インテリジェント・シティの台頭
ブルーノ・バートン、フィリップ・ギタート
広報誌「アウトルック」日本語版 2011 October
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世界の都市化が一段と進む中、将来の都市が魅力的であるためには2つの目標を積極的に追求する必要がある。すなわち、持続可能性の見地に立ったリソース管理と、市民、企業、自治体が共生、活動、交流できる魅力的な経済・社会環境の創生である。
100年前、都市に住む人口は世界全体の7分の1にすぎなかった。今日、世界人口の半分が都市に住み、その割合は年々着実に高まっている。大都市に移り住む人の数が増えるにつれ、技術、企業、自治体の形態、資源の消費、生活の質といった様々な面で、都市がもたらす影響は著しく強まっている。
多くの人が集中することで、個人の生活や仕事上の好機、豊かな創造性、経済の活性化、生産性の向上につながる可能性があり、人々に良い影響をもたらすことができる。しかし同時に、大規模な都市化は人口過密、CO2排出量や廃棄物の急増、非再生可能資源の大量消費といった形で、地球環境にリスクをもたらしている。その意味で、都市は、そこに住む人々の意識を変え、環境を効果的に管理する大きな責任を負っている。都市の構成要素である自治体はもちろんのこと、経済成長を牽引する主体である企業や住民にも大きな責任がある。
こうして持続可能性の視点に立ってリソース管理をしていくことは、市民、企業および自治体が共生、活動、交流する魅力的な経済・社会環境を創造するという必要性と、表裏一体の関係となっている。
企業が顧客獲得を目指して競争するように、都市も市民や企業の獲得のために競争する。そこでさらに重要になるのが、都市全般の魅力と、いかにそれらの魅力を市民や企業に実体験として提供することができるかである。例えば、都市が提供するサービスの価値、行政の安定性、経済・雇用機会、学校、物理的環境の質、文化・芸術資源、高等教育機関、生涯教育の機会、住宅、治安、地域参加、開放性、多様性など、都市の魅力や実体験は様々な側面に現れる。
経済・社会的な魅力を増進させつつ環境管理をも推進するという二重の目標こそが、「インテリジェント・シティ」の中核を成す。企業の拠点が都市に所在する、あるいは自治体を相手に事業を行う場合( ほとんどの場合どちらかであろう) 、都市のインテリジェント化や魅力度を高めるのに協力すれば、企業にとっても大きなメリットをもたらすだろう。
筆者について
ブルーノ・バートン(Bruno Berthon)は、アクセンチュア・サステナビリティ・サービスのグローバル・マネイジング・ディレクターである。消費財、リテール、通信、メディアなどの業界における多国籍企業の変革という課題に取り組んだ経験を持つ。過去16年間は、グローバリゼーションや大規模なオペレーティング・モデルの変革、イノベーション、サステナビリティの分野に特化してコンサルティング活動を行っている。同氏はパリを拠点として活動している。
フィリップ・ギタート(Philippe Guittat)は、アクセンチュアのインフラストラクチャ・輸送インダストリーのグローバル・マネイジング・ディレクターである。陸上交通、公共輸送、鉄道旅客輸送、建設などの様々な産業や地域における顧客の価値創出を担当する。また、公共輸送機関の電子チケットへの切り替えに関する取り組みを主導している。アクセンチュアの経営幹部でもある同氏は、輸送・自動車産業分野におけるアクセンチュアのイノベーションに重要な役割を果たし、いくつかのテクノロジー分野の責任ある職務を経験している。同氏はパリを拠点として活動している。
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