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Blog - Cloud ComputingCommentary from our cloud experts around the globeBLOG アクセンチュア・ クラウド・ ダイアリーズ

August 24, 2018
ITILからSIAMへ~クラウド時代の複数サービスプロバイダー管理~
By: 加藤 明

オペレーションズ本部 ITSMアドバイザリー プラクティス シニア・マネジャーの加藤明と申します。私はサービス管理を軸とした組織変革、運用モデル設計、プロセス、ツール導入のコンサルティングおよびインフラストラクチャーアウトソーシングの移行リードを担当しております。

今回はクラウド時代のサービス管理と題して、昨今の複雑化するビジネス及びITサービスをいかに効率的・効果的に管理していくか、そのアプローチとしてSIAM🄬(*1) (Service Integration and Management:サイアム)フレームワークをご紹介いたします。おそらく多くの方が、「ITサービス管理といえばITIL🄬(*2)では?」という疑問をお持ちだと思いますので、まずはITILとの違いを説明するところから始めたいと思います。


*¹ 複数のサービスプロバイダー間で統合されたマネジメントを確立するための知識体系
*² ITサービスマネジメントのベスト・プラクティスをまとめた世界的に認められているフレームワーク



  • ITILとSIAMの比較 ~複数のサービスプロバイダーを管理するSIAM~

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    ITILとSIAMの比較 ~複数のサービスプロバイダーを管理するSIAM~

     

    ITILは単一のサービスプロバイダー(以後、SP)と顧客の関係が前提となったITサービス管理のフレームワークですが、昨今では、クラウドサービスやIoT、AI等のNewITが次々と生み出されていく中で、複数のSPと顧客の関係が前提となっており、単一SPのITILでは限界がありました。事実、2011年以降ITILはバージョンアップされておらず、外部環境の変化をフレームワークに適用できていないのが現状です。結果、各企業は独自のノウハウで複数SPを管理しており、実務担当者は非常に苦労しています。

    そこで誕生したのがSIAMです。SIAMは複数SP環境におけるサービス管理のフレームワークで、クラウドサービスも含めた複数SPを効率的・効果的に管理するためには最適な管理手法を提供します。SIAM構造では、サービスを統合的に管理しサービス品質を保証するサービスインテグレーター(以下、SI)という役割が定義されている点が特徴となります。

    1点誤解のないように補足させて頂くと、ITILを全く適用していない組織に対して、いきなりSIAMを適用することはできません。あくまでITILがベースにあり、それらを統合的にコントロールする仕組みとしてSIAMがあるという関係性になります。

    なお、SIAMを適用することの効果については、「クラウド時代のサービス管理!複数サービスプロバイダー環境の課題を解消する「SIAM」とは」に詳細に記載しておりますので、そちらの記事をご参照ください。



  • ITILとSIAMの比較 ~SLA,OLA、契約、コラボレーションアグリーメント~
  • 次にサービス管理の肝となる、SLA(Service Level Agreement), OLA(Operatinal Level Agreement), 契約の観点でITILとSIAMの違いについて特に重要なポイントをご説明いたします。


    簡単に、SIAM階層のそれぞれの役割を以下に記載いたします。

    • 顧客組織・・・SIやSPにサービスを委託する組織
    • SI…エンドツーエンドのサービス品質を保証する組織
    • SP…サービスを提供する組織


    ITILとSIAMの比較 ~SLA,OLA、契約、コラボレーションアグリーメント~。Click to expand.
    ITILとSIAMの比較 ~SLA,OLA、契約、コラボレーションアグリーメント~

     

    • 顧客組織が契約主体となる
      SIAMでは顧客組織とSP間で契約が締結されます。SIは顧客組織が契約したSPを統合的に管理します。SIAMでは顧客組織はITだけではなくHRや営業等も含まれますので、例えば営業がITを通さず直接契約してしまったようなクラウドサービス等もSIの管理範囲に含め、サービス品質を管理していきます。これによりSIが統合的にサービスを管理することで、事業部門が個別に結んだ契約を全体最適なソリューションへと移行していくことができます。

    • 協調(コラボレーション)できる関係を築く
      SIAMでは顧客組織とSP間で契約が締結されるため、SI-SP間で直接的な契約関係はありません。よって、SI-SP間ではSLAを達成するためにOLAという形で合意します。ただ、OLAには契約のような法的な強制力はありませんし、直接的な契約がない中でSIがどれだけ統制力をもってSPをコントロールできるかという問題があります。そこで顧客組織がSPと結ぶ契約にコラボレーションアグリーメントを含めて合意します。コラボレーションアグリーメントとは、SI-SP間およびSP-SP間で協調するための合意事項をまとめた文書です。例えば、緊急障害時にSPが協力して対応してもらえる、または継続的なサービス改善に積極的に動いてもらえる役割分担や会議体設定等です。SIAMでは実はコラボレーションアグリーメントも法的拘束力がない行動指針として定義されていますが、実務面では可能であれば契約の中に盛り込むことを推奨します。



  • ITILとSIAMの比較 ~SIAMエコシステム(Best Of Breed)~
  • 最後にSIAMで特徴的な考え方となるSIAMエコシステムについてご説明いたします。SIAMでは、ビジネスのニーズやスピードに柔軟に対応できるよう、SPが組み換え可能なエコシステムを目指しています。各SPごとに自社固有のサービス管理を実施させるのではなく、SIが中心となって統合サービス管理の仕組みを構築・運営していきます。

    SIAMを機能させるためには、以下の点を検討する必要があります。

    SIAMにおける検討事項。Click to expand.
    SIAMにおける検討事項

     

    • 標準化
      すべてのSPが共通で利用すべき基準とスコープを検討します。また、複数SPが協力してサービス品質を維持するためのガバナンス(委員会・フォーラム・ワーキンググループ)を会議体として検討します。

    • 所有権(オーナーシップ)
      SPが入れ替わった時に変わりなくサービスが提供できるようにするため、基本的にはツール内のデータの所有権は顧客組織が保持できるよう調整します(調整が難しい場合は、はSP変更後もアクセス権を所有できるようにする等代替案を検討する)。

    • 役割と責任
      SIAM構造の顧客組織、SI、SPそれぞれの役割分担をRAICチャートを使って整理します。また、統合サービス管理ツールなどで扱うデータへのアクセス権限等をセキュリティポリシーに準拠した形で定義します。

    • 契約
      SIAMにおける検討事項は現行契約では明文化されていないことも多く、結果として契約の見直しが発生する可能性があります。SIAMへの移行を検討する際には、契約更改タイミング、契約期間、内容、違約、知的所有権等を意識したうえで対応方針を検討します。



    今回はITILとSIAMの違いを中心に説明いたしましたが、当社では多数のSIAMベースのコンサルティング及びアウトソーシングの実績がございます。現状課題についてご支援できることがございましら、ぜひご連絡を頂ければと思います。



    参考)

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