こんにちは!アクセンチュア ソングのデザインチームにてService Design LeadをしているKotaです。先日「Designship 2019 」という日本最大級のデザインカンファレンスにも協賛・ブース出展しました。

私たちデザイナーは、日々のクライアントワークで自分たちのクリエイティビティやアイデアを活かし、社会やお客様からのニーズに応える提案などを行っています。

とはいえ、クライアントとデザイナーの関係は、いつの時代も同じだったわけではありません。社会環境が変われば、クライアントワークのあり方も変わります。

私は上記「Designship 2019」のパネルディスカッションに参加し、このテーマについて他社の3名のデザイナーさんたちと一緒に語りました。

簡単ではありますが、当日のパネルの内容を記したいと思います。

 

登壇者一覧

A.C.O. inc. UX/IA Div. Manager 川北 奈津様

FOURDIGIT Inc. Communication Design div. Senior Director 西本 泰司様

Goodpatch Inc. Design Div エクスペリエンスデザインユニット シニアマネージャー 北村 篤志様

Service Design Lead 岡崎 耕太

 

新時代のクライアントワークとデザイナーの役割

私が出席したのは、1123日と24日、2日間かけて東京国際フォーラムで開催された「Designship 2019」のラップアップとなる、「新時代のクライアントワーク」をテーマとするパネルディスカッションでした。

まずは登壇者が順番に自己紹介。

今でも「具体的なモノづくりのデザイン依頼」という案件もありますが、昨今は、お客様企業(クライアント)が今後10年間の事業戦略を練っていく上で「いま何をするべきか」というような「漠然とした相談」から受けるケースが増えています。その結果、次のようなことがデザイナーの役割として求められ始めています。

・ビジョンや戦略を描くこと

・顧客とのコミュニケーションに必要なサービスや製品を設計すること

・アウトプットまで落とし込み、サービスや製品を成長させていくこと

つまり、「上流の戦略策定」から、具体的なデザイン、マーケティング、プロモーションの領域までワンストップで提供するところまで広がっているのです。

とはいえ、実際のプロジェクトでFjordが単独行動をすることはめったにないです。

なぜかというと「デザイン/カスタマー視点でのFjord」と「ビジネスサイドのアクセンチュア」という、いわば「両輪」でコラボレーションを推進しながら、お客様企業の経営層も巻き込んだ取り組みを進める機会が非常に多いからです。

こうしたことが近年の私たちの仕事内容であり、働き方です。

 

「コンサルタント×デザイナー」で経営課題に挑む

次のお題は「デザイナーとして、クライアントにはどのように向き合っているのか」というものでした。

他社さんからは、その前提として時代背景や社会動向として、生活者の行動様式がデジタルへとシフトしている点が話され、私もまったく同感でした。

実際のところ、1020年前は企業の経営課題も「わかりやすいもの」が多かったです。ですが昨今は、課題を定義すること自体がまず困難です。では、どうやって課題を具体化するか。そのためには、「生活者視点で紐解く」しかありません。

コンサルタントは経営者と対面するスキルに長けています。一方で私たちデザイナーは、ユーザーに最も近い存在です。だからデザイナーこそが、コンサルティング企業における新しいパワーなのです。

生活者視点で紐解き、課題を具体化し、経営者へ提言するためのエンジンになるのがデザイナーだというわけです。もちろん、これはデザイナーだけでできる内容ではありません。コンサルタントと二人三脚で進める仕事です。

 

銀行業界で説明する「業界の激変」

たとえばかつての銀行業界では、銀行同士がライバルでした。しかし今では異業種の企業が銀行業を始めています。みなさんも、非銀行業が母体の「銀行」に口座を持っていて、日常的に使っているのではないでしょうか?

つまり、「業界構造」が激変しています。先端テクノロジーや、業界の先例や慣習に捉われない、新しいアイデアの金融サービスを提供することが、銀行にとって新規顧客の獲得に必須のテーマなのです。

 

お客様との相性や、「合う・合わない」は本当?

その次のテーマは、「いいアウトプットを実現するためには、クライアントとの相性も重要でしょう。合う・合わないと言った観点ではどうでしょうか」というものでした。

登壇した他の方々からは、日本企業の縦割り組織の課題や、担当者が当事者意識を持っているかどうか、熱意の有無といったことが構造的な問題点として挙げられました。私もそれらの点についてはまったく同意見です。

ですが「それだけではない」と私は思います。そもそもの質問にある「合う・合わない」から考えてみましょう。

私は、「合わないお客様はいない」と思います。

つまり、プロジェクトにおいては、互いに歩み寄っていくことが初期のフェーズでは非常に大切なことだと考えているからです。

デジタルトランスフォーメーションの実現においては、お客様企業内から反発が発生するケースもあります(正直に言えば、プロジェクト初期には結構な頻度であります)。

しかし、そうした場面でもコミュニケーションを重ねて、「反発の背景」や「部署ごとの事情」を理解していくことで歩み寄れます。その際に、私たちデザイナーは、エンドユーザーにとってのメリットを、ブレずに説明し続けることが大切です。

私はデザイナーの強みは、「視覚化によるコミュニケーション」だと考えています。

デジタル化においては、既存のコミュニケーション手段だけでは、理解を十分に得ることが難しい場面があります。

ただし、例えば動画を制作してお客様の社内総会で流したり、ビジュアルが見やすい資料を制作してお渡ししたり、視覚化することで理解していただけることもあります。

お客様に、“変わる”ということを受け入れていただくには、デザイナーだからこそできる「(視覚化を武器にした)コミュニケーション設計」でプロジェクトに貢献することが効果的だと思います。

デザイナーに求められるマインドセット

企業のブランディングにおいて、私たちは3つのデザインルールを提唱しています。

「デザインシンキング」など広義のデザインのほか、実行を担保する「デザインDoing」。そして、お客様企業の全体に浸透させていく「デザインカルチャー」の実現です。

お客様には、100年以上続いている大企業も少なくありませんので、これらを実現するのは容易なことではありません。

ただし、そんな時は自分が担当するプロジェクトの領域以外のことにも興味関心を持ち、自ら情報を取りに行くようにしています。

例えば先ほどの銀行の例で言うと、金融の仕事、審査のプロセスの仕組み、今までのビジネスなど。

100年以上ビジネスを継続しているお客様へのリスペクトもありますし、できるだけ背景を理解するよう努力しています。

これこそが、現代のデザイナーに求められるスキルだと思っています。

 

最後に

Designship 2019」に参加したことで、来場したデザイナーさんと語り合い、同時にFjordの考え方やバリューの出し方をぶつけてみたことでわかったフィードバックが、たくさんありました。

これからもぜひ、「エンドユーザーの視点で、企業の経営課題を紐解きたい」というデザイナーと共に、新しくて面白い仕事をたくさんしていきたいと考えています。

私の話を聞いてアクセンチュア インタラクティブグループやFjord Tokyoの仕事に興味を持ったデザイナーの皆さま、エントリーをお待ちしています!

 

 

関連リンク:

アクセンチュア「Designship 2019」初日講演レポート

IMJ「Designship 2019」イベントレポート

 

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