Accenture innovation hub Tokyo blog

人材、テクノロジー、デザインをつなぎ、デジタル・イノベーションを創出するアクセンチュアの取り組みについて発信します。
January 15, 2020
アイデア×テクノロジーで未来はちょっとずつ良く+面白くなる。日本最大級のプロトタイピングコンテスト「MA2019 ヒーローズ・リーグ」と「GUGEN」レポート
By: 坂井田 大悟

仕事や生活の中で「課題」や「問題点」を意識するのは日常的なことだと思いますが、皆さんは、そうした問題意識にどのように接していますか?

「気になるなあ…」と思っていても何もせずにいるのか、「何か作ってみたら解決できるかなあ…」と考えて手を動かし、実際に何か作ってみているか。

あるいは、もっと純粋に「“もの”をつくりたい!」「“表現”をしてみたい!」という創作・創造への意欲をお持ちの方もたくさんいらっしゃると思います。

アイデアがあって、それを実現するテクノロジーを組み合わせ、まだ世界のどこにもないものを創る。もちろん、いきなり最終完成形ができるわけではなく、たいていは試作品を作り、試行錯誤を繰り返す…。

そうした作品の中から、未来の社会では普通になる、今の社会をちょっと良くしたり、ちょっと面白くしたりするものが生まれたら、純粋に楽しいと思いませんか。


アクセンチュア・イノベーション・ハブ東京を会場として、モノづくりの祭典が開催!

12月7日と8日の2日間、そうしたアイデアの具現化やものづくりを志す(そして楽しむ)人々のための祭典「FESTA(MASHUP AWARD ヒーローズ・リーグ + GUGEN)」がアクセンチュア・イノベーション・ハブ東京(AIT)の2フロアを会場として開催されました。

開発コンテストである「MASHUP AWARDヒーローズ・リーグ」*1 と、オリジナルハードウェアコンテストの「GUGEN」*2 は、それぞれの分野で日本最大級規模を誇り、年1回のペースで行なわれています。



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今年集まった作品は300以上。その中から、本年度の最終選考会とその発表が実施されました。昨年を上回る約650名のパッションを持ったクリエータやエンジニアが参加し会場は熱気につつまれました。アクセンチュアは会場提供や、独自の作品選定を行って「アクセンチュアテーマ賞」を授与しました。また、アイエムジェイの「すまのべ!チーム」からは、「みんなのいいねが集まる魔法のツリー」が出展され、会場の雰囲気をさらに盛り上げました。



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アクセンチュア賞受賞作品・最終候補作品を紹介する前に、今年のFESTAを見ていて感じたポイントが2つあります。それは「ソーシャルなテーマを扱う作品が増えた」「光る・音がでるなど、アート性のある作品が増えた」というものです。


テクノロジーで「身の回りの社会課題の解決」にチャレンジ

過去の同様のコンテストでは、「どう使えるかは置いておいて、とりあえず作ってみた」「すぐに生活で利用することはないが、個人の奇抜な着想が感じられる」というような作品をよく見かけたものです。

もちろん、今年のFESTAでもそうした作品はいくつもありましたが、全体的な傾向として「社会課題・問題意識から出発し、具体的な解決策としてもの(試作品)を作ってみた」という作品が増加したように感じました。

本年は、「純粋な技術への関心」に加えて、これまで皆が取り上げなかった困り事や、身の回りの社会課題にも目を向け、自ら、それらの課題解決に自分の技術やアイデアを使ってみるというケースが増えたのかもしれません。

つまり、人や社会に「役に立つものづくり」というトレンドが来ていると言えます。


光る! 動く! 音が出る! 「アート×テクノロジー」作品が増加

もう1つがアート性を持ち、デジタル技術を活用したメディア・アート作品の増加です。

最近はLEDの価格も安くなり、また通信、演算、発光等の出力を担うハードウェアやそれらの制御に使われるオープンソースのソフトウェア技術も多く、使いやすくなっています。

Team Labのような、アートとテクノロジーを融合させている人たちの作品を見てきた方々が「自分たちもそうした作品を作ってみよう」と思い始め、技術を使うだけにとどまらず、その表現、演出そして伝わり方までを磨いた作品作りにチャレンジする人が増えているのかもしれません。

つまり、ソフトウェアやハードウェアの調達、活用等のアクセシビリティが向上したことで、エンジニアリングで、その作品表現を工夫する余地ができた。ないしはアーティストのような作品表現に長けた方が、その表現を強調・拡張できる技術を使うようになってきたと感じています。

このアート性に合わせて「実用性」や「ソーシャル(社会課題解決)」などの観点がどう加わっていくのか楽しみです。


アクセンチュアテーマ賞は「街角のカラス問題」に取り組んだ作品に決定!

今年もスポンサーとして参加したアクセンチュアは、ヒーローズ・リーグで「アクセンチュア賞」を決定し、授与しました。

今回選んだ作品は、カラス撃退システム「busters」(アンモナイト)*3。街角のごみ収集ステーションを荒らすカラスへの対策を考案した作品です。



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開発された方々は、実は大手メーカーの研究者。これまでいくつも作品を発表してきて常連参加者です。今回の「busters」も、実は昨年に発表され、今年はさらなる磨きをかけてきて「実用化レベル」に近づいたと考えて、アクセンチュア テーマ賞として選ばせていただきました。

屋外に設置可能なしっかりした筐体は3Dプリンターで制作され耐候性も考慮していて、ごみステーションに飛来したカラスをその場で検知し捕捉(カメラ、RaspberryPiとtinyYOLOモデルを使用)、またLEDライトを制御しターゲットのカラスに光を照射。LEDの光に驚いたカラスを撃退するという仕組みです。自然光発電のため給電も不要。

しかも、カラスを検知すると写真を撮り、ユーザーのLINEへ送信。出現ポイントの地理データは地図に反映させてカラス出現ポイントをヒートマップで可視化するなど、IoTソリューションとして練られていたことも評価ポイントでした。

この作品はゴミ収集ステーションの問題に着眼していましたが、ゴミ回収の効率化や、家庭内分解、食事の適量把握や食材の保存の効果など、フードチェーンの適正化にまで広げられる作品だと感じました。

今後は、カラスは非常に知能が高いため、LEDライトに順応してしまう可能性もあり、ワンパターンでない対処なども考えているそうです。また、応用範囲の拡がりはカラスだけでなく、都市部のムクドリや畑の獣害など、動物に関連した様々な問題が深刻化している昨今、「busters」をすぐにでも検討したい自治体・行政関係者は多いのではないでしょうか。

発案者の方に話を伺うと、そもそもご自身の自宅周辺のごみ収集ステーションでカラス被害が多発しており、掃除当番の日に荒らされて散乱した生ゴミを片付けるのは、朝から気分の下がる作業だったとのこと。

カラスのゴミあさりによる、街の景観や衛生の悪化という「社会課題」と、ご自身がその場にいる「当事者意識」が今回の作品の背景にあることがよくわかる内容でした。


「アクセンチュア賞」選考を振り返って

今回「アクセンチュア賞」の選考にて、1次選考として選ばせていただいた作品の一部をご紹介します。



Kotonoha(Yamato Honda)*4


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画面の手前に用意された「穴」に言葉を吹き込むと、声が形となって現れ、画面上を自由に動き回るインタラクティブな作品。

Speech to Text技術をもとに、言葉たちが森の中を歩いたり、飛んだりするユーザインターフェース(UI)は秀逸ですし、言葉毎に変化する表現までレベルが高い作品でした。ずっと遊んでいられるような世界観に魅了されました。



ヒボたん ver.4 〜 移動式植物栽培ロボット 〜(チームヒボたん)*5


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「ヒボたん」は、明るさセンサーを搭載した自律歩行型ロボットです。より明るい場所を求めて屋内を歩き回る姿はとても愛らしいです。開発者の方にお話を伺うと、多脚型だからこそ実現した“歩く”動作が注目ポイント。とても生き物っぽくて面白いです。

過去にも出展されており、様々なアイデアや技術を試行錯誤しながら、継続的に改良・改善し続けている点も高く評価できました。



Magnet LED Ball(LED Ball)*6


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内側にLEDと電源、そして磁石を取り付けたボールの作品です。光るボールがくっつき、色が変わることで楽しめる、とても面白いアイデア作品です。

構造はシンプルで、なんとセンサーは不使用。3色LED(複数色に変化するLED)への電気入力の変化を利用して色を変化。構造がシンプルであることの美学を感じました。

今回はアクセンチュアのインダストリーX.0 日本統括、河野 真一郎からも展示を振り返り、その感想のご紹介で今回のレポートを締めくくりたいと思います。


企業内でイノベーションを「育てる」発想が日本のものづくりをより良くする

以下、河野のコメントです。

「何年か続けて見に来ていますが、全体のレベルが年々高度化していますね。

以前は「発明好きの方々の試作品」とか「尖った学生さんの発表作品」が多かったように思うのですが、最近は企業で研究開発をしている本職のエンジニアが社外でグループを組んで、本格的なプロトタイプを持ち込んでくる場面をよく見かけるように感じました。

ということは、大企業がもっと柔軟になり、そうしたエンジニアのアイデアをいろいろな形で吸収できる枠組みを整備できれば、日本がイノベーション大国としての地位向上・キープができるのではないかと思います。

みんなが「面白いものを作ってみた」という創意工夫、いわば「ノリでやってみた」部分をもっと自由に出し、いきなり現業のROIなどの実入りを求めるのではなく、個性とスキルを発揮できる企業文化になれば、日本のものづくりがもっと飛躍できるような印象を持ちました。

これからもアクセンチュアはこうしたエンジニアリングのイベントを応援するとともに、スタートアップ企業や開発者のみなさんとのコラボレーションを推進し、日本の『モノづくり』を支援します。」



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*1「Mashup Awards (MA) ヒーローズ・リーグ」https://hl2019.we-are-ma.jp/
*2「GUGEN」https://gugen.jp
*3 カラス撃退システム「busters」(アンモナイト)
https://protopedia.net/prototype/24f0d2c90473b2bc949ad962e61d9bcb
*4 Kotonoha(Yamato Honda)
https://protopedia.net/prototype/4ba29b9f9e5732ed33761840f4ba6c53
*5 ヒボたん ver.4 〜 移動式植物栽培ロボット 〜(チームヒボたん)
https://protopedia.net/prototype/a00e5eb0973d24649a4a920fc53d9564
*6 Magnet LED Ball(LED Ball)
https://protopedia.net/prototype/6492d38d732122c58b44e3fdc3e9e9f3

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