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アイディアとスキルを活かし、災害時の不安を減らす

2022/09/22

アクセンチュアのインダストリーX本部所属の川越です。アイディエーションからPoC(実証実験)を経てサービスローンチ・サービス拡大/改善の経験を多く持ち、試作開発・サービス開発をクィックに実施できるフルスタックエンジニア集団であるForgeチームの一員として、クライアントの新規サービス開発支援に携わっています。また、その傍ら、アクセンチュアの社会貢献活動であるコーポレート・シチズンシップ(以下CC)のプロジェクトの一つ、災害時支援物資マッチングプラットフォームHeart Stockプロジェクトに参画しています。

「当たり前」がなくなることで起きる不安に寄り添いたい

災害発生時、困っている人に必要なものを届けるためのプラットフォームを作るという、このプロジェクトに参加しようと思った基盤には、東日本大震災で被災した自分の経験があります

震災当時高校1年生だった私は、地震発生の時、ちょうど帰宅しようとしていたときでした。期末試験が終わり、ほっとしたところに感じた下から突き上げるような衝撃。学校を出てみると、信号機はすべて消えていて、立ち往生した車で道路は混乱に陥っていました。「とにかくただ事じゃない」と感じる中、母が迎えに来てくれ、なんとか帰宅。電気やガス、水道といったあらゆるライフラインが止まってしまい、その晩はろうそくの灯の下、家族で食卓を囲んだのでした。

ライフラインが絶たれたことで、それから3日ほどは、水一つをとっても近くの学校に来た配給車に並んだり、手回し発電で明かりを確保したり。今思えばたった3日でしたが、先行きが見えないという不安は大きく、とても長い時間に感じたことを覚えています。

普段当たり前にあったものが、突然なくなる、それが人をどれほど不安にさせるのか、強く感じた瞬間でした。

アクセンチュアのCC活動の中に、医療物資マッチングプラットフォームを災害時にも対応できるようにするプロジェクトがあるということを知った時、11年前の自分の経験から知った「当たり前がなくなった状況で人が感じる不安」、そこに寄り添いたいという気持ちから、このプロジェクトに参加することにしました。

必要なものを必要な人に届けたい

医療機関・福祉機関を対象に、必要なところへ必要な物資をタイムリーに供給するマッチングプラットフォームHeart Stockは、もともとコロナ禍での医療物資不足に対応するために作られたものです。その仕組みを、今度は災害発生時にも活用できるようにする、というのが今回のプロジェクトです。

災害が発生した時、必要となるものはさまざまです。それでも、全員に必要となる水や毛布、食べ物といった基本的なものは、自治体によってそれほど不足なく準備されています。一方、そこに高齢者や乳幼児などの要配慮者が必要とするような、おむつや介護食、離乳食、ミルクなどは、すべての人に必要になるものではないため、優先度が低くなり、十分に備えるというのはなかなか難しいところです。また、どのぐらいの人が、どんなものを必要とするのか、すべてを想定して完璧に準備するのは不可能でしょう。

そこには、必要なものを必要な人にタイムリーに届ける、そんな仕組みが必要であり、それに対応するのがこのプロジェクトなのです。そのポイントは、被災者全員には必要ないが、人によってないと困るものを、あらかじめ”備蓄パック”として準備すること。また、その「どこに何があるか」「誰がそれを必要としているか」といった情報を、マッチングプラットフォームで介護ステーション等の福祉施設を中心に効率的にやり取りする。さらに、今回は、その備蓄パックの配送にも工夫を凝らすことになりました。

Japan Life Blog Heart Stock Support Content Infographic
Japan Life Blog Heart Stock Support Content Infographic

いろいろな人たちの連携で、被災者に必要なものを届ける仕組み。

自分のアイディアとスキルが活きたアプリ開発

プロジェクトの中で、私が主に担当したのは、管理業務や業務フローの設計、業務用ITツールの開発です。プロジェクト全体に深く関わっていく役割のため、災害時の物資支援の状況について、当然ではありますが、しっかりと理解していなければならず、なかなか大変でした。それでも、その理解からつながったのが、福祉施設検索マップアプリの開発です。

その開発の出発点は、災害がいつどこで発生するかわからないのに、どうやって支援を必要とする福祉施設を洗い出すか、という課題でした。一般的なマップアプリを使えれば、開発業務そのものはシンプルになりますが、検索アルゴリズムが複雑であったり、検索条件が細かく設定できなかったり等、対象となる福祉施設を幅広く網羅できるかはっきりしませんでした。そんな中、いろいろ調べていき、日本全国を網羅している厚労省のデータとの連携というアイディアにたどり着きました。

このアイディアをチームに見せたところ、「いいアイディアだ」と即採用。そこから自分で開発も手掛け、メインユーザーとなるジャパンハートの皆さんに確認してもらいながら、約1か月かけアプリを完成させました。期間が限られた中での開発でしたが、いろいろ寄せられるフィードバックに柔軟に対応しながら開発できたことは、自分にとって素晴らしい経験になりました

People in a room surrounding a table
People in a room surrounding a table

自分のアイディアをチームで形に。

いろんな方の想いと協力を得て、実証実験

8月最初の週末、このプラットフォームの実証実験を、富山で実施しました。提供する”備蓄パック”のパッキングとその保管を担当する富山福祉短期大学、ロジスティクス(運搬・配送)を担当する北陸ポートサービス、そしてプラットフォームを運営するジャパンハート、その3者が協力し、プラットフォームアプリに入力された情報をもとに、実際に物資を必要としている介護施設に届けてみるという試みです。

自分が開発に携わったアプリが、実際に使われ、それが誰かの助けになる。自分の想いが目の前で形になったようで、とても得難い体験でした。

ここで得た生のフィードバックをさらにプラットフォームアプリの業務設計に反映し、万一の災害発生時に円滑に支援が行えるようにしています。

Two people with masks carrying boxes
Two people with masks carrying boxes

実証実験にて。プラットフォームでやり取りされた情報をもとに、人から人へ。

A top view of different Japanese health stocks
A top view of different Japanese health stocks

実証実験にて。支援パックの内容。多くの支援により充実した内容になりました。

プロジェクトに携わった約8か月間、ジャパンハートの皆様の献身的な取り組みと熱意に触れ、地に足の着いた形で社会に貢献するとはどういうことか、よく考えるようになりました。災害時支援物資マッチングプラットフォームHeart Stock構築プロジェクトとしては今年8月末で完了となり、自分のCC活動も一つの区切りを迎えます。ここで経験したこと、考えたこと、思ったことを活かし、今後もアクセンチュアのCC活動に関わっていければと思っています。

私たちが構築したこのプラットフォームが必要となる日、それは災害が発生するということであり、そんな日が来ないこと、それが一番です。でも、もしそうなってしまったとしても、このプラットフォームを通じ、一人でも多くの方に、タイムリーに必要な物資が届くことを願っています。

Pointing a bubble
Pointing a bubble

企業の方々へ

おむつや介護食、離乳食、そしてミルクなどの要配慮者向け物資を被災地へお届けする取り組みは、企業の皆様から提供いただいた寄付物資で成り立っています。もし本取り組みにご賛同いただけましたら、ご連絡いただけますと幸いです。

医療/介護福祉施設の方々へ

災害時の物資支援はいかに早く皆様へ物資をお届けできるかが重要となります。事前にジャパンハートのソーシャルネットワークに参加いただくことで、万一災害が発生してしまった場合でもスムーズに物資提供のご案内が可能となりますので、ぜひ、ジャパンハートソーシャルネットワークから参加ご登録ください。

連絡先: 特定非営利活動法人ジャパンハート東京事務局 地域医療・国際緊急救援事業部担当

TEL:03-6240-1564(受付時間: 平日10:00~17:00)

 

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