社員の国籍や文化の多様性、すなわち「クロスカルチャー」はアクセンチュアのインクルージョン&ダイバーシティ(I&D)活動を構成する4つの柱のうちの1つです。 2019年7月19日、アクセンチュア ジャパンとして、初めてのクロスカルチャーデイ・イベントがアクセンチュア・イノベーション・ハブ東京(AIT)を会場として開催されました。

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アクセンチュア・イノベーション・ハブ東京

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アクセンチュアジャパン初! クロスカルチャーイベントを開催

クロスカルチャーイニシアチブメンバーの岩品です。私は普段、官公庁のクライアントにサービスを提供する傍ら、社内の異文化交流・理解促進活動に携わっています。

アクセンチュアジャパンでは、すでに30カ国以上の方々が所属して日々業務に取り組んでいます。多国籍メンバーで構成されたプロジェクトチームでは、1人ひとりのバックグラウンドにあるカルチャーや価値観、考え方の違いによって、素晴らしいイノベーションの種となることもあれば、逆に誤解が生じたりしてしまうリスクもあります。

アクセンチュアでは国や文化による違いの相互理解を学ぶトレーニングなどを希望者に用意しているほか、日々の仕事の中でも意識的に実践しています。そうしたことにより、プロジェクトメンバーの文化的多様性が新しい付加価値をお客様へもたらしたり、自分たちの成長に役立ったりしています。

トレーニングのような肩肘張った時間だけでなく、コミッティ活動としてこれまでも新年会やお花見などを開催してきましたが、今回は社外からの講師も招いて「国籍や文化を超えたコラボレーションの実現」をテーマにするイベントを開催しましたのでご紹介します。

司会は私と同じく社内のクロスカルチャーの活動を行っている、鎮目さんです!

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写真左:MCを担当した鎮目さん / 写真右:参加者も真剣!

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海外出身の社員との協働はもはや日常。 大切なことは「共にゴールを目指す」こと

開会の挨拶には、アクセンチュア 代表取締役社長の江川さんが立ち、すでに社員の約10%が外国籍社員であることを紹介しました。アクセンチュアジャパンのビジネスは堅調で、お客様のグローバル化に合わせて海外とのやりとりも増えています。これからはますます国籍や文化的背景を越えた社員同士のコラボレーションを活性化させ、品質の高いアウトプットを出していってほしいとの期待を表明しました。

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江川さんからのスピーチ

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続いて、アクセンチュアジャパンのインクルージョン&ダイバーシティ(I&D)で、クロスカルチャーダイバーシティ日本統括を担当している河田博孝さんが登壇しました。

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アクセンチュア クロスカルチャーダイバーシティ日本統括の河田さん

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アクセンチュアの仕事は現在、多国籍なメンバーが入り混じっていることが「当たり前の状態」であると河田さんは強調します。クロスカルチャーイニシアチブでは、日本マーケット向けにローカル開発している「トレーニング」、気軽にエキスパートに相談できる「コミュニティ」、啓発を図るための今回のような「イベント」の3つの取り組みを進めていることを紹介しました。

「ぶつかり合いや苦労したという声をしばしば耳にします。大切なことは共通のゴールを目指し、成果を出すこと。クロスカルチャーイニシアチブでは、この目標を達成するためにノウハウの整理や共有ができるようにし、効果的・効率的なコラボレーションを促進・支援します」(河田)


高度人材やホワイトカラー職など、 世界で通用する外国籍人材の獲得が重要

Keynote Speech 1では、「世界の難民やグローバル人材の日本での就職支援」を手がけるフォースバレー・コンシェルジュ株式会社 代表取締役社長 柴崎洋平様が登壇しました。

柴崎様は新卒で入社したソニーでBtoBの部材商品を扱い、世界中を飛び回るなかで「海外の一流企業の方々と会い、ヘッドハントしたいと考えるようになりました。しかし人材業界をベンチマークしてもクロスボーダーのプレーヤーは皆無でした」と、自らそのビジネスを開拓する決意を固めるまでの経緯や、自身が2018年にダボス会議での講演経験などを振り返りつつ、日本全体ではダイバーシティがまったく進んでいないという現状に強く警鐘を鳴らしていることを話しました。

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柴崎様からのスピーチ

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「流暢な日本語を話せる外国人材が増えることがダイバーシティなのではありません。高度人材を世界中から獲得することが重要です。日本企業の変革を推進しているアクセンチュアには多様な国籍の社員がいて、ローカル人材から駐在人材まで多種多様。ぜひ人材のダイバーシティも変革の1つとしてクライアント企業を変えていただきたいと思います」と強くメッセージを送りました。


人材多様性を実現した職場の落とし穴。 より良い人間関係を構築するための意識とは?

続いてKeynote Speech 2で登壇した麗澤大学外国語学部教授・麗澤大学大学院言語教育研究科教授、別科長 ビジネスプロセスコミュニケーション研究所所長 近藤 彩様は、「ダイバーシティの職場で働くとは:言語や文化差を越えて」と題して講演しました。

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近藤様からのスピーチ

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NHK Worldの番組「Easy Japanese for Workしごとのにほんご」で講師出演・監修も担当している近藤様は外国人社員と日本人社員にありがちな「意識・認識・理解の差」について紹介しました。「自分の当たり前が通じないことは多々あります。問題に気づくことはその第一歩。媒介語が日本語の場合であっても、ローコンテキスト文化のように、言語に依存して仕事を進めることが必要です。察しや空気感はほとんど伝わらないと考えてください。」(近藤様)

職場のダイバーシティを達成するには、様々な角度で問題を分析し、コンフリクトを知り、ファシリテーションするスキルを高めることが大切。国籍に関わらず、メンバーが適切に協働 するための「相互理解力」の重要性を近藤様は強調しました。


パネルディスカッション 「Japan Officeの更なる成長に向けて」

アクセンチュア ジャパンのさらなる成長にはクロスカルチャーが不可欠です。I&Dの取り組みの効果もあり、多くの社員が強くそう認識しています。このパネルディスカッションでは私が司会を務めさせていただき、さらに1歩踏み込んで様々な疑問点を深掘りしていきました。

Keynoteに登壇いただいた柴崎様と近藤様に加え、アクセンチュアからテクノロジーコンサルティング本部 アソシエイト・ディレクター ラウル パワルさん、戦略コンサルティング本部 シニア・マネジャー 樫宿恵生さん、コーポレート部門 マネジャー 辻 大和 クリスチャンさんが登壇しました。

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社員3人を加えてパネルディスカッション

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そもそもなぜクロスカルチャーが企業に必要なのかというテーマでは、お客様の事業がグローバル化していることに加え、「優秀な人材を確保するには、日本人1億人よりも全世界70億人を母集団とする方が、いろいろな経験・強みを持った人に出会えます」と柴崎様は説明しました。近藤様からも「多様な発想力や柔軟性が高まることで、よりよい成果をあげることができると学術的に立証されています」と補足なさいました。

また、日本の職場で外国籍社員と日本人社員がどう協働したらコラボレーションが高まるかというテーマでは、パワルさんは「他人は自分とは違うという原点を理解し、その理解を国や文化にも広げて理解することです。一方で、人間には必ず共通点があります。差異だけでなく、共通項も探してください」と来場者に語りかけました。

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パネルディスカッションの様子

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樫宿さんは「仕事においてはゴールや目的についての共通認識を持ち、ランチやコミュニティ活動で結束を高めることでチームのパフォーマンスが上がります」と経験に基づく方法論を紹介し、辻さんもまた「社員をサポートするバーチャルコンシェルジュのRandy-san(AIチャットボット)など、社内情報を入手できるツールもあります。私が所属するPeople Mobilityチームは、海外オフィス所属社員の日本国内での活動をサポートしていますので、ぜひコンタクトしてください」と社員に実践的なアドバイスを提供しました。

その後は同じ会場で懇親会が開催され、参加者が登壇者の方々に直接質問を投げかけていました。アクセンチュアではこれからも異文化理解を促進する活動を進めていく予定です。

岩品 彰宏

公共サービス・医療健康本部 シニア・マネジャー

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