こんにちは、アクセンチュアのインクルージョン&ダイバーシティ担当です。

2021年11月に開催されたオンラインイベント、「Climbers(クライマーズ)」。様々な壁を乗り越えてきた各界のトップランナーが集い、人生の特別講義を提供するイベントです。2020年よりスタートし、第3弾となった「Climbers 2021 --」には、経営者や実業家、スポーツ選手、タレントなど、幅広い業界で活躍する40名が登壇し、30,000名もの方々が視聴しました。

「乗り越える」というテーマのもと、「ビジネスパーソン」「トップランナー」「女性活躍社会の挑戦者」という3つの軸で進行された今回。その「女性活躍社会の挑戦者」のひとりとして、アクセンチュア ビジネス コンサルティング本部 AIグループのマネジング・ディレクター秦 純子が「Climbers D&I Summit」に登壇しました。

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コンサルティング業界はブラック業界と言われた約20年前に、アクセンチュアの日本オフィスで初めて社内制度を活用して、育児と仕事の両立を果たした秦。今では男女問わず育休を取得する文化が根付くアクセンチュアですが、当時は全く異なる環境でした。そのような時代から今まで大小様々な壁に直面しながらも、彼女が周囲の仲間から常に「人生楽しんでいるね」「ゆるキャラ」と言われる所以とは。

キャリアのスタート地点に立ったばかりの方、小さなお子さんを抱えて大変な時期真っ盛りの方、キャリアとプライベートを両立しながら生きていけるのだろうかと悩んでいる方、そういった後輩や部下にどのような声をかけたら良いのかと思案している方に、秦が自身の体験談を語りました。
「ビジネスの世界で生きていると辛いことに直面すること、ありませんか?」という問いかけから始まった講演を、本ブログにてダイジェストで紹介します。(動画本編は
こちら

「テクノロジーやAIを駆使したビジネスの最前線で働くワーキングマザー、壁はあってもゆったり構えれば楽しめる。仕事も、人生も。」

 

復職の壁・両立の壁を乗り越え、アクセンチュアにおける仕事と家庭両立生活の先駆者に

 

< コンサルタントらしい解決方法 >

秦:家族や親戚の影響で海外と接することの多かった子供の頃から、「偉くならなくても良いから、一生働きなさい」「日本も女性が社会で活躍するようになる」という祖父母や母の言葉によって、一生働き続けるというマインドセットがいつしか私の中に形作られていました。
そのような私がアクセンチュアに新卒入社し、忙しくも充実した日々を送っていた入社2年目に、子供を授かりました。喜びと共に、まだ駆け出しだった自分に育児と仕事の両立ができるのかという不安が押し寄せます。アクセンチュアの制度はグローバルスタンダードで、産前産後育児休暇、フレックスワークなど、当時から様々な制度がありましたが、日本ではまだ、制度はあっても活用した人がほとんどいない状態だったのです。「一生働く」が社会に出て2年目にして壁にぶち当たったような気持ちでした。
そこで相談したのが、ピープルリードです。(アクセンチュアでは、直属の上司とは別にピープルリードという、キャリアについて相談できる上司がつきます。旧称:キャリアカウンセラー)

「僕たちはコンサルタントなのだから、海外や世の中の先進事例を調査して、課題と提言をまとめて、経営会議にかけて提案しよう」

秦:ピープルリードからの返事に、一筋の光が見えました。それから私は、ワーキングマザーの話を聞くことからスタートしました。周囲の仲間からの協力で、アクセンチュアの海外オフィスや他社の方など、様々な人から沢山の体験談を聞きました。
時間評価ではなく仕事の質や能力(生産性)でどう評価するのか、クライアントであるお客様にはどのように理解していただくのか。当時課題となっていたことを、取材から得られた先進事例をもとにひとつひとつ提案書にまとめて、ピープルリードから経営会議へ。それをもとに経営陣が議論を重ね、ついに制度が運用に向けて動き出しました。私はその最初の利用者として、休業から復職を果たすことができたのです。アクセンチュアの日本オフィスでは初めてのことでした。

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< 時短勤務の罪悪感との葛藤 >

秦:復職後すぐは短時間勤務制度を使って仕事をしていました。退勤後からの時間は戦場です。買い物、息子の迎え、食事、お風呂、歯みがき、本読み、寝かしつけまでを行い、夜中に起き出してメールを見始めるという日々でした。そんなある日、部下からの言葉に衝撃を受けました。

「秦さんが夜中に、私たちの昨日の検討成果を確認して送り返してくれるのを、朝から見るのは精神的に辛い。秦さんのことも心配になります」

秦:早く帰る罪悪感や、上司らしいところを見せなければという気負いがあったのかもしれません。そのとき気付かされたことはふたつ。ひとつは、日中の業務時間内に関われるときは関わり、任せるときは任せないといけないということ。もうひとつは、家族には仕事のことを、仕事仲間には家庭のことを、必要な場合は見せた方が良いということです。自分が今できることとできないことをオープンにすることで、周囲のみんなと一緒に仕事をしていけるのだと学びました。
もうひとつ心掛けるようになったのは、スキルで勝負することです。スキルを陳腐化させずにホットな領域を学んでステップアップすることによって、費やせる時間ではなく、スキルで勝負ができるようになると思います。

 

自信を持つために乗り越える自分との壁

 

< 上司を選ぶことの大切さ >

秦:私が育児と仕事の両立生活を送る中で強く感じたことは、一緒に働く上司の大切さです。世の中、多様性をマネージできる上司ばかりではありません。しかし、自分自身がスキルを磨くことによって、周囲を活躍させられる度量を持った素晴らしい上司と出会い、一緒に働くことができるのだと思います。
私がマネジング・ディレクターになったばかりのときのことです。それまで経験したことのないプロジェクトの提案を行う機会がありました。社内でも国内外から多くの部署やエキスパート、法務や財務が参加し、お客様側からも経営陣、営業、IT、法務、財務と幅広い部署の方々と議論をする必要がありました。しかし、経験の浅かった私には彼らの異なる意見をまとめることができず、次第にメンバーも私も疲弊していきました。苦戦は1年近く続き、追い詰められた中で当時の上司に相談すると、「もっと早く相談してくれればよかったのに」と言いながら、対立していた意見の調整のため、一緒に会議に入り解決に向けてプッシュしてくれました。
この時の学びは、今自分がやるべきこと、自分ができないことを認識して、自信を持って前に進むことです。向かうべき先のために、自分にできることはする、できないことは人を巻き込む、サポートできることはする、信じて任せることは任せるという姿勢は、社会で生きていくためにはとても重要だと感じます。

 

ダイバーシティマネジメントの時代

 

秦:2020年より、アクセンチュア ビジネス コンサルティング本部のAIグループ(Applied Intelligence)に着任しました。ビジネス コンサルティング本部は、事業戦略や経営管理、サプライチェーンや組織・人事など色々な領域のコンサルタントが集まる組織です。その中でAIグループは、AIやデータサイエンスに特化した精鋭が集う組織で、データ分析やAIのエキスパートが在籍しています。彼らは職人気質で、科学者気質で、目先のことよりも世界の潮流を意識し、真実を追求したい、社会に貢献したいという思いを持つ人が非常に多くいます。
今、このような時代になって感じるのは、アクセンチュアや私が培ってきたダイバーシティマネジメントの重要さです。これからの時代、色々なバックグラウンド、考え方、特技を持つ人たちと仲間として一体になって仕事をしていく能力は非常に大事になってくると信じています。

私もこれまで様々な失敗があり、うまくいかなかったことも数多くありましたが、それらの壁を乗り越えたことが自信に繋がって、今では肩の力を抜いて楽しめるようになっています。壁に直面している真っ只中の皆さんには、今はしんどくても、その先には楽しい人生が待っていると思っていただきたいです。

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<最後に、視聴者からの様々な質問に回答しました。その一部をご紹介します。>

Q:意思を強く持ち続け、軌道修正する上で大事にされていることはありますか。

秦:キャリアのカウンセラーや頼りになる先輩の話をよく聞くことは心がけています。聞くだけでなく、最後に迷った時、自分自身がやっていて楽しいと思えるか、心地良いと思えるかという自分の感覚と、周りの声とのバランスを意識するようにしています。

Q:「女性活躍社会」というテーマにおいてアクセンチュアはどのような特徴がありますか?

秦:アクセンチュアも最初は全くできていませんでしたし、今でも100点ではありません。でもアクセンチュアらしいのは、初めてのことも「突破するんだ」という馬力のある人がいることだと思います。

Q:育児と仕事の両立のために日本社会で必要なことは何だと考えますか?

秦:多くの企業で制度そのものはあるものの、実際に使われていなかったり、使うことが躊躇われていたりということもあるのではないかと思います。そのため、上司が制度を理解するための研修など細やかな運用面のサポートが必要だと思います。

また、最近アクセンチュアでは「育児中の会」というオンラインコミュニティがとても活発で、女性だけでなく男性社員も多く参加しており盛り上がっています。会社からの提供だけでなく、みんなが情報共有できる仕組みもあると良いのかなと思います。

 

最後に

 

講演終了後、参加者からは「勇気をもらえた」「つらい時期があっても意志次第でプラスにできると感じた」「気持ちを切り替えるきっかけになった」など、たくさんの感想が寄せられました。今回の講演を通して、皆さんのキャリアに役立つヒントを届けられていたら嬉しいです。

 

 


 

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