こんにちは!アクセンチュア・クラウド・ダイアリーズをご覧頂きありがとうございます。 アクセンチュア クラウド推進事業本部でCloud Strategy & Innovatorを担当しています、関と申します。

まだまだ手探りながらブログ執筆しておりますが、少しでも皆さまのお役に立てるような記事を書いていこうと 思いますので今後とも宜しくお願いします。

さて、今年も日本情報システム・ユーザー協会様(JUAS)から「企業IT動向調査(2016年度版)」が発表されました。調査結果そのものの解説は多くの大手メディア様でも紹介頂いているため、今回はアクセンチュアの立場から 少し読み解いてみようと思います。

冒頭、「現在と今後のIT基盤における企業の優先課題」について以下の調査結果が出ていますが、高難易度かつ多岐に渡る取り組みテーマが上がっており、数年前よりも更に舵取りが難 しい時代に突入しているものと認識しております。

特に、従来のような「TCO最適化」といった普遍的かつ命題的なテーマに加えて、「ビジネスに柔軟かつ迅速に対応できるIT基盤」という明確な答えのない問い(ある意味で雲を掴むような)取り組みが更に難易度を上げているように思えます。日々の業務をこなしつつ、このような取組みテーマに対して、マネジメントが納得できる内容での実施有無の判断や優先順位付けをすることは容易なことではないと推察しています。

出典:ITpro Active 「企業ITの実態2017 大企業の約半数がパブリッククラウド活用、基幹系でも採用進む」
(アクセス日:2017/08/08)

 

また、調査結果の中ではここから「クラウドの活用状況」について言及されており、IaaS/PaaS/SaaSに限らずクラウド導入への機運の高まりは皆様の認識と大きな差異はないかと思います。特に「既存プライベートクラウドの整備」であったり、「特定業務向けのSaaS導入(SaaSの市場シェアについても別記事で見解を整理予定)」は半数以上のシェアを占めており、日本市場においても一定の市民権は得られているように見えます。

出典:ITpro Active 「企業ITの実態2017 大企業の約半数がパブリッククラウド活用、基幹系でも採用進む」
(アクセス日:2017/08/08)

 

しかし、多くの企業様では「とは言っても、いかにして更なるクラウド活用の原資を確保するのか」についても当然ながら避けては通れぬテーマではないでしょうか。

古くから「IT投資=売上高の1%程度(金融業界を除く)」が暗黙の指標値と言われておりますが、既にこの枠内に収まるよう様々なコスト削減の取り組みをされており、「これ以上どこを削減するのか」といった声も多数聞こえてくるかと思います。

  • システム刷新:契約満了もしくは償却完了を契機としたリプレース案件でコンペ等によるコスト削減を実行
  • システムの統廃合:重複/不要なIT資産の統廃合プロジェクトによるコスト削減
  • 取引先ベンダー様との価格交渉:大量調達によるボリュームディスカウント
  • 保守契約の見直し:保守のサービスレベル変更によるコスト削減を実行
  • 人員削減:IT部門の派遣社員もしくは契約社員の整理 等

出典:日経コンピュータDigital 「IT予算は売上高の0.75%、4割強がIT予算を増やす。JUAS「企業IT動向調査2016」の速報値」
(アクセス日:2017/08/08)

 

このような「乾いた雑巾を絞るようなコストダウン」は効果が限定的であり、かつ、品質低下のリスクも伴うものの、裏を返すと抜本的な構造改革に着手する「伸び代」があるとも言えるのではないでしょうか。

上記背景を踏まえまして、今後の連載の中では(焼け石に水といった)単一施策ではなく、IT部門主体での戦略的IT投資に繋がる原資確保に至るアプローチや事例等も重点的にご紹介できればと考えております。

アクセンチュア・クラウド・ダイアリーズ 編集長 関

関 良太

テクノロジー コンサルティング本部 シニア・マネジャー 兼 AABG (Accenture AWS Business Group) Japan Go-to-Market Lead

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