自動運転×コンサルティングで描く社会(インダストリーX.0コンサルタント)
February 6, 2020
February 6, 2020
はじめまして。2019年にアクセンチュアのIndustry X.0(以下、IX.0)グループに入社したKazuhisaです。
IX.0という組織では、大量生産モデルからパーソナライゼーションへの変革など、デジタル技術を梃に新たな産業構造の創出を目指しており、技術的な専門知識を持っているスペシャリストが数多く所属しています。
今回、私の専門分野である「自動運転」が目指す社会と現状、コンサルティング会社ができる自動運転へのアプローチについて書きたいと思います。
私は学生時代の5年間、尊敬する偉大な教授のもと、自動運転について研究していました。研究を通し2週間で市販車を自動運転車に改造するスキルを身につけた一方で、国が行う自動運転の実証実験に2年間参加する中で地域交通の現状と現実を目の当たりしました。
研究室では数々の企業に対し共同研究を行っていましたが、それら企業の多くは、自動運転車と自社製品やサービスを活用した実験を行いたいものの、自分たちで自動運転車を製作できないことが課題でした。私たちは、市販車を改造することで製作した自動運転車を提供することで、企業と共に自動運転の目指す世界を追究していました。
ちなみに、自動運転車の製作とは、市販車の電気配線を切断し、人間の運転操作に合わせた電気信号をコンピューターから指令させるよう自動車の制御をするよう改造することです。これにより、LiDER等の複数のセンサー情報に基づいて、ハンドル、ブレーキ、アクセル、ギアの操作を自動で行い、予め作成した地図に基づいた走行を可能としていました。
そもそも、現在多くの企業が研究開発を行い、国の成長戦略にもなっている自動運転はどんな未来を描こうとしているのでしょうか。私は大学時代に参加した自動運転実証地域で、お年寄りの方が自動運転車によって移動が自由にでき、喜ぶ姿を目の当たりにしました。そのことから、私は、自動運転が描く未来は老若男女誰もが自由にどこへでも行ける社会の実現と考えています。
現在は自動運転により実現できる社会よりも、100%安全な自動運転技術の開発に注目されがちです。しかし私は完璧に安全を担保する自動運転車を開発することよりも、どれだけ多くの人に自動運転社会の便利さ、簡単にどこへでも移動できる社会の利便性・必要性に気付いてもらえるかに目を向けるべきだと考えています。
自動運転の社会が実現すると街の中には自動運転車が常に走っており、誰でもいつでも気軽に車両を利用して、行きたい場所へ行ける社会になっています。そうなれば、車も「所有するモノ」から「利用するモノ」へと概念が変わっていくことになります。
つまり、自動運転社会において求められる企業とは、単に自動運転車を製作する企業ではなく、誰もが利用できる自動運転車をより多く走行させ、運用できるノウハウを持っている企業なのではないでしょうか。その中で勝ち残り、デファクトスタンダードな自動運転のプラットフォームを作るためには、道が狭く、信号機やトンネルが多いという日本特有の道路環境の中で、どれだけ多くの自動運転車を走行させ、どれだけ沢山の人々を乗せ、運び、いかに効率良く快適に運ぶことができる運用ノウハウを蓄積できるかが自動運転社会を勝ち抜く肝になります。
現在、多くの企業が自動運転に興味を持ち、何らかの実証実験や取り組みを行いたいと考えているように感じます。自動運転に興味を持っていて、何か取り組みを行いたいと考える企業に対して、まずは自動運転車を1つの町で100台実際の環境で走行させ、実際に利用してもらうことで自動運転の運用ノウハウを蓄積していくことを私は提案します。自動運転社会のイメージがない今の日本で自動運転車を使った実運用を行い、まったく新しい自動運転社会のUX体験を人々にしてもらうことで、多くの人の記憶に残り、結果として自動運転社会のパイオニアとなっているでしょう。
実際、自動運転車は、基本構造は市販車と同じであり、高級車程度の価格で製作できますし、様々な方法で安全性も担保できますので、自動運転車導入のハードルはさほど高くはありません。
私はコンサルティング会社として、企業や社会が取り組みたいと考える未来・課題に対し、自動運転のメリットをつなげていくコンサルティングを提供していきたいと考えています。我々は自動車を作る会社ではなく、技術を開発する会社でもありません。コンサルティング会社の強みはモノ・サービスに縛られず、目指す社会やほしいサービスをフラットな観点でお客様と描き、そこを起点に必要な技術・モノを繋ぎ合わせ、スピード感をもって夢や未来を現実にできる点です。
私は、コンサルティング会社の強みを生かすことで「老若男女誰もが自由にどこへでも行ける自動運転社会」を実現できると私は信じています。
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