており、パートナー様製品の説明会(勉強会)を開催いただくことで、各社製品の最新情報や新しい技術を学ばせて頂いております。
今回はTableau Japan社の黒井様、増田様にアクセンチュアまでご来社いただき勉強会を開催いたしました。遠隔地からの参加を可能とするため、オンライン接続形式(Skype)でTableau様よりプレゼンテーションとデモンストレーションを実施いただき、総勢50名以上の社員が参加いたしました。

写真 左からTableau Japan黒井様、増田様


■Tableau製品概要
TableauはセルフサービスBI(Business Intelligence)というカテゴリに分類されるBIツールです。BI自体は歴史が古くCOGNOS社(現IBM社)、SAS社、Hyperion社(現Oracle社)といった企業がBIツールを提供しデータの解析を行ってきました。これらの従来型BIツールは主に高いスキルを持ったデータベースエンジニアがデータ分析方法を予め定義して定形分析を実施するものでした。TableauのようなセルフサービスBIツール(モダン型のBI(以下モダンBI))はデータから知見を得たいエンドユーザーが自分自身でデータの分析を簡単にビジュアルに実現し、得られた知見を簡単に社内で共有できるようにしています。モダンBIはさらに、疑問や仮説を基に、あらゆるデータに対して自由に分析を繰り返し、データからそこに隠れているもの(インサイト)を見つけ出すことを可能としています。(表 従来型BIとモダンBIの比較)

表 従来型BIとモダンBIの比較


*Tableau社資料より引用
**分析プロセスOODA(Observe/Orient/Decide/Act)は観察・理解・決定・実行を意味しており意思決定が目的。


モダンBIの中でもTableau社はガートナー社発行のマジック・クアドラントにて7年連続で分析とBIのリーダーに選ばれています(出典:Tableau社ブログ「Tableau、ガートナー社のマジック・クアドラントで7年連続でリーダーに」)。このようにTableau社は新しいモダンBI市場を開拓しデータを使うヒトの層を大きく広げることに貢献されていると考えられます。


■Tableau製品のラインナップ
Tableau製品にはデータ準備を行う「Tableau Prep」、ビジュアル分析ツール「Tableau Desktop」、ダッシュボードを組織で共有する「Tableau Server」、Tableau Serverのクラウド型サービス「Tableau Online」が提供されています。この中で主にデータ分析に利用されるのが「Tableau Desktop」ということになります。利用者がTableau Desktopを使用してデータ分析を行い、インサイトを見つけたら、Tableau ServerまたはTableau Onlineで公開することができ、社内で共有するという使用方法が一般的な使い方です。Tableau Serverへアクセスした他のユーザーは公開されたインサイトからさらに自分でパラメータを一部変更して変化を確認するということも可能です。



図 Tableau製品ラインナップ
*Tableau社資料より引用


Tableauを利用するユーザーは3つのライセンスとそれぞれ実施可能なロールが定義されています。「Creator」は最大の権限を持ち、サイトの管理およびデータソースの作成が可能なデータ分析を実施するユーザーです。「Tableau Explorer」はデータの分析とビューのパブリッシュが可能です。「Viewer」はパブリッシュされたビューを閲覧することが可能なユーザーです。(図 Tableauライセンスとロール)



図 Tableauライセンスとロール
*Tableau社資料より引用


■Tableauの基本的な使用方法
TableauではTableau Desktopが分析の中心となるため、ここではTableau Desktopによるデータ分析方法の触りを紹介します。Tableau Desktopの特徴は接続できるソースを多数サポートしている点です。様々なデータソースから必要なデータを抽出し、それをビジュアルに分析することを可能としています。一番簡単な分析としてはExcelのブックとして手元にあるものがそのまま利用可能ですし、RDBであれば直接データベースに接続させることができます。データソースに接続すると利用可能なテーブルに含まれる項目のデータ型を自動的にTableauが認識し、「ディメンション」と「メジャー」にカテゴライズされます。ディメンションとはデータ分析を行う切り口となる項目が該当し「品目」や「地域」といった数値化できない情報や「日付」が自動的に登録されます。メジャーには「売上」や「個数」のような集計可能な数値データが登録されます。この「ディメンション」「メジャー」の中から可視化したいデータ要素を縦軸となる「列」および横軸となる「行」にドラッグするだけでTableauが自動的に最適な縦軸・横軸の範囲および最適なグラフの種類を選定し、グラフを描画してくれます。ディメンション、メジャーの項目を大分類から小分類へと追加していくことでデータ分析を深掘りすることが可能です。



図Tableauによるデータ分析例
* Tableau Desktop付属サンプルデータ利用


より詳しく知りたい方はTableau様のホームページ(https://www.tableau.com)に様々なドキュメントやデモ動画、トレーニング動画が提供されていますので御覧ください。


■Tableau社とアクセンチュア
Tableau社とアクセンチュアは2014年よりアライアンスパートナーとして協業してきました。アクセンチュアによるTableau製品を使用した多くの実績が評価され、2017年にはTableau社が開催する「Partner Executive Kick-Off in Seattle」イベントにてアクセンチュアが「Global System Integrator of the Year」に選出されました。

また、アクセンチュアは実際のプロジェクトでの経験から得られた多くのTableau関連アセットを有しております。


前述の通りTableauはクラウドサービスと連携することでパフォーマンスを最大限発揮することが可能ですが、利用にあたっては各クラウドサービスとの親和性やシステム構成およびセキュリティ面での考慮も必要となります。次回後編ではTableauを利用する際のポイントについて、いくつか紹介したいと思います。

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