世界最大級のスタートアップイベント「Slush Tokyo 2017」が、2017年3月29日-30日に東京ビッグサイトで開催されました。参加者は5,000人に達し、過去最高の動員数になりました。アクセンチュアは今年もスポンサーの1社として出展しましたので、昨年に引き続き、当日の模様をお届けします。

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スタートアップ×アクセンチュア ブースエリア

今回の「Slush Tokyo 2017」でアクセンチュアは2つのブースを用意しました。1つは、トリプル・ダブリュー・ジャパン株式会社(以下、トリプル・ダブリュー社)のデモエリア。もう1つは、一般社団法人未踏(以下、未踏社団)が支援しているスタートアップの技術を紹介するエリアです。

「DFree × Accenture」

トリプル・ダブリュー社は超音波によって排泄のタイミングを予測するウェアラブルデバイス「DFree」を開発しています。DFreeとは、「Diaper Free」のこと。つまり、DFreeによっておむつから解放されることを意味します。DFreeを下腹部に装着することで、超音波がおなかのなかで何が起こっているのかを把握し、排泄の予兆を知らせるという画期的なデバイスです。アクセンチュアは、この技術やアイディアを活用して、顧客とともに医療・ヘルスケアの分野における新規サービスを開発していています。

実はトリプル・ダブリュー社とアクセンチュアの出会いは、一昨年のSlush Asiaがきっかけでした。2015年の第1回Slush Asiaにてアクセンチュア推奨スタートアップとして展示を行いました。昨年2016 年には両社の協業を発表。横浜市にある特別養護老人ホームで共同実証実験を行いました。 今回のSlush Tokyoでは、実物を展示してデモを行いました。デモを見た参加者の人からは、「これまでに膀胱の状況を測定する機械はあっても、排泄の予測するものはなかったと思う。デモを見ると、画期的なものだとわかる」というコメントがあったようです。

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「Mitou Foundation × Accenture」

未踏社団は、創造的人材を多角的に支援し、業界横断的なネットワークをつくることで、ITを中心としたイノベーションを加速することを目的に設立された社団法人です。
未踏社団とアクセンチュアは、今回のSlush Tokyo 2017に向けて、7社のスタートアップを厳選しました。

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■家族をつなぐコミュニケーションロボット
ブース前を歩いていて目を引く不思議なキャラクターは、ユカイ工学が開発したコミュニケーションロボット「BOCCO」。BOCCOは家庭内に設置して利用します。子どもが帰宅すればドアの開閉をセンサーが感知し、仕事中や外出中の両親のスマートフォンに通知が届きます。それに対し両親は、「おかえり」や「今買い物中なのでもうすぐ帰るね」といったボイスメールやテキストメッセージを送信、するとBOCCOが子どもに音声でメッセージを伝えます。また、子どももBOCCOに話しかけることで、両親に音声メッセージが送れるようになっています。

■ドクターQ:医師と患者を繋げる
「患者が来院しなければ医師は彼らの経過を知ることができない」。この課題に対して、解決策を提示するのが、株式会社Augrimです。Augrimが開発したソフトウェアは、診断時の会話を自動的に要約・保存します。後日、Lineを活用して自動問診を実施。それを医師に報告する仕組みになっています。「患者も医師も幸せになるソフトウェアです」と自信に満ち溢れた様子です。

■未来の機械たちのための「聴覚」プラットフォーム mimi
mimi® は、ディープラーニング技術に基づく、音声情報処理のためのクラウドプラットフォームです。一見、ロボットはその外見に目が行きがちですが、実は裏側の仕組みが重要だと言います。人間とロボットのコミュニケーションをより自然にするために必要な様々な認識機能を提供しています。mimi®の特性としては、人間の聴覚と同等の機能をクラウド上に再現するところにあり、音声の認識速度を人間同士の会話と同等のレベルまで高めているところにあります。

■振返りやすいボイスメモアプリ
「せっかく録音したのに、確認したいところがすぐに見つからない」という悩みに解決策を示すのが、筑波大学に所属する藤坂 祐史氏が開発したボイスメモアプリ「Recoco」です。Recocoを使えば、録音と同時にリアルタイムで自動的に文字起こしが可能になります。仕事の打ち合わせのときにも、これを使えば議事録を簡単に取れると思いました。参加者からも、「どうして、こういうアプリがこれまでなかったんだろう?」というコメントがあったようで、まさにユーザの求めるものを具現化したアプリです。

■低性能マイコンでも実現する、オープンソースIoT開発フレームワーク
MakeStackは、IoT (Internet of Things)が浸透しきった世界で多くのデバイスを制御するためのプラットフォームです。これは、Ruby on RailsでWebアプリを開発するかのように、直感的なAPIでのコーディング、リモートデプロイ・デバイス管理を低性能マイクロコンピュータでも実現することが出来る、オープンソースIoT開発フレームワークです。温度センシングやリレーの遠隔操作など、従来はRaspberry Piなどを使用していたところ、より低性能・低消費電力のボードで遠隔制御することが可能です。

■構造モニタリング 無線振動計測システム
ソナス株式会社が開発したのは、橋脚や建物等の保全管理に活用できる、高品質・高精度な無線計測システムです。センサーを用いた多点計測においてもデータロスがなく、高精度に時刻同期の取れた高品質な計測を、無線機どうしがデータをリレー方式で送り受けする、マルチホップ無線で実現しました。単1電池を搭載することで、2ヶ月間の連続計測、20年間の無線送受信に備えるトリガ待機を実現しています。お客さまの反応も上々で、これから導入が始まっていく模様です。

■世界初 秘密分散機能を搭載したSoftware-Defined Storage
IzumoBASE株式会社は、最先端のストレージソリューションを提供します。「今、ストレージが熱い」と意気込む彼らのストレージは、巨大で高価、さらに筐体が故障したときの影響が計り知れないという従来のストレージの問題点を解決するものです。ハードウェアベンダーに依存することがない拡張性・可用性を実現。さらに、データを複数のピースに分割し、一定数量のピースが集まらないとデータ復元ができないという秘密分散機能により、高いセキュリティ性を実現しています。

アクセンチュアは、これからも未踏社団・スタートアップと協業して、新たなイノベーションを発信していきます。


Main Stage

まるでコンサートのようなオープニングで始まったMain Stageでは、60人を超えるスピーカーが登壇。初日の29日は、株式会社テラスカイの役員を務めるジェイソン・ダニエルソン氏とラクスル株式会社の松本恭攝氏の働き方に関する対談は多くの聴衆を集めました。
2日目のオープニングに登壇したのは、日産・ルノー自動車のCEO兼会長であり、三菱自動車の会長も務めるカルロス・ゴーン氏。満席になった会場で、自動運転技術の未来について語りました。

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Pitching Stage

Slush Tokyoの目玉の1つであるピッチコンテストには、最大規模の80社がノミネート。たった3分間で自社サービスを売り込まなければいけないという緊張感は、見ているこちらにも伝わってきます。日本のスタートアップだけでなく、国内外から80ものチームがノミネートしたとのこと。勿論、ピッチとQ&Aは全て英語でした。ファイナリストには4社が選出され、点字スマートウォッチ・タブレットを開発した、韓国のスタートアップ「dot」が優勝しました。

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Slush Café / Dialogue Stage

メインステージに登壇したスピーカーに質問できるSlush Café。日本向けにBUREIKO(無礼講) Lunchという企画が設けられ、「敬語の使用禁止」というルールのもと、起業家や投資家が対話するセッションが設けられていました。

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Slush Tokyo 2017を終えて

今年で3回目の開催になった、Slush Tokyo 2017。昨年のSlush Asia 2016より、会場も広くなり、参加者も増え、よりパワーアップしたスタートアップの祭典を体験することができました。また、本年度のひとつの特徴としては一歩先のテクノロジやサービスが会場内に見られたことがあります。例えば、完全にIoTやロボティクスが行き渡った世界でのインテグレーションや通信・制御技術です。ここに集まった人たちが、これからの世界を引っ張っていくのかもしれません。
来年の開催も今から楽しみです。

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