郵便・宅配便業界のハイパフォーマー
ブライアン・J・モーラン、アンドレ・ファランド
広報誌「アウトルック」日本語版 2010 February
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郵便・宅配業界のハイパフォーマンス企業におけるキーワードは、多角化、顧客志向、継続的なイノベーションである。
伝統的な郵便事業者は現在かつてないほど厳しいプレッシャーに晒(さら)されている。
コストの上昇は売り上げの伸びを上回り、郵便物数は最近まで上昇を続けていたGDPの伸びを下回っている。郵便事業者はもはや郵便配達業務や決済業務の独占に収益を依存することはできない。さらに、新たなデジタル技術やデリバリー・チャネルにより魅力的なサービス提供の機会があるにもかかわらず、従来型の郵便事業者はその機会を活かしきれず、民間企業に地盤を切り崩されている。
対応しようにも郵便事業者によっては選択肢が限られている場合もある。コスト上昇に対して値上げをしようにも、競争条件が厳しい現在の市場においては郵便物数の減少につながるため、簡単に値上げすることはできない。また、郵便物に占めるダイレクトメールの増加が続くなかでは、郵便事業者の売り上げは景気や季節変動の影響を受けやすくなっている。さらに、携帯情報端末等の新たなデジタル機器によるコミュニケーションに慣れ、情報への素早いアクセスやよりよいサービスを求める若年世代の顧客の取り込みにも苦慮している。
それにもかかわらず、アクセンチュアが最近行った調査では、こうした課題に立ち向かい、その過程で成功を収めている郵便事業者があることが分かっている。
アクセンチュアは2006年に初めて郵便業界におけるハイパフォーマンス企業の分析を行った。その後の3年間で世界の郵便事業市場は大きく変化したため、今回本業界の再調査を行うことにした。
筆者について
ブライアン・J・モーラン(Brian J. Moran)は郵便業界担当グループのマネージング・ディレクターである。1,200人を超える業界専門コンサルタントを率いて、世界各地の15を超える大手クライアントに対し、ハイパフォーマンスの実現に協力している。戦略、オペレーション、バックオフィス・ソリューション、大規模なプログラム・マネジメント等の様々なプロジェクトの責任者を務めた。専門はサプライチェーン・マネジメントで、アクセンチュアでの在職20年間に様々な役職や業界を経験し、クリーブランドを拠点として活動している。
アンドレ・ファランド(Andre Pharand)はアクセンチュア・サプライチェーン・マネジメント・サービスラインのシニア・マネジャーである。郵便、宅配便、サードパーティー・ロジスティクス業界で10年を超える経験を持つ。主に収益拡大、利益率向上、カスタマー・エクスペリエンスを通じた差別化、持続可能な変革の推進面で、クライアントの経営者を支え解決に導いた。同氏はマイアミを拠点として活動している。
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