イノベーションの成果を最大化させる5つの成功要因
アディ・アロン、ダニエル・D・チョウ
広報誌「アウトルック」日本語版 2009 April
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永続的なハイパフォーマンスの実現を目指す組織は、イノベーションを「自社の経営の軸」として捉える必要がある。つまりイノベーションは、ヒントの獲得に始まり、アイデア化から具体的な商品開発を経て、上市に至るまでの「一貫したプロセス」として捉えなくてはならないのである。
ここ数十年、多くの企業は堅実経営を標榜し、ひたすら自社業績見通しの確実な達成を追い求めてきた。この過程において、各社は主要なビジネスプロセスについて、生産性を限界まで高めつつ、コストを極限まで抑えることで、自社のハイパフォーマンスを実現してきた。しかしながら、普段は諸事厳格な態度で臨む経営陣も、ことイノベーションの話題になると態度が一変する。サプライチェーンの再構築のときには表計算ソフトや分析ツールの使い方にまで細かく言及する経営幹部が、一風変わった雰囲気が漂う「イノベーションに関する会議」の案内状が来ると、自分に代わって部長や課長たちを派遣する場合が多い。
こうした背景には、イノベーションといえば、自由奔放な発想やインスピレーションの産物であるという先入観が強く、単なる思いつきによってイノベーションが生み出されるという認識が大きく関係すると思われる。イノベーションは経営幹部にとって、管理可能なビジネスプロセスの一環というよりは、一種不思議な現象と捉えられている傾向があるようだ。今日の経営幹部たちはイノベーションへの行動指針を示しているように見えるが、その指針を効果的に実行する能力を充分に持ち合わせていないのである。
アクセンチュアの調査もこうした状況を裏付けている。経営幹部は確かに、自社を成功に導く上でイノベーションの重要性を理解している。イノベーションに関して、アクセンチュアがエコノミスト・インテリジェンス・ユニット(EIU)と共同で行った最近の調査では、調査対象者の62%が、自社の事業戦略は「大部分」または「全面的に」イノベーションに依存している、と回答している。また、イノベーションに対する強いコミットメントがあり、調査対象者のほぼ53%が、自社のイノベーションに対するコミットメントは競合他社に比して「強い」もしくは「より強い」と回答している。
筆者について
アディ・アロンは、アクセンチュア・プロセス・アンド・イノベーション・パフォーマンスの一部門、ファスト・イノベーション・アンド・グロース・グループのシニア・エグゼクティブで、戦略コンサルティングにおいて15年以上の経験を持ち、近年は企業のイノベーション・ケイパビリティの構築、新しい成長基盤の開発、および調査、開発、エンジニアリング部門の改善支援に注力している。
アクセンチュア参画前はモニターグループのパートナー、また、アクセンチュアにおいても現職の前はグロース・アンド・イノベーション・サービスラインのパートナーを務めていた。同氏はボストンを拠点に活動している。
ダニエル・D・チョウは、シニア・エグゼクティブとしてアクセンチュア・プロセス・アンド・イノベーション・パフォーマンスのファスト・イノベーション・アンド・グロース・グループを率いている。小売り、消費者商品、医薬品、保険、ハイテク、化学、国防といった様々な業界を対象に、イノベーションと成長、デジタル戦略および伝統的戦略の開発、業務・オペレーション分析、組織の設計と変革、生産性向上などの分野で20年近くにわたって顧客企業を支援してきた実績があり、現在アクセンチュアの一部門となっているジョージ・グループ・コンサルティングに勤務していた。同氏はシカゴを拠点に活動している。
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