アクセンチュアはSAPジャパンの協賛の元、「デジタル変革期におけるイノベーションの創発」をテーマとするセミナーを開催しました。

あらゆる業種・業界のお客さまにおける課題が「いかにしてデジタルトランスフォーメーションを実現し、変革期に勝ち残るか」である今日のビジネスシーンにおいて、お客さまがビジネス成長を維持するには、スピードとアジリティを両輪とするイノベーションの創発が不可欠です。

今回のセミナーでは激しく変動するこの時代に企業が取るべき姿勢や考え方を学ぶだけではなく、SAP Leonardoをいかに活用していくかの事例紹介や、イノベーションを創発するフレームワークとしてデザインシンキングの一端を体験できるような参加型アクティビティなど、盛りだくさんの内容でした。

●日本企業の成長のキーとなる、守りと攻めのITとは?

福田 譲氏(SAPジャパン代表取締役社長)は「今は“複数のバージョンの自分”が求められる時代。ジレンマを克服し、殻を破ることが必要です」と切り出し、「SAPも変わりました。すでに業務アプリケーション以外の事業が売り上げの50%以上を占めるまでになり、お客さまとの共同イノベーション事業も増えました」と話します。

「日本の経営者の多くがイノベーションとインベンションを混同しています。両者は区別されるべきものです。イノベーティブな事業の90%は、55種類のビジネスモデルの組み合わせで成立しています。SAP Leonardoは、そうしたイノベーションを実現するための部品箱のような存在です」と指摘します。

SAPは現在、イノベーションの実現には守りと攻め、2種類のITが必要だと提唱しています。
企業の成長を停滞させないためにも、これからのビジネスにおいては、この「守り」と「攻め」の一体化が必要です。

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●Accenture Liquid Studio for SAP Leonardoが生みだす価値

アクセンチュア テクノロジーコンサルティング本部 SAPビジネスインテグレーショングループ統括の増野雄一郎は、「SAPの新しいアプローチは、アクセンチュアの仕事との親和性をより高めています」と述べ、両社がより緊密にビジネスを推進していくことを説明します。

「お客さまと協働し、デザインシンキングなどの手法でクイックにアイデアを生み出してブラッシュアップするアクセンチュアの方法論は、その過程においてSAPのプラットフォームを活用します。これにより、迅速にプロトタイプへと落とし込んでいくことが可能となります」

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続いて登壇したアクセンチュア デジタルコンサルティング本部 インダストリーX.0日本統括の河野真一郎は、インダストリーX.0の世界観を次のように説明します。

「『デジタルカスタマー』と『デジタルエンタープライズ』を、それぞれX軸・Y軸に取って平面上に展開すると、両者の間に『デジタルビジネス』が現れます。これがデジタルトランスフォーメーションのフレームワークです。今後は新しいIoTバリューチェーンが業界のゲームチェンジャーとなるでしょう。経営者は日本企業の得意とするアプローチと、デジタル企業が得意とするアプローチの違いを理解し、そのうえで、日本型『ものづくり』アプローチと欧米の『設計型アプローチ』が異なることを把握しながら自社のビジネスモデルを変革していくことが求められています」

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●新たなビジネスバリューを生みだすための新メソッド「D-OODA」

SAPジャパン バイスプレジデント チーフカスタマーオフィサー 兼 デジタルエコシステム統括本部長の大我 猛氏は、SAP Leonardoを「イノベーションを起こすためのツールセット」と表現します。「これまでのビジネスのテーマは『Why』、『What』と来て、今は『デジタル化』に至りました。次は『How』が課題となります。新旧のテクノロジーの組み合わせによって、新しいビジネスバリューを生むイノベーションを実現するものこそ、SAP Leonardoです」

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大我氏はPDCAを補完する新しい考え方として「D-OODA(ドゥーダ)」を紹介しました。

D-OODAは、Design(大まかな指針・ストーリー)- Observe(観察)- Orient(情勢判断・方向付け)- Decide(決心)- Act(実行)の頭文字によるループです。Designによっておおまかな設計やデザインを行い、ObserveとOrientは対話的に行ったり来たりします。SAPの人事評価制度も、イノベーションを創発する組織にしていく為に、この考え方に基づいて刷新されました」

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●デザインシンキングを体験する来場者参加型セッション

セミナーの後半には、イノベーション創発の一端を体験できる参加型アクティビティが実施されました。TEDで紹介されたことで広く知られている「マシュマロチャレンジ」が、6つのテーブルに別れた各グループで競われました。

マシュマロチャレンジから学べることは、「小さな失敗を早くたくさん経験してクイックに改善していくことが、最良の結果を得る」ということ。「とりあえずやってみよう」という考え方をすばやく実践できたチームほど、良い成績を獲得できることを参加者は体験していました。

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●さいごに

福田氏と大我氏はセミナーの締めくくりとして、次のように来場者へ語りかけました。

「考え方を変え、カルチャーを変える。多くの経営者は社員に対して『失敗するな』というメッセージを無意識に発しがちです。いまこそ『やってみよう』というカルチャーへと変革していきましょう。これからも新しいトライアルをお客さまとご一緒していきたいと願っています」(福田氏)

「ヒーロー待望論では何も変わりません。日本には『ミドルアップが強い』というカルチャーがあります。この伝統や習慣をうまく活用しましょう。組織のミドルが行動し、トップの意識を変え、ボトムを動かす。SAPとアクセンチュアは、実行する方々への支援を惜しみません」(大我氏)

Accenture Liquid Studio for SAP Leonardoは、お客さまのビジネスにおけるイノベーション創造の実現を促すソリューションです。アクセンチュアとSAPはお客様のパートナーとして、アイデアを実現するお手伝いをいたします。

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