日本最大級のデザインカンファレンス「Designship 2019」にFjord Tokyoメンバーが登壇!
2019/12/11
2019/12/11
「Designship」は様々な業界の第一線で活躍しているデザイナーが一堂に会する日本最大級規模のデザインカンファレンスです。11月23〜24日の2日間、東京国際フォーラムで開催された「Designship 2019」にFjord Tokyoも出展参加したほか、Fjord Tokyo共同統括の番所浩平とエドアルド・クランツが講演を行いました。
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「生活体験の向上と日本ブランドの再興」を目指すFjord Tokyo
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「We design for Human Impact。これが私たちFjordのミッションです。人々の生活体験を向上させることで、お客様企業の企業価値を高めます。企業の価値とは売上などの業績だけでなく、その企業が持つブランド価値やブランド認知度によっても測ることができます。Fjordは世界33カ所の拠点で働く1,200名のデザイナーやエンジニアがワンチームとなって企業のブランド価値の向上を推し進めています」
11月23日の講演に登壇したFjord Tokyoの番所浩平は、このようにFjordの概要とミッションを来場者へと説明しました。
33番目の拠点であるFjord Tokyoには、特に「日本企業のブランド価値向上」、言い換えるなら「日本ブランドの再興」を目的として、グローバルから第一線で活躍しているデザイナーが集結しています。
「いま、あらゆるモノがデジタル化されたことによって、業界や産業の垣根は破壊されてきています。新しいビジネスモデルも生まれ、テクノロジーは、人々の生活や体験をより良いものへと変化させつつあります」。同時に登壇したエドアルド・クランツは、このように話した上でテクノロジーを効果的に取り入れている企業には3つのタイプがあると説明しました。
1)効率化によって、人間にかかっていた「労力」を削減していく。各種のWebサービスや電子マネーを使った決算処理の迅速化などがその代表例です。
2)人間+マシンの相互補完によって、人間のポテンシャルをさらに高める。「ひと+AI」の組み合わせ例として「ガンの検知率向上」などの取り組みが進んでいます。
3)人々をつなげ、感情を動かしていくような場面でテクノロジーを効果的に活用している企業が増えています。
番所とエドアルドは続いて、「人々の生活をより良くする」ことを掲げるFjordが実際に手がけた、それを体現するような代表的な事例を紹介しました。これらの事例は会場のFjordブースにもパネルが展示され、Fjord Tokyoのスタッフがそれぞれ解説担当となって来場者に説明を行いました。
事例紹介
講演では直近のFjordを代表する、3つの事例が紹介されました。
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1)世界最大規模の豪華クルーズ客船運航企業「Carnival」
Carnivalは、世界最大級のクルーと100船以上の船を保有する米英のクルーズ企業。同社における、ゲストとクルーにとってのエクスペリエンスをFjordが刷新した例です。
乗船したゲストはウェアラブルデバイス「メダリオン」を装着。メダリオンとモバイルアプリが連携され、個別のゲストを認証します。船内でのイベントスケジュールがお知らせされたり、レストランやブティックでのお買い物ができたりと、「メダリオン」は財布やルームキー代わりとして機能し、ゲストはクルーズ旅行中、現金や鍵に煩わされることなく、シームレスな船上体験ができるようになります。Fjordは、この体験全体の構想から、実際の物理的なデバイスまでデザインしました。
メダリオンはマグネット式で装着しますが、通常、マグネットはセンサーと物理的に相性が悪いという特徴があります。ですが技術的に困難でも、「紛失防止に効果がある」「カチッと止まるフィーリングが快感を生む」といった点で妥協することなく、細部まで手をかけた高品質な仕上がりとなっています。
このような細部のこだわりの積み重ねによって「美しいエクスペリエンス」を実現した事例となりました。
2)オーストラリアの大手通信キャリア、Telstra(テルストラ)のサブブランド「Belong」
これまで、Telstraがあまりリーチできていなかった顧客層を獲得するため、同社ではサブブランド「Belong」を立ち上げました。
この事例においてFjordは、Belongのデジタルサービスの検討と実装、そしてBelongというブランドをデジタルブランドに昇華させるまで、幅広く担当しています。
Telstraでは当初、マスメディア向けのブランディングなどはありましたが、逆にいうとそれ以外にはブランド展開を準備していませんでした。Fjordは、デジタルチャネルにおいてブランドをどのように表現するか、細部に至るまで設計し、Web展開やモバイル展開におけるブランディングの一貫性、ユーザー体験の統一感を実現しました。
ユーザーとのあらゆるタッチポイントでの体験の積み重ねが「ブランド」を築き上げます。サービスをローンチさせるだけでなく、立ち上げたあとも継続的に体験をアップデート・統一させることで、ブランド価値を引き上げています。
3)社会問題の解決に挑戦しているカンボジアのNGO団体「Good Return」
デザインの力で世界的な社会問題の解決に貢献している事例です。
カンボジアには個人経営商店の家庭が多数ありますが、識字率が低く、そうした市民の多くは金融知識を持っていません。ゆえに、モノが売れても管理がずさんなため、小規模商店を経営している個人の多くが貧困から脱出できず、また、そうした背景による家庭内暴力などの社会問題もあとを立ちませんでした。
Fjordのチームは実際に、カンボジア現地の、実際のユーザーである家庭に赴きました。「誰が使うのかを理解しなければ、真に目的を達成するサービスは作れない」という思想のもと、リサーチを重ね、4ヶ月間で9回もの回数、プロトタイプの修正を重ねました。
たとえば、文字を読めないユーザーのために、「預金する」「預金をおろす」といった概念をアイコンで表現することで、真の意味で誰もが使えるサービスを作りました。1つのシンプルなアプリではありますが、だからこそ幅広いユーザーが利用でき、コミュニティ全体での金融知識が底上げされ、結果的に社会問題の解決に貢献しています。
Fjordは、そのブランドが社会に対してどのような影響を与えるのかをよく考え、吟味し、どのような価値を提供するかの戦略から描いています。その戦略にアラインする形でサービスを作り上げ、世界へ向けて発信するとともに、ローンチ後も継続的なブランド体験を改善しています。
このように、ストラテジー、デザイン、アクティベーションの3つを組み合わせることで、Fjord Tokyoは、人々から継続的に愛されるブランド体験を日本から発信していきたいと考えています。
<参考リンク>
Fjord Tokyoについて:https://www.accenture.com/jp-ja/services/digital/interactive-fjord-tokyo
Fjord Tokyoインスタグラム
IMJ BACKYARD記事<Designship2019レポート|Fjordが考える、今 ”デザイン”が担うべき役割とは?>:https://backyard.imjp.co.jp/articles/Designship_report_2019