こんにちは。戦略コンサルティング本部の中村です。
今日はアクセンチュアが取り組んでいる障がい者就労支援についてご紹介します。
こちらは日本財団主催「就労支援フォーラムNIPPON2019」(2019年12月15日開催)内でさらに詳しくお話しする予定です。


■ 45.9%

この数字は平成30年6月時点での障がい者雇用における法定雇用率が達成されている企業の割合です。
年々採用数が拡大しており、一見すると障がい者の就労環境が改善傾向にあると感じられます。
しかし、今回はこの数字だけでは語り切れない市場の非効率について触れていきたいと思います。

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民間企業における雇用状況(厚生労働省[注1])
[注1] 厚生労働省:平成 30 年 障害者雇用状況の集計結果より

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■ 障がい者間での格差?~障がい者エリートとは~

年々増えている障がい者雇用ですが、それは障がい者全体を捉えた際の話です。
実は障がい別に分析をすると課題が見えてきます。
以下は年々の障がい別の雇用数の推移ですが、大部分を占めるのは身体障がい者であることがわかります。まだまだ精神障がいや知的障がいを持つ方々の就労環境は整っていないことが見て取れます。
そして、それは以下の表にある工賃にも顕著に表れています。身体障がいの方々は他の障がいの方々に比べて給与が1.7~1.9倍ほど高いのが現状です。

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• 障がい者賃金実態調査[注3]

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[注2] [注3]厚生労働省:平成 30 年 障害者雇用状況の集計結果より

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まだまだ雇用の中心は身体障がいの方で、その他の障がい者雇用では、雇用数・就労賃金も相対的に低く、まだ緒に就いたばかりの状況です。

■ アクセンチュアとしての課題に対する思想

このような実態を解消するために、アクセンチュアとして障がい者雇用の環境改善を持続的に行うにはどのようにしたらよいか?その解の一つが精神障がい・発達障がい専門のサテライトオフィスの設立です。働き手の観点から働きやすい環境を整備するとともに、「個の成長」・「社会・仲間への貢献」を感じられる場を作り、働く意義・喜びを実感できる環境を作ってきました。

■ 成長と貢献が感じられる組織とは?

社員が自身の成長を実感し、どのくらい貢献できているのかを定量可視化することに重きを置き、さらに障がい特性を鑑みた環境整備を実施することで、就労意欲の向上を目指します。
「個の成長を定量化」というのをより具体化すると、社員の日々の業務実績からスピード・精度の観点で定期フィードバックを実施し、改善提案をすることで目標を見定められ、自身の長所と短所を知ることが可能になります。障がい特性を鑑みた上で施策を実施することでさらに業務の質の向上を狙える仕組みとなります。

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一方、貢献とは、業務を各部門から切り出す際に切り出し元の作業担当者の単価から、仕事の価値を定量化。月次にてオフィス全体の貢献を金額として可視化しています。
また、貢献額の向上を目的とした依頼元満足度調査を定期的に実施し、品質や作業リードタイムに関する課題を収集。さらなる高度化を実現することによって貢献額向上の仕組みを整備しています。
貢献の可視化により社員は「自身の業務の影響」を定量的に感じることができ、業務に意味を見いだしやすい環境構築につながっています。

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また、障がい者に対するサポート体制の一環として日々の社員のメンタル状況を把握し、バックアップを行うJobコーチが常駐しています。業務課題はSVが抽出し、日々の生活課題はJobコーチが抽出する両面体制を実現し課題に対する施策を実施。これにより一人一人が自立して働ける職場を目指しています。

 

■ 社員の声

実際にサテライトオフィスで働く社員へのインタビューを実施しました。
その一部をご紹介します。

「引きこもりがちだった自分が安心できる居場所」

Bさん 20代女性
これまで就労経験なし。主治医からの紹介で就労移行支援を1年間利用。その後、2019年9月からサテライトオフィス勤務。主に入力業務を担当。
デイケアに通うまでは、家に引きこもりがちでした。主治医から勧められたのがきっかけで、就労を目指しました。コミュニケーションには苦手意識がありました。人とご飯を食べるということをやってこなかったのですが、同僚と昼食をとることが増えました。休憩中はにぎやかです。参加してもいいし、しなくてもよい。自由度の高いコミュニティに居心地の良さを感じています。
人とすれ違ったときにあいさつをすることなど、何気ないコミュニケーションの意図や大事さが今なら理解できます。

「強みも弱みも、ここだったら正当に評価してくれる」

Cさん 30代男性
小売業界で15年間勤務後、就労移行支援を経て、2019年10月からサテライトオフィスで勤務。文章の校正やマニュアル作成を担当。
前職では店長までやりました。失敗もあったけど強みも発揮できた部分もありました。自分でいうのもなんですが、教えるのが上手で、店員からは慕われていたと思います。でも上司は失敗ばかりフォーカスして、できていることには着目してくれなかった。悔しかったです。アクセンチュアの会社説明会に参加して「ここなら自分の強みも弱みも正当に評価してくれる」と感じました。面接では苦手なことも「こんなに言っちゃっていいのかな」というぐらい言ったけど採用してもらえて。本当の自分を認めてもらえた気がしました。

■ 終わりに

まだまだこの取り組みはアクセンチュア社内に閉じている状態となっています。
今後はアクセンチュアのコンサルティング力と多企業とのリレーションを活かし本取り組みを定型化・提供することで、社会全体の障がい者雇用環境の向上につなげたいと思っています。
また今回の取り組みにおけるより詳細な内容については日本財団主催「就労支援フォーラムNIPPON2019」のイベント内でお話しできればと思います。

リンク

就労支援フォーラムNIPPON2019についてはこちら
本記事内のアクセンチュア サテライトオフィスへの求人応募はこちら
アクセンチュア障がい者採用担当者とジョブコーチへのインタビュー記事はこちら
本記事内のアクセンチュアサテライトオフィスで働く社員のインタビュー記事はこちら

 

 

中村 健太郎

ビジネス コンサルティング本部
ストラテジーグループ
インダストリーコンサルティング日本統括
マネジング・ディレクター

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