Accenture innovation hub Tokyo blog

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December 20, 2018
テクノロジーで「未来の新しい普通」を作ろう。日本最大級のプロトタイピングコンテスト「MA2018 ヒーローズ・リーグ」と「GUGEN」レポート
By: 坂井田 大悟

皆さんは「ひらめいたアイデア」をどのように形にしていますか?

誰かの生活をより良くしたい、ビジネスに貢献したい、地域ないし社会の課題を解決したい……そして、“創りたい”という熱意をもって日々コードを書いたり、UIを作ったり、電子工作したりしていますか?

いつも目にしている日用品やツールも、テクノロジーを加味することでまったく新しいプロダクトに生まれ変わります。

たとえば、カセットテープやホウキ、サンバイザー、下敷き、ルービックキューブ、空調のダイアル。

音楽を楽しめる新しいインターフェースとしてカセットテーププレーヤを再利用したり、魔法使いのようにホウキに乗って移動できたりしたら楽しいですよね。“おばちゃん”がよく使っているサンバイザーも、テキストを表示して新しいコミュニケーション手段にするなんてアイデアも、最新テクノロジーを注入することで実現できます。

あるいは、下敷きにIoTデバイスを入れてユーザーの「寝落ち」を検出し、寝すぎる前に光と音で起こしてみる。小型アクチュエータを駆使し完全自動でルービックキューブを解く、またはダイアルを回すというアナログ操作のツールを使って、利用者にとって最適な室温の合意を形成する。そういったアイデアを実際に形にして発表し、審査され、優秀作品は表彰される2つのプロトタイピング・コンテストが12月2日、AITを会場として開催されました。

1つは開発者コンテスト「Mashup Awards (MA) ヒーローズ・リーグ」*1。様々なデバイスやAPI、ハードウェア、技術をMashupするだけでなく、人や企業もMashupしてモノづくりの楽しさを生み出す大規模イベントです。

もう1つはオリジナルのハードウェアのコンテストである「GUGENコンテスト」*2。どちらも日本最大級のイベントであり、その分野における日本を代表するコンテストです。



2つの日本最大級の開発コンテストをAITで同時開催 


この日、AITに集結した開発者は約500人。学生、若きデザイナ、エンジニア、起業家だけでなく、“発明好き”なシニアや、iPadを手に持った小さなお子さんと一緒のご夫婦まで、エンジニアリングや“モノづくり”に関心のある幅広い年代の方々が参加しました。

参加者は全員、なんらかの形でソフトやハード、あるいはサービスの開発に関わっている方々ばかり。「アイデアを形にする」という共通の価値観が化学反応を起こして、AITにはクリエイティブなエネルギーがみなぎり、熱気で溢れかえっていました。

MA(マッシュアップアワード)は、これまでにもユニークな場所を開催会場として選んでいることでも知られています。今回はAITが会場に選ばれたことで、多くの来場者にアクセンチュアが「新しいことに積極的に取り組んでいること」を知っていただけたと思います。

アクセンチュアは「MA2018ヒーローズ・リーグ」にゴールドパートナーとしても参加しました。200を超えるエントリー作品と当日の展示の中から、1次選考を実施。その後、当社インダストリーX.0日本統括、河野 真一郎にて最終的に1作品を「アクセンチュア賞」として決定しました。


  • 「アクセンチュア賞」選考を振り返って

今回「アクセンチュア賞」の選考にて、1次選考として選ばせていただいた作品の一部をご紹介します。


Cassettify

デジタルカセットテープ。カセットテープにWi-Fiチップ、バッテリーを組み込み、インターネットからストリーミング受信した音楽をカセットデッキで再生できるデバイス*3
昔懐かしいカセットデッキをユーザ・インターフェースとして活かし、スマートフォン以外の音源を提案した点、テープの躯体にデジタル音源を届け、アナログ磁気に変換、自然な音に聞こえるよう調整した点を評価しました。


 

Ext-broom-mini

ホウキ型モビリティ。ローラーシューズとモータによって動力を補助し、よりホウキらしさを追求した外観と、スマホからの操作機能を搭載*4
新しい移動手段として面白そうなプロダクト。駆動部分の小型化によって、公共交通機関で運搬可能なサイズ、ホウキ以外の形状にアイデアが広がりそうだと感じました。


 

全自動ルービックキューブ

自動で面を揃えてくれるルービックキューブ。遊ぼうと思ってイジったら二度と元に戻せなくなったパズル難民を救済するデバイス*5
各列の回転させた位置を記録し、適切にモータを制御することによって、崩された面を戻す点や、各機構の小型化によって、通常のルービックキューブと見分けが付かない点を評価しました。


 

Shake Hands, Make Friends

“友達になる楽しみ”を拡張表現するディスプレイ。子どもたちの遊びをより「カラフル」にし、仲良く遊べる機会を創出するデバイス*6
日々私たちのコミュニケーションはスマートフォン等の非対面形式が主流となっていますが、友達と会って緑色、赤色等に発光する腕時計型のデバイスを身に着け、それを「フルフル」すると、それぞれのデバイスの色が変わり、友達になればなるほど白色になるのがこのデバイスの特徴です。デバイスを持っている全員と友達になると、“宝”と呼ばれる宝玉のようなデバイスが虹色に発光するなど、人との関係性構築を、楽しく見える化している点を評価しました。


 

dialogue -合意形成するダイアル-

つまみのようなダイアル形式の合意形成装置。複数の人がひとつの共通値を探すのをサポートするデバイス*7
例えば、オフィスの空調を複数人が利用していて調整したいケースで、一人の利用者が「暑い」とダイアルを回すと、他の利用者は「暑くないよ」とダイアルにトルクをかけフィードバックを返してくれることで、利用者の均衡を促す点を評価しました。

この中から作品の着眼点、実装力や実用性等の観点で評価。各プロトタイプの詳細を念入りに確認し、最終的にアクセンチュア賞として、合意形成を支援するデバイス「dialogue -合意形成するダイアル-」に決定しました。
この作品が、複数の人がモノをシェアする時代の課題を解決しようとしている事、解決方法は日本特有の「すりあわせ」をプロダクトに落とし込んだかのような、まさにこの国の製品という独自性を帯びている事、今後は、ビルの空調温度基準のような環境要件や年齢・性別といったユーザ特性を組み入れてつくり込みが期待できる事などを特に評価しました。


 

選定理由:河野の当日コメントより

「今回のエントリー作品のなかで、『dialogue -合意形成するダイアル-』は最も“日本人らしさ”を感じる作品でした。今後、異文化コミュニケーションの重要性が東京オリンピックに向かって高まっていきます。この作品からはIoTとAIの両面で、ノンバーバル(非言語)の合意形成における高い可能性を感じました。製品としてブレイクすると思います」


開発者コメント

「dialogue -合意形成するダイアル-」を開発した鈴木 慶太さん(名古屋工業大学 大学院 工学研究科 社会工学専攻)と坂元 律矛さん(名古屋工業大学 情報工学科 知能系)に開発の経緯と受賞の感想を伺いました。

「ダイアルはUIとして視認性が高く、人が操作する上でも『現状からどう変えたいか、どの程度変えたいか』という差分を捉えやすいツールです。“ツマミを回す”という動作から、今の時代に合う価値を再発見できるのではないかと考えました」(鈴木さん)

「学生も、学生ならではの着眼点やアイデアでいいモノを作ることができます。しかし産業界と結びつくことが難しいのが実情で、 “コンテストに出て終わり”になりがちです。しかし、こういったイベントにアクセンチュアさんに参画いただくことで、学生発のプロダクトを現実的・ビジネス的な視点で捉えたり、アカデミック以外の視座で製品・サービスを評価していただけたりすることで多くのフィードバックを受けられます。今回は賞をいただけただけでなく、多くの学びも得ることができ、非常に感謝しています」(坂元さん)

坂元さんと鈴木さんは、このようなイベントに参加することで技術的なフィードバックを1日で多く得られたことを振り返りつつ、「このプロダクトの良さや潜在的価値を一瞬で見抜いてくださったのはアクセンチュアさんでした。鋭いご意見をいただくことができ、感激しました」と話しました。



大事なことは「自分らしく作る」。未来の「新しい普通」を作ろう 


続いて行われたGUGEN2018授賞式では、最優秀賞としてStudio Play foolさんの「Knotty」*8が発表されました。

優秀賞は「elet - 簡単電気共有プラットフォーム」*9「小型軽量の小児用電動義手」*10の2作品が受賞しました。

GUGEN審査員の林 信行さんは、審査を通じて得た感想として、次のように講評しました。「GUGENに応募する作品の質がこの2〜3年、急上昇しています。“未来の普通を作る”というGUGENの想いが体現されているように感じました」(林さん)

イベントの閉幕前のキーノートセッションには山本大策さん(株式会社レレレ代表取締役)が登壇。山本さんは「開発者にとっての『ものづくり』の意義」について次のように語り、開発者へエールを送りました。

「大事なことは『自分らしく作る』ことです。ものづくりを通じて、開発者としての『生きがい』を感じてください。自分が企画するサービスは、自ら道やルールを決め、その価値を世の中のユーザーへ届けることができます。趣味であれ、本業であれ、副業であれ、ぜひ次へ次へと続ける意識や、『開発を一生続けていくんだ』という意識を持って作り続けてください」(山本さん)

これからもアクセンチュアはこうしたエンジニアリングのイベントを応援するとともに、スタートアップ企業や開発者のみなさんとのコラボレーションを推進し、日本の『ものづくり』を支援します。


 

*1 Mashup Awards (MA) ヒーローズ・リーグ https://ma2018.we-are-ma.jp
*2 GUGENコンテスト https://gugen.jp
*3 Cassettify https://protopedia.net/prototype/d9731321ef4e063ebbee79298fa36f56
*4 Ext-broom-mini https://protopedia.net/prototype/d961e9f236177d65d21100592edb0769
*5 全自動ルービックキューブ https://gugen.jp/entry2018/2018-050
*6 Shake Hands, Make Friends https://protopedia.net/prototype/ae614c557843b1df326cb29c57225459
*7 dialogue -合意形成するダイアル- https://protopedia.net/prototype/c59b469d724f7919b7d35514184fdc0f
*8 Knotty  http://studioplayfool.com/projects/knotty
*9 elet - 簡単電気共有プラットフォーム  https://gugen.jp/entry2018/2018-033
*10 小型軽量の小児用電動義手 https://gugen.jp/entry2018/2018-037

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