バンキング2012:銀行業界の変革に備える
ノエル・ゴードン、ピエルカルロ・ジェラ
広報誌「アウトルック」日本語版 2010 February
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金融危機後の銀行業界では、透明性、シンプルさ、および顧客志向への回帰が、リテールバンキングとコマーシャルバンキングの成功に向けた新たな鍵となる。
2000年から2007年にかけて、先進国でトップクラスの業績を上げた銀行のROEは平均26%に達していた。しかし今日、これらの銀行のROEは多くの場合、4~5%にまで低下している。
もちろん、事業を継続できている銀行に限った話であるが。
金融危機を受けて、こうした銀行には課題が山積している。
顧客の信頼回復に努めていた矢先に規制当局による監督も強化されている。また危機前に莫大な収益を生みだし、バランスシートの拡大を加速させた証券化の勢いは今やなく大幅に減少している。さらに、新規参入事業者の競争力は今日のディスラプティブ(破壊的)技術により向上している。
このような状況下ではすべての銀行が成功を収めるというわけにはいかないだろう。アクセンチュアは世界各国で150社以上の金融機関を分析し、同金融機関の30人を超える幹部、プライベート・エクイティの専門家、業界の識者を対象にインタビューを行った。その調査結果により、2009年に経営やオペレーティングモデルについて大胆な決断をした銀行は、向こう3年以内に15%、あるいはそれ以上のROEを回復できると考えるに至った。
筆者について
ノエル・ゴードンは、アクセンチュア・バンキング・インダストリーグループのマネージング・ディレクターで、世界の各種大手銀行に対して30年以上にわたりコンサルティング・サービスなどを提供してきた経歴を持つ。過去には組織変革、戦略策定、合併後の事業統合、バックオフィスの合理化、与信業務やリスク管理業務の再編などに携わってきた。アクセンチュア入社以前は米国および英国の金融機関に勤務し、リテールバンキングやコーポレートバンキングのさまざまなチームの責任者を務めた。同氏はロンドンを拠点に活動している。
ピエルカルロ・ジェラは、アクセンチュアで金融サービス部門戦略サービスラインのマネージング・ディレクターを務める。25年以上にわたり、欧州、北米、およびアジア太平洋地域の顧客のM&A、企業改革、企業戦略、販売・サービス業務改革を支援してきた経歴を持つ。銀行および保険会社を専門に担当し、変革計画の策定と実行、合併後の事業統合、マーケティング戦略の策定、新事業部門の立ち上げなどのプロジェクトに協力している。同氏はミラノを拠点に活動している。
アンディ・ティンリンは、アクセンチュア戦略グループのシニア・エグゼクティブとしてグローバルM&Aグループを率いている。20年近いコンサルティング業務の経験を持ち、現在は大手顧客の取締役会に協力し、成長戦略、M&A、事業変革といった分野の戦略・業務関連の問題の解決に取り組んでいる。同氏はロンドンを拠点に活動している。
アルベルト・ベルガは、アクセンチュアの英国金融サービスグループのシニア・マネジャーを務める。英国と大陸欧州の大手銀行、保険会社、および証券会社を10年以上にわたって担当し、大規模な業務・システム変革、組織再編、変革管理、および合併後の事業統合を支援している。同氏はロンドンを拠点に活動している。
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