「社員の文化的多様性」はイノベーションの源泉

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アクセンチュアのインクルージョン&ダイバーシティ(I&D)活動を構成する4つのテーマのうちの1つ、「Cross Culture(クロスカルチャー)」は社員の国籍や文化的多様性を尊重し合いながらコラボレーションを促進させ、チームとしての成果最大化を狙った組織的Maturityを高める取り組みです。

2020年8月、アクセンチュア ジャパンは2度目となる「Cross Culture Day」イベントを、全員が自宅などのリモートワーク環境から接続するオンライン開催でのパネルディスカッション形式で英語を主言語として実施しました(日本語チャネルも用意)。


現在、アクセンチュア ジャパンで勤務している社員の国籍は日本を含めてすでに30カ国以上。こうした「バックグラウンドの多様性」はコラボレーションが闊達になる環境下では「イノベーションの源泉」ともなりますが、価値観や考え方の「違い」は誤解やすれ違いを生み、チームとしての成果を損ねてしまうリスクもあります。

多様性を価値へと転換するために、アクセンチュアでは相互理解を学ぶ機会を社員へ提供しています。今後は、トレーニングや啓蒙に加えて、採用からアサインメント、評価、という一連のプロセスでCross Culture観点でのEqualityが実現されるようコミッティーメンバー一同、関連部署とも連携し進めていきます。クロスカルチャーの重要性はかつて無かったほど高まっています。今回ご紹介するCross Culture Day イベントを通じて、皆様にもこの活動の重要性の理解を深めて頂き、全員一丸で取り組んでいきたく思っています。

今回のCross Culture Dayイベントは、インクルージョン&ダイバーシティ クロスカルチャーダイバーシティ日本統括の河田博孝さんによるイントロダクションと、社員6名によるパネルディスカッションで構成されています。

 

「Equal」を目指すアクセンチュア

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イントロダクションで河田さんは、アクセンチュアが「文化のEquality(平等性)」を大切にしている会社であることに触れつつ、昨年9月にCEOに就任したジュリー・スウィートが発信しているメッセージを紹介しました。

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アクセンチュアは経営層レベルでI&Dにコミットしており、ジュリーはそのトップとして「I&Dでイノベーションを解き放ち、すべての人々が「平等さ」を感じる文化の創造を目指していること」を宣言しています。アクセンチュアでは「Getting To Equal」のスローガンの元、こうした活動に取り組んでいます。

アクセンチュア ジャパンでは「文化的多様性がイノベーションを創造する」という点を強調していますが、これはデータに基づく根拠のある事実です。多様性を生む「カルチャーメーカー」の人材を組織が大勢受け入れることで、ビジネスにとって価値あるイノベーションにつながります。これはアクセンチュアの事業成長という結果が証明しています。

近年のアクセンチュア ジャパンでは外国籍の社員が増えています。しかし日本語や日本人とのコミュニケーションにおける独特の「ハイコンテキストカルチャー」になじむのに苦労している人も少なくありません。私たちはお互いの「違い」を敏感に意識し、相互理解を深めなくてはなりません。

河田さんは、実際にアクセンチュア ジャパンで行われた調査結果を示し、一口に外国籍社員といっても、日本滞在が長く、日本の商習慣などをすっかり理解している人もいれば、一方でトレーニングを必要とするビギナーまで様々であることを説明しました。

アクセンチュアのCross Culture Committeeでは1人ひとりに最適な研修メニューを人事部と連携しながら開発しており、文化的多様性がイノベーション創造へとつながる環境づくりを進めています。河田さんは開発中のプログラムの概要を紹介したほか、全社レベルでのCross Cultureのコラボレーションの深化について解説し、イントロダクションを締めくくりました。

 

アクセンチュア ジャパンで活躍している外国籍社員による座談会

続いてはCross Cultureの理解をより深めるパネルディスカッションが行われました。MCを務めるのはアクセンチュア ジャパンで約15年活躍しているグイネス・ロイドジョーンズさん。グイネスさんは日本で生まれ育った経歴を持つことから、「バックグラウンドは日本」と自ら語る社員です。

パネルディスカッションに参加した5名の社員は、それぞれのバックグラウンドがイギリス出身、オーストラリア出身、フランス出身、そして日本生まれですがイギリスで長く過ごした方というようにバラバラです。

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グイネスさんのMCのもと、それぞれの自己紹介で「日本に興味を持ったきっかけ」や「初来日のときこと」、「アクセンチュアに入社した経緯」などが語られました。パネリストはそれぞれの国籍や育った環境などの違いに加え、前職がIT企業だったり銀行だったりと様々です。さらに、それぞれ働いているプロジェクトも異なるので、このディスカッションが初対面。Cross Cultureイベントに初参加の人もおり、緊張感とワクワク感を両方感じられる自己紹介が続きました。

自己紹介の後はMC担当をグイネスさんから私、鎮目へバトンタッチ。本題であるアクセンチュア ジャパンに入社してから感じた経験の中から「ポジティブ・ネガティブ」の両面を深堀していました。

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あるパネリストは、「日本語スキルは十分だと思って入社したけれど、最初の研修でやはり言葉のコンテキストの理解で他の新入社員より遅れをとっている実感があってフラストレーションが溜まりました」と話したほか、プロジェクト現場でも「日本のお客様企業と話す際は、日本の商習慣などで“当たり前”になっている要素であっても、ダイバーシティのあるメンバーとの協働の場合は丁寧に共有することが大切」といった踏み込んだ具体的な会話もされました。

英語や日本語などの語学力は十分であっても、コミュニケーションにおいては「背景説明」が重要であることがパネリストはみなさん同感だったようです。

たとえば「期日」の相談1つとっても「明日まで」という曖昧な依頼の仕方ではいけません。「明日の朝イチで必要」なのか「明日の終業までに完成していればいい」のかではまるっきり異なります。空気感での伝達に頼ることなく、明確に意思表示し、要望や期待を伝える重要性が改めて再認識されました。

オープンマインドで「信頼」の絆を作る

アクセンチュア ジャパンのCross Culture Committeeは以前からネットワーキングイベントを定期開催してきました。新型コロナウイルスの感染予防の観点で、そうした対面のリアルイベントは中断していましたが、今後はオンラインツールを使ったバーチャルコミュニティを立ち上げ、どこにいても参加できるイベントを行なっていく予定です。

アクセンチュア ジャパンに所属する外国籍社員は年々増えています。海外とやりとりする「グローバル案件」だけでなく、日本国内にいながらにして世界中から集まったメンバーと協働する「ジャパン内部のグローバル化」も進んでいます。ぜひ多くの方々にダイバーシティのあるメンバーと一緒に仕事をする面白さを感じて欲しいと思います。

パネリストの1人は「毎日が勉強の連続。日本企業のエグゼクティブとの会話もしっかりできるようになり、入社直後の“同僚に追いつこう”という焦りも随分なくなりました」と振り返ります。

また、別のパネリストはアクセンチュアの制度である「グローバルメンターシップ」を高く評価していると語りました。他の国の拠点に所属する社員にメンバーとなってもらうことで、文化に関する知識を提供してもらったり、相談に乗ってもらったりすることができます。

ミスコミュニケーションを回避するためのクイックカンバゼーションなど、相互理解を深める方法論は幅広くあります。パネリストの1人はアクセンチュアの良いところとして、「オープンさ」を挙げ、1対1での対話を意識的に多く行い、絆のような信頼関係を持てるようにすることが大切だと話しました。

ディスカッションを通じて、Cross Cultureをより組織全体へ根付かせるにはチームの結束を高める密なコミュニケーションが重要だと再認識できたパネルとなりました。新型コロナウイルスの影響でニュー・ノーマルの働き方を模索している私たちですが、Cross Culture Committeeにおいては、心の距離がより親密になるべく、オープンマインドによる相互理解を積み重ねる取り組みにしていきたいと考えています。

アクセンチュアのCross Culture Committeeはこれからも組織全体の多様性をより豊かにするべく、取り組みを続けていきます。

 

鎮目 悠治

ビジネスコンサルティング本部
シニア・マネジャー

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