皆さん、こんにちは!2021年6月に中途採用で入社しました沈晨晨(シェンチェンチェン)と申します。私は理系のバックグラウンドを持ち、これまでもずっと科学系の教育コンテンツを企画・開発する仕事をしてきました。そこでは、自ら情報を収集・分析することで仮設を立て、検証し、その結果に基づいた考察を、次の行動に結び付けることができる人材の育成を目的としてきました。前職で学生向けの教育コンテンツの企画・運営を担当していた経験を活かし、アクセンチュアがコーポレート・シチズンシップ(企業市民活動)の一環で展開している「次世代グローバル人材育成」のプロジェクトに参画しました。 

 

経営・マーケティングプログラムの魅力!

今回ご紹介するのは、私が運営を担当した「農業・水産高校向け経営・マーケティングプログラム」です。福島・宮城の農業高校生(福島県立相馬農業高校、福島県立修明高校、福島県立会津農林高校、宮城県小牛田農林高校)に商品企画・事業計画・計画発表・製造・販売・決算という一連のプロセスを1年間で体験してもらう、というものです。高校生が3~5名程度のグループに分かれて模擬会社を設立し、グループディスカッションを通して考え、実践していきます。 

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農業高校経営マーケ

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商品を販売する先は、主に東京にいるお客様です。生徒たちが東京の人々の生活についてあまり知らない状況からのスタートですので、誰をターゲットにするか、ニーズがどこにあるかについて情報を収集し、分析する必要があります。そのうえで、どのようなセールスポイントを設定すれば、どのような販売価格で何個売れるかについての仮説も立てなければいけません。実際に販売した後に、黒字になったかどうか、購入者の反応がどうだったかという結果について仮説との違いを分析し、次の改善案を作成するまで実践しています。 

福島・宮城の高校生があまり知らない東京の人々に向けて、商品を企画・販売することは大人にとっても簡単ではありません。私から見ると、下記3点の工夫が非常に大事です。 

1. 分かりやすい教材の作成 

アクセンチュアが作成している教材は、経営・マーケティングの難しい理論を紹介するというよりも、実用性が高く、かつ面白い練習問題を多く設けています。例えば、私が一番好きなパートは下記のアイデア出しの部分です。このような小さな練習を少しずつ進めていくことで、商品の新規企画から販売まで一個ずつのハードルを下げることができます。 

もちろん経営・マーケティングをしっかりとマスターしようとすれば、相当の時間がかかりますし、幅広い知識及び深い理解が必要です。アクセンチュアが大事にしているのは、分かりやすい事例・練習を通して、経営・マーケティングの重要なエッセンス・考え方を紹介することです。経営・マーケティングの知識がまったくない大人の入門としても、非常に良い教材だと思います! 

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農業高校経営マーケ

 

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2. アクセンチュアの社員、NPO団体、先生からの手厚いサポート 

ビジネス現場で実践しているアクセンチュアの社員が講師陣となります。教材の知識を紹介しつつ、生徒の仮説が適切な正しい情報に基づいて作られているかどうかという観点で適切にフィードバックを与えています。 

一方、この取り組みのパートナーである地元のNPO団体と学校の先生も生徒のパフォーマンスを見守りつつ、しっかりフォローをしています。 

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農業高校経営マーケ

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3. 計画発表会・決算発表会の実施 

実際の販売はもちろんですが、計画発表会・決算発表会の開催によって本番ビジネスさながらの醍醐味が出てきます。企業の経営者がゲストとして、生徒が考えた商品がビジネスとして成り立つかどうかという観点で、商品の味・見た目・パッケージ・ターゲット・価格・原材料など様々な角度で生徒の発表内容に対して鋭くコメントします。生徒がこの場で初めて自分の考えの甘いところに気づき、どのような商品を誰にどうやって販売するかということについて本格的に考えるようになります。

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農業高校経営マーケ

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年度はコロナの影響で対面での販売会の実施ができなかったため、アクセンチュア社員向けのオンライン販売会を開催しました。なんと二日間だけで、すべての商品が完売しました。下の画像は生徒自ら作成した商品広告の一例です!本当に魅力的だと思います。 

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農業高校経営マーケ

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楽しく成長できる職場!

プログラムに参加した生徒の成長を見られること、それがこのプロジェクトの最大のやりがいですが、私自身も、この半年でプロジェクトの推進能力を身に付けることができました。毎週の定例ミーティングで、プロジェクトの推進状況に応じた議題の設定からメモの作成まで、またNPO団体及び学校の先生からの課題のヒアリング・解決策の検討・資料の作成、社内の広報チーム・リーガルチームとの連携など、事業を進める中心的な存在として、様々な人々と柔軟に連携しながら、プロジェクトを推進しました。生徒と同じように、私自身も未知と直面し、自分なりの考えを実践できる場だと実感しました。 

また、同じチームで他プログラムの担当コンサルタントとのコミュニケーションも多く、彼らの資料の作成方法、クライアントとのコミュニケーション、仕事の進め方を見ることができて、コンサルタント経験の少ない私にとっては非常に勉強になりました。また、マネジング・ディレクターやシニア・マネジャーといった、普段直接やりとりをしない立場の人たちと打ち合わせする機会も多く、自らの意見を率直に伝えることで、自分の考えの甘い部分を客観的に指摘していただくという貴重な機会もありました。 

現在私は、農林水産物の輸出プロジェクトで働いていますが、海外現地の消費者のニーズ・好みに合わせて、輸出戦略を作成するところは、まさに「農業・水産高校向け経営・マーケティングプログラム」で高校生に教えている考え方と一致しています。そんなところでも、改めて、この教育プログラムの素晴らしさを実感しました。 

また、若い世代の人々に向けて農業・農業輸出に関連する人材を育てることは、国の大事なテーマの1つでもあります。このテーマでの実践を広げるためにも、今回の経験をもとに、「農業・水産高校向け経営・マーケティングプログラム」と、現在担当している輸出プロジェクトとのコラボレーションを企画していきたいと考えています。 

チェンチェン・シェン

コンサルタント

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