Google Cloud Next '19 in Tokyo アクセンチュア アプライド・インテリジェンス(AAI)の提供するクラウドソリューション
2019/10/17
2019/10/17
デジタルコンサルティング本部 アプライド・インテリジェンスグループ(アクセンチュア アプライド・インテリジェンス, AAI)/ Cloud Data & Analytics Capability Lead シニア・マネジャーの青柳雅之と申します。7月31日、8月1日に開催された Google Cloud Next '19 in Tokyo では、GCP上で構成、稼働することが可能なアクセンチュアのソリューションを紹介させていただきました。今回のブログでは、私が所属するアクセンチュア アプライド・インテリジェンスの各ソリューションをメインに担当者が紹介します。また、Tableau社にもTableau+BigQueryのデモを同じブースで実演いただきましたので、その内容をTableau社から紹介していただきます。
Googleとアクセンチュアのビジネスグループである Accenture Google Business Group(AGBG)の取り組みのアップデートや、アクセンチュアがこのイベントで実施したセッション、他部署のソリューションの紹介については、次回以降のブログで紹介させていただきます。
アクセンチュアは全世界で77,000人以上のクラウドプロフェッショナルを保持
アクセンチュア アプライド・インテリジェンス(AAI)とは
アクセンチュア アプライド・インテリジェンスは、人工知能、アナリティクス、分析基盤構築に関するソリューションを提供する組織です。デジタルコンサルティング本部を構成する1つの組織でもあります。これから紹介するソリューションはGCPや他のパブリッククラウド上でも展開されています。AAIはデジタル領域のケイパビリティを中心に、そのベースとなるクラウドのケイパビリティも有しています。AAIが得意とする領域は、GCPも力を入れている領域であり、今後、AGBGという枠組みの中で密接に協力をしていきます。
それでは、各ソリューションの紹介を見ていきましょう。
AI Hub & AI POWERED SERVICES
飯澤拓(いいざわ・ひらく)です。AAIで企業へのAI導入の、主にエンジニアリングサイドを担当しています。私からはAI Hubと、AI POWERED SERVICESをご紹介致します。 近年、日本の少子高齢化に伴う労働者人口の減少と、これに派生する働き方改革・生産性向上が社会にとって重要なテーマの一つとなっています。企業にとってこの問題に向き合うためには、AIの活用は将来いつか必要なことではなく、今まさに取り組まなくてはいけない課題です。しかし、多くの企業にとってAIを使って業務をどのように変えれば良いのか、AIをどのように導入すればよいか、決まった手順はありません。また、AIのアルゴリズム・サービスは現在も盛んに研究・開発が行われており、今現在優位なサービスでも、半年・1年後にはもっと良いアルゴリズムによる、優れたサービスが登場するかもしれないのです。更にAIは従来のシステムとは異なり、導入すれば終わりではなく、運用を行う中で継続的に学習させて精度を向上する運用を行う必要があります。多くの企業にとって上記の問題を解決する仕組みを1から作り上げてAIを導入することは容易ではありません。
AI Hubプラットフォーム
そこでアクセンチュアはAIの導入と運用を促進するプラットフォームとして、AI Hubをご提供しています。AI Hubは、RESTful APIとして提供されるAIや企業自ら学習させ作り上げたモデルなどのAIエンジンと、ユーザー接点となるUI(Web/SNSはもちろん、音声も含みます)、そして企業が持っているシステムやデータ、更には外部のサービスなどを連携し、企業独自のAIシステムを作り上げることを可能とします。AI Hubには、アクセンチュアがこれまで手掛けた多数のAI/Analyticsプロジェクトの経験をもとに、AIシステムに必要とされる機能をあらかじめ実装しており、更に継続的に改善を加え続けることで常に最新のAIアーキテクチャを企業に提供致します。また、AI Hubを用いたAIサービスの運用もオプションとして提供しており、継続的なAIの精度向上を可能とします。
AI POWERED SERVICES
このAI Hubをベースとして、AIによって高度化した業務モデルが『AI POWERED SERVICES』です。AI POWERED SERVICESは、まずは下記4つの業務を対象としてリリースしました。
✔ AI Powered Contact Center
✔ AI Powered Concierge
✔ AI Powered Backoffice
✔ AI Powered SCM
Data Platform
岩倉央弥(いわくら・てるや)と申します。私はデータマネジメントプラットフォームにおける基盤やアプリケーションの設計、開発、導入を担当しています。主に、小売業界の分析基盤やマーケティングオートメーションの設計、開発、導入を経験してきました。今回は、これらの経験から生まれた、アクセンチュア アプライド・インテリジェンスにおけるData Platformの標準化に対する取り組みを紹介します。
※紙谷敦とともに開発をしました。
⬛背景
データ活用の機会が増える中、データを蓄積する基盤の需要が伸びてきています。そうした基盤が標準化されていない場合、どのクラウドで、どのようなアーキテクチャで構築するかを毎回検討する必要があり、時間とコストがかかっていました。そこでData PlatformにおけるData Flow, Data Catalog, Infrastructure as Code, Monitoring Systemを標準化しました。
⬛導入効果
✔ 標準化された仕組みで時間とコストが抑えられる
✔ オンプレミスからクラウドまでハイブリッドかつマルチクラウドで構築できる
✔ 導入後、安定した運用を実現できる
⬛インフラストラクチャー
Data Catalogは通常パッケージ製品を利用することが多いですが、ETLツールなどのData Flow製品も同時に購入し運用しないと、使えないカタログ機能が多くあり、費用対効果が低い傾向にあります。我々のPlatformでは、Data FlowとData Catalogを分けてカスタム開発しているため、どちらかのみを導入するといった柔軟性があり、上述のような課題をなくしました。
⬛Data Flow
PythonのLuigiパッケージによって①データ加工から②Data Base投入までを標準化することで下記のことを実現します。
✔ 再利用可能なソースコードによる開発工数・コストの削減
✔ データ加工、DBへのロードにおける冪等性を担保した安定した運用
⬛Data Catalog
データレイク活用にあたり、様々な形式のデータが様々な場所に格納されるようになりました。一方で、利用者はデータの探索が困難になってきています。こうしたことからデータの場所・意味・制約・使い方などの情報や、各部門でのナレッジが集約された、データカタログが必要となっています。我々は必要な機能に絞り、業務ユーザーにとって使いやすいカタログを目指しました。
サンプル画面
ここからは、Tableau社によるデモの紹介になります。
Tableau とGoogle BigQuery Machine Learning との連携デモ
Tableau Japan の岩橋智弘と申します。Google Cloud Next '19 in TokyoのAccentureブースにて、Tableau 社より紹介させていただきました、「Tableau とGoogle BigQuery Machine Learning との連携デモ」について紹介します。
デモの概要
今回のデモでは、東京都の中古マンション物件販売価格データをGoogle Big Query Machine Learning で事前に学習しておき、Tableau のダッシュボードから最寄り駅、間取り、広さ、築年数など希望の条件を入力すると、機械学習により予測されたマンション価格を表示するデモを実施しました。
例えば、「豊洲駅」「2DK」「68㎡」「築10年」という条件を指定すると・・・
以下のように予想価格が算出されました。
同じ条件で「四ツ谷」を指定すると予想価格が変わります。
技術概要
以下のステップでこちらのデモを実現しています。
① マンション価格データをBigQueryに投入し、SQLライクな構文で予測モデル(線形回帰モデル)を作成する。
② Tableau から指定した条件のパラメータを含むSQLライクなクエリをBigQueryに発行し、予測値を取得、ダッシュボード上に表示する。
Tableau とBigQuery Machine Learningを連携するメリット
BigQuery Machine Learning を利用すると、SQLライクな構文で非常に簡単に予測モデルの構築、リアルタイムでの予測値の取得が可能となります。Tableau と連携することで予測された値をよりインタラクティブに、ユーザーの心を動かす形で可視化し提供することができます。 今後もGoogle Cloud プラットフォームとTableau の連携に期待します。
最後に
GCPからは多くの機能がアップデートされていて、我々もキャッチアップが大変です。しかし、新機能を学び、それらを組み合わせて新しい価値を生むソリューションを作る、そういう多くの機会をアクセンチュア デジタル アプライド・インテリジェンスでは作っていきたいと考えています。
参考資料