2012年の顧客: 新たな約束
アジアの銀行はいかに顧客のニーズと期待に応えるのか
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2008年から2009年の初めにかけて、業界の関心は伝統的な銀行システムに対するショックと、その安定に向けた政府の対策に集中していました。今回の金融危機は間違いなく、持続可能性の欠如により引き起こされた、近代初の業界全体にわたる危機でした。2009年後半から2010年初めにかけて、銀行の取引ポジションがより秩序だったものへ回復するにつれ、銀行がこれまでとはまったく異なる新しい環境下で運営されはじめたことが明確になりました。すなわち、実体経済が大きく変化したのみならず、顧客までもが変化をしたのです。こうした変化がもたらす以下の3つの問いに答えるために、アクセンチュアでは調査、分析を行い、本論考を取りまとめました。
- 新しい環境下で銀行にとっての均衡点はどうなるのか?
- 金融危機後の顧客が銀行に求めるものとは何か?
- 新しい環境下で銀行が勝ち残るために必要なものは何か?
2009年、アクセンチュアは「2012年の銀行:大いなる変化の時」と題する調査レポートを纏め、その中で銀行の株主資本利益率(ROE)が低下している現状と、市場で競争力があると見なされるROE15%へと回復するために必要な事項に関する分析(図1)をご紹介しました。先進国においては、5つのカギとなる施策を実行することにより、2012年までにROE15%を達成することが現実的であるとともに、新興国においてはさらにROE15%以上の実現が可能であると考えています。例えば、アジアの銀行では、コスト削減や買収・合併等さまざまな戦略の実行により、ROEを27%に引き上げることもあながち夢ではありません。ROEを再び引き上げるために最も必要な施策のひとつは、よりリスクに応じた価格設定の実施やコスト効率が高くかつ効果的な販売といった、現在実施されているよりもさらに能動的な顧客管理であると私達は考えています。こうした内容は銀行内部でも議論されてきましたが、金融危機以前の、不確実性の高かった時期に実行されることはまずありませんでした。
本レポートでは、そこで、金融危機後のアジア地域の顧客を分析しその状況を考慮に入れた上で、銀行が自身の地位を確固たるものにするにはどうすればよいかご紹介したいと思います。また、顧客の期待を満たせるようになるにはどうすればよいのかということも検討します。それこそが、銀行の収益性と持続可能性に不可欠なものだと考えています。
本レポートにおける分析は、以下に基づいています。
- 先進・成熟・新興アジア市場の600を超えるマス富裕層及び中小企業顧客に関する広範な調査研究
- 世界の主要銀行(約50行)リテール部門の役員に対する調査
- アクセンチュアが保有するデータと公表データの双方を用いた世界の銀行のリテール顧客データ分析
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