プロジェクト事例:大手メーカー新規ビジネスの創出支援
July 16, 2020
July 16, 2020
こんにちは、アクセンチュアのインダストリーXにて、デジタル事業の創出支援を行っていますKensukeです。
インダストリーXは、モノづくりのデジタル変革を推進・支援するなど、デジタル技術を梃に、新たな産業構造の創出を目指す組織です。その中で私は、主にハイテクメーカーのお客様を対象に、事業のデジタル転換や新規ビジネスの創出支援を行っています。
アクセンチュア入社前は、世界初の全天球カメラなどイントレプレナーとして多くの新規事業開発を手掛けて参りましたが、以前より多くの同志から「新規事業開発のプロセスを教えて欲しい」といったご要望をいただいており、3年前にイノベーティブなコンサルティング会社であるアクセンチュアに入社しました。本日は私の担当しているプロジェクトについてご紹介します。
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私はもともと日系メーカーに長く勤めてまいりましたが、製造業の競争環境はここ10年で大きく変わり、これまでのようなモノづくりの強みを生かした製品の「性能」や「品質」軸での競争では、プラットフォーマーやサービスプロバイダーに対して優位性を出せない時代となりました。さらには昨今のコロナの影響により、事業のデジタル化は急速に求められるようになり、各社は事業創出価値の再定義が求められています。
このような状況下で、私のチームは大手メーカーのお客様の新規ビジネス戦略策定を支援しています。チームメンバーは、事業構造改革を専門とする戦略コンサルタント、ハイテク業界の知見に詳しい経営コンサルタント、そしてシステム設計を得意とするソリューションエンジニア・・・など他にも多様性溢れるメンバーで構成され、私はプロジェクトマネジャーとしてチームを束ねて参りました。
まず、このような製品のコモディティ化や破壊的ビジネスに対して先手を打つためには、現行ビジネス強化による利益捻出と、新たな事業創出のバランスを図る WISE PIVOT の考え方が重要となります(図1)。コア事業の徹底した効率化による「原資獲得」と、Disruptionを機会としてとらえた「新規価値創出」の2つのバランスをみながら、経営リソースや投資の配分を行っていく考え方です。
私どものチームはこの中で新規価値創出を中心とした戦略策定案件のコンサルティングを主に担当していますが、新しい価値の創出にあたり、お客様が強みと感じていない技術や事業が、社会全体から見渡した際に今後の価値の原石となることも非常に多いです。お客様の中長期の戦略策定に対し、私どもが第三者として携われることの意義を改めて感じながら仕事をしています。
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図1 既存ビジネスと新規ビジネスの両立「WISE PIVOT」
新規ビジネスを創出するにあたり重要なポイントは、①「ビジネス案」の設計だけではありません。②継続的にビジネスを創出していくための「組織」づくり、③外的環境を鑑みながらビジネスの善し悪しを管理していく「オペレーション・KPI」、そして④ビジネスを運営してくための「人材・スキル」獲得の4点をバランスよく設計していく必要があります(図2)。今日は主に①ビジネス案の設計についてお話したいと思います。
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図2 新規ビジネス創出の上でのチャレンジポイント
ビジネス案を創発する上では、その企業が、競合他社に真似できない強みとなるもの・ことを活かすことが重要であり、特に「市場」、もしくは「製品・サービス」のシナジーを活かした戦略立案が求められます(図3)。具体的にはA)新市場を開拓する事業、B)新製品・サービスを開発する事業、そしてC)新市場に新たな製品・サービスを展開するパターンが考えられます。これら新たな収益を獲得する事業ポートフォリオを組み合わせ、既存の製品事業の落ち込みを補完していく必要があります。
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図3 新製品・新サービスの狙い方
しかし、技術起点で「品質」の良いモノを提供し続けてきたメーカーにおいて、顧客起点に立ち戻り、新しい製品・サービスを創出するためには、ビジネスを創発するプロセスも変えていく必要があります。
そこで私たちは、お客さまと一緒に左脳だけでなく、右脳も働かせながら議論して新しいビジネスを共創していく手法「_ACCENTURE FORM_」を活用し、ディスカッションを重ねました。「_ACCENTURE FORM_」とは、お客さまがもつ「技術知見」とアクセンチュアがもつ「業界知見や顧客インサイトの発掘手法」を組み合わせ、さまざまなアイデアを導出する手法です。具体的にはお客様と一緒にデザインシンキングのような形で議論しながら潜在市場を特定し、現場を観察しながらインサイトを導出、導出したペイン・ゲインを解消・向上するためのアイデアを具現化し、お客様の技術優位性を加味しながらビジネス案を設計しました。
アクセンチュアの新規事業の創出支援はビジネス案導出に留まりません。導出したビジネス案は、他部門のデザイナーやエンジニアと協業しながら、プロトタイプを作り、仮説検証を行い具体化していきます。このように、ビジネス案を具現化できるところや、全社でコラボレーションし、お客様を包括的に支援できるところが、一般的なコンサルティングファームとの大きな違いだと言えるでしょう。実際に私たちが考えたアイデアがお客様のビジネスとしてリリースされる時は、大きなやりがいを感じます。
いかがでしたでしょうか?メーカーの強いモノづくりのDNAとアクセンチュアが持つ業界知見とイノベーションのDNAを組み合わせながら、世の中に新しいサービスを提供していく活動は、難易度が高い分、多くの刺激を受けることができます。不安の高まるwithコロナの時代だからこそ、お客さまと一緒に事業の価値を再定義しながら、引き続き世の中をより良いものに変えていくことができればと考えています。
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