大人のリスキリングだけじゃない!幼少期から始めるSTEM人材育成
December 28, 2022
December 28, 2022
Accenture Song所属の中田です。データサイエンティストとして、大規模データの分析や、関連アセットの整備・データエンジニアリングを主軸において業務にあたっています。
現在は、アクセンチュアの社会貢献活動であるコーポレート・シチズンシップ(以下CC)の取り組みの一つ、STEM(Science, Technology, Engineering and Mathematics)人材育成をテーマにしたプロジェクトに参画しています。
このプロジェクトに参画したきっかけは、学生の頃から漠然として抱えていた教師という職への憧れにあります。さまざまな分野に関連する「学び」だけでなく、モノの考え方や人格形成にまで影響する「環境」を提供できる仕事に、大きな可能性と魅力を感じています。AI人材やDX推進という言葉を聞くようになって久しいですが、これらに関してビジネス的な側面を考えると、社会人を対象にした高度教育・リスキリングに目を向けられがちです。しかし、私個人としては、学生のうちからのデジタル・STEM教育、ひいては幼少期からの教育こそが次世代に繋がっていくのではないか、等と日々考えています。
とはいうものの、普段の業務とはあまり直接的な接点がない分野だったのも事実です。将来このような教育に関わる仕事に取り組みたいな、と漠然と考えていたところ、ふとしたきっかけで、アクセンチュアのCC活動の中にSTEM教育や、人材育成を目的としたプロジェクトチームがあることを知りました。自分の所属するチームの上司からプロジェクトの説明をいただき、数分お話を聞いただけでしたが、その時点で自然と「もうこれやるしかなくない?」と考えており、気付けばプロジェクトメンバーとしての参画を志願していました。
STEM人材育成チームでは、小学生~大学生、教員までの幅広い層を対象に、プログラミング教室やデータ分析講座、ハッカソンなどのプログラム提供を通して、STEM領域の知識・スキル習得を目指した活動を展開しています。アクセンチュアでは、STEM領域に関する単純な知識習得に留まらず、STEMの力を活かし、それをどう社会課題の解決に繋げるのか、を重要な視点として教育プログラムを作成しています。今回は、小学生を中心にコンテンツ提供を行っているプログラム「小学生から始めるSTEM・データサイエンス(以下、STEM-DS)」や、「Robo*C」について、11月3日に開催された「Fujisawa SST文化祭」でのイベントの様子と併せてご紹介します。
「STEM-DS」「Robo*C」とは?
本プログラムは、特定非営利活動法人 東京学芸大こども未来研究所(以下、こども未来研究所)、一般社団法人 横浜すぱいすの2団体と協働して推進しています。「STEM-DS」は、フードロスという社会問題をテーマに、Webアプリ含め、データサイエンスを活用した問題解決能力を学ぶコンテンツであり、「Robo*C」は、GUIを利用して体感的に学ぶことが出来る、ロボットプログラミング学習教材となっています。
小学校から高校までで教える内容の基準となる、文科省告示の学習指導要領では、2020年頃から、「総合的な学習(探究)の時間」(*1)を重視しており、STEM-DS(こども未来研究所との共同研究により開発)は、この総合的な学習(探究)の時間にも利用できる、一連の教育プログラムとなっています。そのプログラム内の一コンテンツとして、Webアプリケーションとして利用できる教材も作成しており、高速大容量通信ネットワークと1人1台端末環境を想定した「GIGAスクール構想」(*2)を見据えた、オンライン環境下の教材導入の際にも、教職員への負担の最大限の低減が見込めるようなSTEM教材となっています。
*1 総合的な学習(探究)の時間:変化の激しい社会に対応して、探究的な見方・考え方を働かせ、横断的・総合的な学習を行うことを通して、よりよく課題を解決し、自己の生き方を考えていくための資質・能力を育成することを目標にした学習方式。
*2 GIGAスクール構想:1人1台端末と、高速大容量の通信ネットワークを一体的に整備することで、特別な支援を必要とする子供を含め、多様な子供たちを誰一人取り残すことなく、公正に個別最適化され、資質・能力が一層確実に育成できる教育ICT環境を実現する構想。
STEM-DSやRobo*Cを多くの方に届けるべく、2022年11月3日(木)に開催されたFujisawa SST文化祭2022に、ブースを出展させていただきました。こども未来研究所の先生にもご協力いただき、人形を用いた単位の概念を学ぶことができる教材コンテンツと併せ、STEM教育プログラムについて、こどもたちを対象に紹介しました。
当日は、朝からブースの出展準備に始まり、予想外のアクシデントに見舞われた各種コンテンツの準備と大忙し。例えば、プログラミング教材は、快晴のために光センサーが上手く動作しない、看板代わりの印刷物などが強風によって飛んでいく...などもありバタバタでしたが、こども未来研究所の先生と協力してこれらを解決。無事にイベントを実施することができました!
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イベントに参加してくれた小学生からは、「楽しかった、もっとやりたい!」、「プログラミングはちょっと難しかったけど、自分でロボットを動かせて楽しかった」など、ポジティブな感想をたくさんいただけた他、保護者の方からも、STEM教育や会社の取り組みについて質問をいただくこともできました。最終的には151名もの方にコンテンツを届けることができ、実りの多い一日となりました。
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~Fujisawa SST文化祭について~
コミュニティの醸成・発展を目的に、Fujisawaサスティナブル・スマートタウン(SST) 在住の人々や、Fujisawa SST協議会各社など、街に関わる“まち親“が参加する文化祭です。パートナー企業であるアクセンチュアは、過去にも本イベントにてブース出展をさせていただきました。2022年で6回目となり、今年は久しぶりのリアル開催となり、3,500名以上の方が来場しました。
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今回イベントに参加して、いろいろな手ごたえを感じることができました。また、現在、プロジェクト内で取り扱っている教材コンテンツの種類が、ある程度揃ってきて、広くたくさんの方々にコンテンツを届けていくフェーズにあります。もちろん、新規教材開発などは並行して進めていますが、STEM教育について、まだまだ認知を広げる可能性は大きく残っているように感じています。今後は特に、子どもたちにSTEM教育や、データサイエンス、デジタル分野について、どのようにして興味関心を持ってもらうかを意識して、さらなる活動を進めていきたいと思った一日でした。
STEM人材育成チームでは、ロボティクスプロジェクトの他にも複数のプロジェクトを実施しています。社会問題をテーマに、プログラミングスキルによってアイデアを形にするハッカソンプロジェクトや、学生を中心にSTEMを活用した問題発見・課題解決ができるリーダーの育成プロジェクト(NPO法人STEM Leadersと協働)など、スキルや学びの場を一方的に提供するのではなく、プラットフォームのような形態で、人材育成に貢献できるような面白いプロジェクトがたくさんあります。
私個人の想像にはなりますが、今後は、これらプロジェクトを横に連携し、より多くの方に認知いただくことで、学びの意思を持っている若者が自然と集まってくるような、一種の学び舎のような場所を作りたいです。自分自身、「学生時代にこのようなプロジェクトの存在を早くから知っていれば、もっとたくさん面白いことができたのになぁ」、と日々モヤモヤとしているので、同じようなことを考えている学生の皆さんが、たくさんの可能性に満ち溢れている時期だからこそ、伸び伸びと活動できるような環境を提供するべく、今後も活動を推進していきます。
アクセンチュアのコーポレート・シチズンシップについては、こちら。
コーポレート・シチズンシップのSkills to Succeedについては、こちら。