皆さま、こんにちは。テクノロジーコンサルティング本部セキュリティグループの日高です。普段は最新のセキュリティ技術を活用しながら様々な攻撃から企業を守るためのコンサルティング業務を行っています。また、アクセンチュアの社会貢献活動の一環として、NPOにコンサルティングサービスを無償提供する、プロボノプロジェクトに参画しています。

その中で私は、全国の学校や高校生に対して探究学習の普及活動、実施支援などを行っているNPO法人カタリバさんの新規事業立ち上げのサポートをさせていただいております。今回は昨年1年間支援させていただいた内容と、2020年3月に開催された「マイプロジェクトアワード2019」の様子をお伝えさせていただきます。

カタリバとは

カタリバは、被災地の子供たちや貧しい家庭環境の中で生活している10代の子供たちを中心に、学校以外での学びの場や居場所づくりを行っているNPO法人です。その取り組みの中のひとつに高校生が自分たちの地域や身の回りで気になっているテーマ、問いについて、伴走者とともにプロジェクト活動を行い、小さくても実際に起こす「アクション」と、プロジェクトや問いに対する「主体性」を学んでいく『マイプロジェクト』があります。
・カタリバ公式サイト こちら / 学校にいけないけど集まろうカタリバオンライン こちら
・マイプロジェクト公式サイト こちら

<<< Start >>>

高校生ひとりひとりが行ってきた『マイプロジェクト』の成果をマイプロジェクトアワードで発表します

<<< End >>>


マイプロジェクトアワードとは

全国各地域の選考会を勝ち抜いた48のプロジェクトが最終的な成果と学びを全国大会である「マイプロジェクトアワード - 全国Summit」でプレゼンテーションをします。最優秀賞は文部科学大臣賞が授与されます。

<<< Start >>>

日本最大級の『学びの祭典』マイプロジェクトアワード

<<< End >>>


これまでの活動内容

昨年1年間をかけてカタリバさんの新規事業の立ち上げを支援してきました。それまでは個人もしくはグループで応募(個人・グループ部門)してもらっていた大会でしたが、全国の高校の先生を巻き込み探究の学習を授業や課外活動として行ってもらうパートナー事業モデル(学校部門)を立ち上げることで、個人単位で取り組んでもらっていた探究学習を学校単位で取り組んでもらうことにより、限られたリソースでも結果を出せるような仕組み作りを行いました。
しかし、今までの画一的な授業と相反し、ひとりひとりの学びをそれぞれのテーマで地域の人や自治体などの大人を巻き込みながら探究を深めていく授業形態は、評価の問題、授業の進め方の問題であまり積極的でない先生方もおり、すんなりと授業に探究学習を導入できる学校はほとんどありませんでした。そのような学校の先生方に対してどのように不安を払拭すれば良いか、探究の学習をどう進めてもらえばいいのか、限られたリソースで成果を出す必要があったので、カタリバさんと毎週打ち合わせを行い、事業戦略、営業戦略、SNSの広告のメッセージ、成果を可視化するためのアンケート項目など、新規事業に関わる施策ひとつひとつに対して議論を重ね、練り上げた案を実施してきました。その結果、昨年2,717名だった参加者を1年で3倍以上の8,765名まで拡大することができました!そして増えた参加者のほとんどが学校部門としての申し込みでした。次回の2020年大会でマイプロジェクトを1万人に届けるを目標に活動してきましたが、1年で達成目前まで持ってくることができました。

MY PROJECT AWARD 2019

今大会では、アクセンチュアから3名の社員が大会のサポーター(審査員)として北陸Summit、北海道Summit、関西Summit、そして全国Summitに参加させていただきました!

今回の大会は新型コロナウイルスの影響で例年通りとはいかず、予選最後の大会である関西Summit、その後行われた全国SummitはOnlineでの実施となってしまいました。カタリバの事務局の方も中止にした方がいいのか最後まで悩んだ末、高校生たちにこれまで取り組んできたプロジェクトの成果をなんとしても発表させてあげたいという気持ちで初の試みとなるOnline大会での開催が決定しました。

アクセンチュアで働いている私たちはOnlineには慣れていますが、マイプロジェクトアワードのOnline開催は初めてで、高校生ももちろんこのようなOnlineでのイベント参加やプレゼンテーションを行うことは初めてです。参加する高校生たちはプレゼン内容をOnline向けに再編集したり、自宅や学校からの接続環境を整えたり、事務局側も機材確保や接続環境の整備、新型コロナウイルスの感染予防対策など直前まで奔走していました。成果の発表も大会当日ではなく事前に録画することになり、事務局の方だけでなく過去マイプロジェクトに参加した全国のOB・OGの方も協力し参加プロジェクトすべての録画を行いました。当日、音声が途切れたり小さなトラブルはあったものの、無事に大会を開催することができました。Onlineでの開催を成功させるには、双方向でのコミュニケーションが必要不可欠です。発表する側の高校生たちも慣れないながらも画面に向かって精一杯想いを伝え、聞いてる側も画面越しに身振り手振りで気持ちを伝えることで相乗効果が生まれ、参加者全員で学びについて深めていくことができました。

「New Nornal」と呼ばれるこのようなスキルはポストコロナ社会では必要不可欠になっていきます。それをこの段階で経験できたことや、開催自体が危ぶまれていた中で物理的制約なく開催できたことなど、よいこともありました。大会の様子はカタリバ公式サイトでも紹介されております。ぜひご覧ください! こちら

<<< Start >>>

全国から集まった高校生たちの笑顔がOnlineでつながりました!

<<< End >>>

Onlineでの開催は、PC越しにプレゼンを行うことにより直接伝えることができない難しさがあったものの、参加した全ての人が「学び」を深めていくという共通の目的に対して、話す側、聞く側双方で足りない部分を補いながら進行していった大会でした。厳しい状況下においても全力で発表を行った高校生たちは、諦めずに動き続ければ、成功に導けるという成功体験を得ることができたと思います。また我々審査員、事務局の方もその想いに応えようと、新型コロナウイルスという大きな課題を目の前にして、全力で課題解決に取り組み、大会を成功に導いたことを通じて、どんな状況下でも信念を貫くことで成し遂げることができるお手本を高校生たちに示せたのではないかと思います。1つの画面の中に何十人もの高校生の真剣に他の人の発表を聞き入る姿、それに対して笑ったり涙したりする姿がはっきりと映し出される状況や、発表後に生徒みんなからの温かい応援の声、一緒にやろうといった呼び掛けが本人にダイレクトに届くのは、Onlineならではの醍醐味だと感じました。

<<< Start >>>

各分野の第一線で活躍するサポーターからの質問に答える高校生たち

<<< End >>>

高校生ひとりひとり違った個性があり、違った悩みを抱えている中で、はじめは個人的な悩みだったものが、それを乗り越え、さらには同じ悩みをもっている人を救いたいという強い信念に変わり、世の中に発信していくことで、はじめは住んでいる地域での活動が、地域を超えて全国区の活動として大きなうねりを生み出しているプロジェクトが多くありました。高校生たちの純粋な気持ちに周りの大人が反応し、冷たい反応が返ってくると挫けそうになりながらも、それでも周りの人を助けたいとプロジェクトを推し進めていく姿は、プレゼンを聞いた多くの人が感動していました。私個人としてもこれからの日本を背負って立つ世代の頼もしい姿として感動すると共に、とても感化され多くの学びを得ることができました。

一方で、サポーター(審査員)はその発表を聞き、次のステップに進むプロジェクトを選考しなければなりません。全国Summitの1日目に全国から選出された48プロジェクトの発表を聞き、その中から最終選考に進む8プロジェクトを選出し、2日目にはその中から文部科学大臣賞含む各賞の受賞プロジェクトを決定します。発表されるプロジェクトはどれも素晴らしく、どのプロジェクトも困っている誰かを助けたいという純粋な想いのもと始まった活動なので、選ばれなかったことでその芽を摘んでしまうことにならないか、サポーターとしても「学び」とはという問いに真剣に向き合い高校生たちに示す必要がありました。そのため、高校生たちが活動してきた大切な想いをきちんと汲み取れているのか、サポーター側の質問によって引き出し切れていないところがないかと、参加したサポーター全員で議論をぶつけ合いプロジェクトの選出を行いました。その結果選ばれたプロジェクトは、大会に参加してもらった高校生、これから探究を始める高校生に向けて、「学び」を深めていくことでこんなことまでできる、自分の気持ちを伝え続けることで人が、社会が動くという道しるべになるようなプロジェクトを選ぶことができたと思っています。

<<< Start >>>

文部科学大臣賞の受賞もOnline越しに

文部科学大臣賞
学校部門:命のバトンPROJECT(宮城県農業高等学校)写真左
個人・グループ部門:気仙沼クエスト ~「内輪受け」が起こす観光革命~(宮城県)写真右

<<< End >>>

新型コロナウイルスの影響で、「当たり前」と思っていた生活がある日突然変わってしまう現実を目の当たりにしている中で、世界がひとつの大きな課題に対して一致団結し乗り越えようとしています。マイプロジェクトを広めていくことで全国各地の高校生たちが、探究の学習を通じて「個」のプロジェクトを立ち上げ活動する中で、自主的に行動することを学び、マイプロジェクトアワードに参加することで、「個」だったプロジェクトが学校やチームの垣根を越えてつながり「集」となり、小さな一歩でも活動を続ければ大きな波になり世の中を変えることができることを実感することで自信をもって次の一歩を踏み出せる人材に育っていくカタリバの活動は、これまでに経験したことのないこの厳しい状況の中で、今後ますます重要な活動になっていくと思います。

そのような活動に今回大会のサポーターとして微力ながらお手伝いができてことを、私もとても幸せに感じています。

この記事を読んでいただいて、少しでもカタリバの活動や「マイプロジェクト」に興味をもっていただけたら幸いです。

カタリバ公式サイト:https://www.katariba.or.jp/
学校にいけないけど集まろうカタリバオンライン:https://katariba.online/
マイプロジェクト公式サイト:https://myprojects.jp/
マイプロジェクト基金:https://myprojects.jp/cheer/
※写真掲載元:カタリバ公式サイト、Facebook 「マイプロジェクト」より許可をいただき転載しています

日高 幹人

テクノロジーコンサルティング本部 セキュリティグループコンサルタント

Subscribe to Accenture's Life Blog Blog Subscribe to Accenture's Life Blog Blog