アクセンチュアで、環境に関する取り組みを担当している早川です。 主に、アクセンチュア・ジャパンでの環境取り組み実施、社内外への取り組み紹介、環境テーマのイベント運営を行っています。 2021年5月に、元いたプロジェクト管理会計部から、総務部 環境チームに異動してきました。  

今日は、環境担当になって最初に直面したチャレンジをご紹介します。  

高校生のころから、科学的な話を人に伝えることを仕事にしてみたかった私にとって、今の仕事に就いた時、まさに夢が叶ったと思いました。  

しかし、夢が叶ったのは良いものの、早速コミュニケーションの壁にぶつかります。  

CO2削減のプロジェクトを推進するにあたり、社員向けの研修を実施したところ、沢山のコメント、ほとんど鋭いツッコミといってもいいものが届いたのです。そんな膨大なコメントを前に、ひとりでは途方に暮れてしまったため、ひとつひとつのコメントに対して一緒にプロジェクトを推進する他部署の仲間と相談し、その様子を社内に展開することにしました。現在も、そんな私にとってはありがたい“ツッコミ”に答えつつ、プロジェクトの改善を実施しているところです。  

アクセンチュアのサステナビリティ目標

まずは、アクセンチュアが掲げるサステナビリティの目標をご紹介します。アクセンチュアは10年にわたり環境目標を掲げてきました。2025年に向けては、下記3つを掲げています。いろいろなところで、企業の環境やサステナビリティに関する目標や活動について目にすることも多いかと思います。アクセンチュアの目標の特徴を、★マークで記載しました 

  • 2025年までにネット・ゼロ・エミッションを達成 
    アクセンチュアの直接排出・電力使用に伴うCO2排出(Scope 1・2)に加えて、購入したサービスや出張を含む間接的なCO2排出(Scope 3)も対象 
  • 廃棄物ゼロを目指して 
    CO2だけでなく、廃棄物削減にも取り組む。社員が使うPCやサーバー、オフィスで利用する家具を100%リユース・リサイクルするなど。 
  • 水害リスク計画の施行 
    自社の環境影響を抑える上述の取り組み以外にも、気候変動の影響で水災害が増えた場合の対応も計画している。

今回は、目標の一つである「ネット・ゼロ・エミッションの達成」に関連したお話です。  植林などを通じてCO2を大気から回収することも一つですが、まずは自社が排出するCO2を減らす取り組みを進めています。

コンサルティング会社である弊社のような、モノを作らない会社の二酸化炭素排出量の多くは出張に伴う「移動」が占めます。そこで、Accenture Globalでは、世界の航空業界で利用されるSAF(Sustainable Aviation Fuels:持続可能な航空燃料)の割合を2030年までに10%増加させるコミットメントを表明しました。(World Economic Forum サイト(英語)) 

また、アクセンチュア・ジャパンでも、マルチ・モダリティ・プロジェクトと題し、社員がお客様先に出張する際にできるだけ気候変動に配慮した方法で移動できるようサポートしています。現在は特に、環境に配慮した出張方法を推進することと、社員への啓もうに注力しています。 

具体的には、「社員のマインドシフトで、サステナビリティを出張時の判断材料に加えること」に重点を置いています。

マインドシフトの難しさ 

「マインドシフト~思考を転換する」と一口に言っても、人の考えを変えることは容易ではありません。多様なバックグラウンドの社員がさまざまなプロジェクトに取り組んでいるため、社員一人一人の思考も、本当に多彩です。そんな社員それぞれに届く伝え方で、各プロジェクトの事情も理解しながら進める必要があります。 そのため、今回は、社員研修や大型ミーティングでの紹介など、できるだけきめ細やかに情報を発信し、新しいプロジェクトについて質問や意見があれば、いつでも受け取れる体制を整えました。 

それでも、ふたを開けてみれば、厳しい意見や質問が複数届きました。そういった反応をもらえることは、このテーマについて意識してくれているということでもあるので、よいことではあります。とはいえ、実際のコメントの内容はなかなか厳しいものもありました。例えば「自分はちゃんとやっているのに、そうではない人も見られる。なぜか」や、「現状のルールよりもっと厳しくてもよい」といったものです。 

そこで、アクセンチュアの出張を支えるモビリティチームの社員と一緒に、様々な意見に向き合いながら話し合い、そこで出た意見や情報を社内報の記事にまとめ、紹介することにしました。ここでは、その話し合いの一部をご紹介します。是非、アクセンチュアの出張を支えるモビリティチーム社員の思いに触れてみてください。

サステナビリティを出張時の判断基準に加える

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マルチモダリティ

日本とGrowth Marketのモビリティ・リードRajさん。自宅でコンポスト&じゃがいも栽培中。

社員から届いたコメントに対し熱く語り合った(自宅での野菜栽培についても)

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Raj 私たちは本プロジェクトを様々な方法で促進し、社員一人一人が変化し、サステナビリティを意識するようになってほしいと思っています。そのための気候変動に配慮した判断をする手助けをしたいのです。  

私たちの活動に対し、既に社員から多くの質問やコメントが届いており、これは多くの人がサステナビリティについて考え始めてくれたということだと嬉しく思っています。  

今まではコスト面や利便性を第一の判断材料に、出張時の移動手段が決められていました。マルチ・モダリティ・プロジェクトの活動内容、例えば最新基材を使っている、風の向きが良いなど、環境に影響を与えるものの具体的な内容(データ)を知ることで、サステナビリティを判断材料に加え、クライアントとアクセンチュアのサステナビリティについて考え始めてもらいたいのです。

ポジティブに伝えたい!

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マルチモダリティ

日本のトラベル・リードJunkoさん。出張の際に必要な飛行機、新幹線、

ホテルなどを比較して説明するのが得意!途方に暮れて悩んだ時にも

頼れるお方!お話してスッキリ

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Junko マルチ・モダリティ・プロジェクトにとって、何が真のゴールなのか、考えてみましょう。  

もともと出張時ポリシー・就業規則は、業務を遂行してもらうためのもので、それによって業務上支障が出てしまったら意味がありません。「ルールが面倒。だからなんでもいいから、会社に勧められて仕方なく環境に配慮した方法を選ぶ」という方がいる場合、これは本質的に目標を達成したといえるでしょうか?そんな表面的な行動を取るのではなく、マインドを変えてもらう、それがこのプロジェクトの本質だと考えています。 

とはいえ、実際にルールを見ながら、出張を計画する側の立場になって考えてみましょう。例えば、ペナルティが伴うような厳しいルールがあれば従うかもしれないけど、それは継続するでしょうか?私はそうは思いません。

環境に配慮した出張を実践する意味をポジティブに伝えることで、よりエコな出張方法を選ぼう、と考えるようになるのではと思います。たとえば、アクセンチュアの社内ツールで、航空会社ごとのCO2排出量を簡単に確認できるものがあります。これをフライト予約の際に使えば、より排出量の少ないルートでの移動を選ぶこともできます。一つ一つは小さなことかも知れませんが、自分で選び、それが目標達成につながっていく、これを意識できるサポートをしていきたいと思っています。

最後に

出張の仕方、その一つだけでも、マインドシフトを起こせるよう、ポジティブに情報を伝えていくのは大きなチャンレンジですが日々色々な手法を模索していますいろいろな活動や取り組みを通して、まず、環境にとって何ができて、それがどんなふうにあるべき形に貢献していけるのか、意識してもらうことから始めようとしています。

早川 詩音

総務部 シニア・アナリスト

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