クロスボーダーM&Aの留意点
キャロライン・ファーストブルック
広報誌「アウトルック」日本語版 2009 April
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現在、M&A案件の半数近くはクロスボーダー(国境をまたぐ)取引となっている。
クロスボーダーM&Aでは、積極的な姿勢の中にも慎重さを失わないことが肝要だ。
昨今の金融引き締めや経済情勢の不安定にもかかわらず、驚くほど堅調な伸びを見せているビジネス領域がある。企業合併買収、所謂M&Aだ。2008年上半期では多くの企業が傍観していたものの、それ以前の2年間の世界全体での案件数は、2000年における空前のM&A案件の記録を凌駕している。
さらに、企業がさらなる成長と新たな財源の可能性をM&Aに求めたことが、今回のブームの引き金となったのは明らかで、この傾向は今後しばらく続くと考えられる。
今回のブームには、前回のブームとは異なる特徴がいくつかある。まずプライベート・エクイティ・ファンドが飛躍的な進展を遂げたことだ。具体的には、2004年から2007年の今回のブームでは、1995年から2000年にかけての前回のブームと比較して、世界全体のM&A案件に占める割合が前回の2倍となる31%になった。その他には、新興市場の国営企業や政府系ファンドなどの新たな投資家が、M&A市場に参入してきた。
しかし最も顕著な傾向は、クロスボーダーM&Aの案件数の伸びで、この取引形態が現在ではM&A取引総額のほぼ半分を占める。
筆者について
キャロライン・ファーストブルックは、アクセンチュアの欧州、中東、アフリカ、ラテン・アメリカ地区戦略のマネージング・ディレクターで、M&A戦略構築と候補先企業の評価、合併交渉、民営化戦略など、様々な業界での新規市場参入等のコンサルティング経験を有している。コンサルティングの経験だけでなく、農業者向け穀物のインターネット情報提供会社であるイージーケムの立ち上げとその後の売却、さらには、ライフ・サイエンス・カンパニーのシンジェタと共同でのバイオ・テクノロジー・ベンチャーの検討など、5年間の企業家としての経験も持つ。同氏はロンドンを拠点に活動している。
アクセンチュアのシニア・マネジャーであるジュリー・アダムスは、エネルギーと電力に関するグローバルおよび英国リサーチ・チームのリーダーで、世界中のエネルギーグループのリサーチ・サポートを行うと共に、国内またはグローバルな石油会社に対するクライアント・サポート業務も行っている。同氏は、世界各地の大手、国内、独立系石油・ガス会社の戦略的業務を含めて、同業界における豊富な経験を持つ。
同氏はロンドンを拠点に活動している。
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