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August 03, 2016
開設以来問い合わせ殺到中のデジタル・ハブ!シンガポール最大手のスーパーマーケット「NTUC FairPrice」来訪!
By: 渡邉 友紀

デジタル・ハブで「つながり」と「コラボレーション」を実現

デジタル・ハブに到着したNTUC FairPriceの皆さんを最初に出迎えたのは、アクセンチュアでオープンイノベーションを担当する坂井田大悟。坂井田がまず説明したのが、この施設が「イノベーションに関わるプレイヤーの『つながり』と『コラボレーション』を実現するためのもの」ということです。


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イノベーションに関わるプレイヤーとは、スタートアップ企業、大企業、そして社会のこと。この三者がつながり、コラボレーションすることで、イノベーションが促進されるのです。



その後は、施設内の簡単な紹介が行われました。ワークショップエリア内の「右脳部屋」「左脳部屋」は、右脳と左脳の連鎖でひらめきを生み出そうとしているコンセプトで設けられました。博士号保持者を含むデータサイエンティストが在中しており、ここでプロフェッショナルな分析が体験できる点もアピールしました。また、顔認証システムで一部の人のみしか入室を許可されていないセキュリティオペレーションセンターもあり、坂井田は、デジタルの柔軟性とセキュリティを共存させる必要があることを強調しました。


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デジタル・ハブで具体的に行われていることとしては、今回のようなツアーやイベントを通じてイノベーションのあり方を肌で感じてもらうこと、そしてワークショップやビジネスマッチングなどによって関係各社のつながりを深めることなどです。今回の訪問者であるNTUC FairPriceのような大企業はもちろん、起業家や教育関係者などさまざまな人がデジタル・ハブを訪問しており、実際にこの場でアイデアを出し合い、ビジネスに結びつけようとすることもあると坂井田は説明しました。


「体験」を提供する新サービスのデモに注目

続いて行われたのは、ビジネスを一歩先に進めるためのヒントが得られるワークショップエリアの説明です。紹介にあたったのは、イノベーション・ラボ担当の坂田英宣。坂田は、「多くの企業はいま、サービスや商品ではなく『体験』を提供したいと考えているものの、何をどうすればいいのかわからないのです。その手法をここで学ぶことができます」と説明します。


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坂田は、新サービスを市場投入する際の事前調査について説明するとともに、調査後のプロトタイピング、そしてソリューションに至るまでのステップを解説しました。

「デジタル・ハブでは、各スペシャリストが持つバイアスを打破したいと考えています。スペシャリストは、スペシャリストであるがゆえに限界が見えてしまいます。ただ、その限界に対するバイアスを打破しない限り新サービスは開発できません」と坂田は主張します。

次には、「体験」を提供するサービスのデモが紹介されました。まず1つ目がトラベルデモです。これは、LINEを利用したデジタルカスタマーサービス。例えば、ユーザーがLINEを通じて旅行会社に「疲れた」という状況を送ると、旅行会社から「リラックスするためにこのビーチはいかがですか?」といったレコメンデーションが送られてくるのです。


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こうしたやり取りを通じて旅行のプランが決まると、プラン内容が自動的に予約されます。その後旅行会社から、デジタルコンシェルジュアプリをダウンロードするようメッセージが届きます。このアプリは、予約したプランを確認したり周辺情報を入手したりできるもの。また、空港からホテルまでの交通手段を確保することや、到着先のホテルではアプリをデジタルキーとして使うことも可能です。

NTUC FairPriceの参加者たちは、このアプリに高い感心を寄せていました。坂田は、「地元の店舗やレストランと協力し、アプリを通じて地元のショップ情報を流すことが可能だ」と説明。参加者たちは、旅行会社を介さなくても宿泊者にアピールできる点を高く評価したようです。


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ただ、アプリがデジタルキーになるという点については、「Wi-Fiにうまくつながらないと部屋に入れないのでは!?」との質問も。参加者からの笑いを誘ったこの質問には、「大丈夫。一般的な鍵も用意されていて、追加でデジタルキーが使用可能になるというだけです」と坂田が回答。参加者たちも納得した様子でした。

このほか、アパレルショップ向けの服装レコメンデーションおよびデジタル試着室のデモや、新サービス開発の際にコンシューマーの声をソーシャルメディアから直接収集するソーシャルアナリティクステクノロジーのデモなども行われました。


海外の人も驚く日本の若者の課題とは

ツアーの最後は、オープンイノベーションの中でもソーシャルシフト部門に所属する高橋智子が登場。日本の若者が直面している就労に関する課題を説明するとともに、その解決に向けたアクセンチュアの取組みを紹介しました。


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高橋は、まず冒頭で日本の若者に関するある数値を示しました。それは、学校を卒業して不安定な職に就く若者の割合が51%であること(※1)、65歳以上の平均所得が年349万円である一方で、若者の平均所得は年250万円と低いこと(※2)、憂鬱だと感じている若者が78%も存在すること(※3)、そして自分に価値があると感じている若者は7.5%しかいないということです(※4)。

こうした状況にもかかわらず、政府の若者への対策は十分に実施されていないのが現状です。国家予算の32%が高齢者対策に割り当てられている一方で、若者や子どもに対する国家予算は全体の3%に過ぎないのです。しかも、就労サポートに対する予算は、さらにそのなかの3%しかありません(※5)。

そこでアクセンチュアでは、雇用のマッチングによる就労支援やトレーニングを行っているほか、起業家支援にも取り組んでいます。また、こうした取り組みを広げるためにはコミュニティの協力が不可欠だとして、地域市民とともに課題を把握し解決するためのサイト「Local Good」を立ち上げました。

Local Goodでは、課題をTwitterなどの投稿によって地域別にマッピングし、クラウドファンディングを利用してプロジェクト化し、解決する仕組みです。またイベントを開催するなどして地域住民とのつながりを深めています。

高橋のプレゼン内容、特に冒頭で示した数値にNTUCの参加者たちは大きなショックを受けたようでした。参加者からは次々に「どうして日本の若者はそんなに落ち込んでいるのか?」「高齢化問題が大きいせいで、若者の問題が無視されているのか?」「自分に価値があると思っている若者が7%しかいないなんて恐ろしい!」と、次々と日本の若者を危惧する声が上がりました。


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こうした声に対し、高橋と坂井田は、「将来に期待が持てないことや、親、上司、同僚から認められないこと、周りに良いロールモデルがいないことなどで、若者が落ち込んでいる可能性が高い」「日本では、年長者を敬う文化があることも影響しているのだろう」と答えましたが、参加者たちは最後まで懸念の表情を浮かべ、「私が若い頃、日本は非常に勢いのある国でライジング・サンと呼ばれていた。いったい日本はどうなってしまったんだ?」「完璧な国と思っていた 日本ですら課題に面していて、シンガポールでも早急に取り組まなければ」「(発表で紹介してくれた 日本の数値に対して)シンガポールでは、将来に希望を抱けない若年層の統計ですら存在しないじゃないか、なんてことだ」「俺たちもアクセンチュアさんの知恵を拝借して、質問しているだけでなく自分たちで今すぐ考えようぜ!」という意見も飛び出しました。

日本全体の若者の課題を改善するために、アクセンチュアができる支援は少しに過ぎません。それでもアクセンチュアでは、このような活動を通じて若者により多くの機会を提供したいと考えています。そして、若者が明るい未来を描けるよう、今後も取り組みを続けたいと思います。

NTUC の皆さん、このたびはデジタル・ハブにお越しいただき、そして貴重なご意見をいただき、ありがとうございました。デジタル・ハブは、国内のお客様はもちろん、海外の大企業、スタートアップや自治体の活動がつながり、オープンイノベーションを実践する場です。幅広くドアを開放していますので、ご興味を持たれた方はお気軽にご連絡ください。

【出典】

※1:2011年(平成23年)学校基本調査

http://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/chousa01/kihon/kekka/k_detail/1315581.htm

http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?bid=000001037174&cycode=0

※2:厚生労働省 国民生活基礎調査H25より

※3:子供若者白書H26

http://www8.cao.go.jp/youth/whitepaper/h26honpen/tokushu_02.html

※4:財団法人日本青少年研究所 2011年 高校生の心と体の健康に関する調査-日本・アメリカ・中国・韓国の比較ー

http://www1.odn.ne.jp/youth-study/reserch/2011/tanjyun.pdf

※5:国税庁 一般会計予算の内訳より当社が算出


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