AWS技術情報キャッチアップ方法
2021/08/11
2021/08/11
アクセンチュアの積田です。
今回はAWSを触り始めの方からある程度触っているアーキテクトの方向けに"AWS技術情報キャッチアップ方法"について記載します。
2021年8月時点でAWSには200を超えるサービスがあり、全てのサービス内容について理解してキャッチアップしていくのは大変ということが容易に想像できると思います。
キャッチアップしていく中でオンプレミスと同様にネットワーク(TCP/IP)・Linux等のOS・プログラミングの知識が必要になりますが、そちらについては本記事では言及しません。
AWS認定資格
AWSを触り始めの方はとにかくサービスの多さに驚くと思います。
そこで、取っ掛かりとしてお勧めなのはAWS認定資格で基礎知識を付けることです。
既にクラウドの特徴(コスト、セキュリティ、etc..)が理解できている方はSolutions Architect Associate(通称:SAA)、できていない方はCloud Practitioner(通称:CLF)の取得をお勧めします。
オンプレミスとクラウドを両方使う様な構成の深い理解をしたいのであれば、Solutions Architect Professional(通称:SAP)も取得することで、よりAWSへの理解が深まると思います。また、SysOps Administrator Associate(通称:SOA)では2021年7月から実際の操作を問う試験問題も追加され、より実践的な学習が可能となりました。
私がAWS認定資格を薦める主な理由は以下です。
• 「多くの人が悩む点」や「クラウドを使うにあたり知っておくべき点」を体系的に学べること
• 知識をつけることにより複数のアーキテクチャ構成から最適な構成が考えられるようになること(引き出しが増える)
• 合格という明確なゴールがあること
認定資格の勉強方法についてはネットで検索すれば多くの情報が出てくるので割愛させていただきますが、演習問題を解く際に"不正解の選択肢がなぜ不正解なのか?"について考えながら解くことをお勧めします。
そうすることにより、演習問題1問で何度も美味しい思いをしつつ、サービス理解が深まるからです。
問題集についてはアクセンチュアのメンバーも執筆に関わっている以下の問題集をはじめ、AWSの試験に関連する本がたくさん出版されているので、自分が勉強するのに合いそうな本をお手に取って頂けると幸いです。
• AWS認定ソリューションアーキテクト-アソシエイト問題集
• この1冊で合格! AWS認定ソリューションアーキテクト - アソシエイト テキスト&問題集
• AWS認定アソシエイト3資格対策~ソリューションアーキテクト、デベロッパー、SysOpsアドミニストレーター~
• AWS認定ソリューションアーキテクト-プロフェッショナル~試験特性から導き出した演習問題と詳細解説~
AWS公式 ハンズオン
AWS認定資格を勉強しつつ、AWS公式ハンズオンの中から興味のあるものを実際にやってみることをお勧めします。
AWSアカウントの作成・セキュリティ対策・ネットワーク作成・負荷に応じてスケールする3層WEBシステム作成などの素敵なコンテンツが盛りだくさんとなっています。
AWSアカウント作成時に付与される無料枠を超え、AWSサービス利用料がかかるものがありますが、ハンズオン後に直ぐに削除すればそこまで利用料はかかりません(事前に利用サービスと利用料金を確認することをお勧めします。)
自分がいつも使っている好きなサービスのアーキテクチャを考えてみる(各サービス間の連携を思い浮かべてみる)
恐らく、皆さんが好きでよく使うサービスのいくつかはAWS上で動いていると思います。
例えば、私が大好きなNetflixもAWS上で構築されており、一部アーキテクチャが公開されています。
まず自分でアーキテクチャを考えた後に「AWS アーキテクチャ "サービス名"」などで検索してみると良いと思います。その中で、知らないサービス仕様や各サービスがどの様に連携しているのか等の細かい仕様を調べていくと、理解が深まると思います。
好きなサービスのアーキテクチャを自分で考えることにより、AWS認定資格勉強ではあまり身に付けることができない、自分でアーキテクチャを考える力が付くのでお勧めです。
AWS サービスアップデート
ある程度AWSを触っており、基本的なサービスの理解ができている方はWhat's new with AWS?を定期的に確認して知識のアップデートを行いましょう。
ご存知の方も多いとは思いますが、AWSでは「できなかったこと」や「アンチパターンだったもの」がサービスアップデートにより改善されることが非常に多いです(KMSのマルチリージョン対応や、LambdaとRDSの接続、etc..)
SlackなどでRSSリーダ設定をしておくと空いている時間にスマホなどでサクッと読めるのでお勧めです。
全ての記事を読むのは辛いと思うので、私はアップデートのタイトルを見て"興味のあるサービス"や"知らないサービス"の記事を読んでいます。
日本語で翻訳もされていますが、英語の方が情報が早いので、より早いキャッチアップを行いたい方は英語で読むことお勧めします。
また、主要なアップデートだけ日本語でキャッチアップしたい方は次に紹介する"週刊AWS"をご覧ください。
週刊AWS
AWS サービスアップデートは情報量が多いので、あまり時間を取れない方には週刊AWSをお勧めします。
AWSの方が週単位で主要なアップデートについて日本語でまとめてくださっています。
私も時間がない際は週刊AWSでキャッチアップを行っています。
AWS公式資料検索
Googleにて以下の様に検索ワードを入れて検索すると、AWS SummitやBlack Beltの資料が見れます。
「site:pages.awscloud.com OR site:d1.awsstatic.com filetype:pdf "検索ワード"」
個々のサービス内容概要やアーキテクチャについてまとまったものが見たい場合によく使います。英語でもよい方は英語によるGoogle検索を行うとさらに多くの情報が得られます。
実際に検索してみるとお分かりいただけると思いますが、素敵なAWS公式の資料がたくさん出てくるのでかなりお勧めです。
注意点としては「アップデートによって内容が古くなっている場合」や「詳細な仕様については記載がない場合」があるので、最新の仕様や詳細な仕様については英語版のAWS公式ドキュメントを参照してください。
AWS公式ワークショップ
認定資格や公式資料で知識をつけたらAWS公式のワークショップをやってみましょう。
ほぼ全てのワークショップが英語ですが、DeepLの様な優秀な翻訳ソフトもあるので根気さえあれば英語が苦手な方もできます。
実際にサービスを触りながら設定を行うことで、理解が更に深まっていくことが実感できると思います。
最初の方にアーキテクチャ図が載っているので、アーキテクチャ図を頭の中に思い浮かべながら実施することで、サービス特徴やサービス間連携の知識が深まります。
AWS公式ドキュメント
情報が多く読み辛いですが、情報が確かで最後に頼りになるのはやはりAWS公式ドキュメントです。たまにAWS公式ドキュメントに記載されていない仕様がありますが、その際はAWSサポート(有償)を利用すると良いです。余談ですが、私がAWSの中で一番好きなサービスはAWSサポートです。
また、公式ドキュメントを読む際は必ず英語版をお勧めします。
理由としては日本語翻訳が不正確な場合や情報が古い場合があるためです。最近は自動翻訳されており情報が古いことはあまりなくなってきた印象ですが、AWS公式からも英語版が優先される旨が案内されているため英語版をお勧めします。
色々と書きましたが、一番大切なことは興味を持って常に学び続けながら、実際に手を動かすことだと思います。
私自身も興味を持って学び続け、実際に手を動かしながらお客様へ価値のある素敵な提案を行っていきます!
来週もアクセンチュアSolutions Architect(SA)による記事が公開されるので、読んでいただけると幸いです。
この記事を見てくださった方が少しでもAWSに興味を持ち、世界が今より少しでもより良くなっていくことを心より望みつつ筆を置きます。