オープン・イノベーション:新製品を作り出すための新たな方法
ジーン・レズニック、アンジェロ・モレリ
広報誌「アウトルック」日本語版 2010 February
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通信業界においては、必ずしも研究開発費に見合った成果が得られるとは限らない。しかし新製品を、計画通りまたは計画以上にうまく立ち上げられたとする企業と、開かれた開発環境の中で第三者や専門プロバイダーと関係を築きながらオープン・イノベーションを効果的に行った企業との間には、相関関係があることが調査から分かっている。
政府による資金援助が頻繁に行われ、財政赤字が巨額に達した現在であっても、1兆ドルはやはり大きな金額であろう。これは、世界全体で昨年一年間に支出された研究開発費である。
企業は果たしてこの投資に見合った価値を得ているだろうか。
開発投資の効果的、効率的な管理には想定外の困難がつきまとい、ほとんどの業界で多くの企業が問題を抱えている。また、こうした研究開発投資から得られるビジネス・バリューを正確に捉えるのは、さらに難しいことだといえる。
新製品開発に関するこうした問題は、通信業界で特に顕著となる。通信業界の企業は、既存製品の利益率低下や高まる消費者の期待への対応に苦しめられる一方で、製品開発に長けたハイテク、ソフトウエア、コンテンツ企業と市場を巡り真っ向勝負の厳しい戦いを強いられている。
これらの問題は、通信業界の新製品開発能力に深刻な疑問を呈し、この状況に景気の低迷が加わることで、事態はさらに複雑になっている。
アクセンチュアが今回行った調査によると、通信業界では研究開発投資に見合った成果が必ずしも出ていない。調査の対象となった欧州、アジア太平洋、南北アメリカの通信企業経営幹部270人の大半が、新製品開発において予算を超過していると回答した。42パーセントが、製品がアイデアから試作品を経、市場投入に至るまでに時間がかかり過ぎていると答えている。70パーセントの人が、昨年、少なくともいくつかの新サービス開発を中止したと答えている。一方、回答企業は、平均15の新製品を市場投入後に取りやめており、10パーセントの企業が50以上のサービスを中止している。
筆者について
ジーン・レズニック(Gene Reznik)はアクセンチュア・コミュニケーション・インダストリー・グループのグローバル・マネージング・ディレクターとして、有線、無線、ケーブルの各企業を支援する戦略の策定とケイパビリティの開発を統括している。15年近くにわたるアクセンチュアでの経歴の中で、様々な業界やビジネス領域を担当してきた。同氏はアクセンチュア・コミュニケーション・ネットワーク・グループのリード、アクセンチュア通信・ハイテク戦略グループのグローバル・マネージング・ディレクターを経て現職に就いた。同氏はシカゴを拠点として活動している。
アンジェロ・モレリ(Angelo Morelli)はアクセンチュア通信ハイテクのエグゼクティブ・ディレクターとして、アクセンチュアのオファリングや、世界の通信、ハイテク、メディア業界のクライアント企業の新製品開発とイノベーションに関わる仕事を担当している。同氏はコミュニケーション・サービス・プロバイダー企業のハイパフォーマンス実現を10年以上にわたり支援してきた。また同氏はアクセンチュア・サービス・デリバリー・プラットフォーム・ソリューションのグローバル・リードであり、新規市場参入企業のビジネス・ケースの定義と立ち上げ支援に広範な実績を持ち、当社入社前は、通信業界の多数のマネジメント・ポジションを歴任してきた。同氏はローマを拠点として活動している。
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