新任COOを起動に導く
ネイサン・ベネット、ポール・F・ヌネシュ
広報誌「アウトルック」日本語版 2009 April
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企業戦略を実行する局面で、COO(最高業務責任者)が果たす役割は、ますます重要になっている。しかしながら、COOの着任後、早期に成果を出せるような環境作りに配慮している企業は極めて少ない。この配慮をおろそかにすれば、COOだけでなく、企業の業績上大きな損失となりかねない。
先頃起きたアルゼンチン航空のパイロットのストライキと、ペン・ナショナル・ゲーミング社の株価の11ポイントもの下落は、一見関係なさそうに思えるだろう。しかしながら、両社での出来事には共通点がある。どちらもCOOが辞めた直後に起こったことなのだ。
COOが企業の業績に与える影響を正確に定量化するのは難しいが、実際に起きたこれらのケースを考えれば、COOが単に通常業務に責任を持つ以上の存在であることが窺えるだろう。実際、グローバル化した大企業では、COOは企業戦略を実行に移す上で中心的な役割を果たしているのである。
COOはCEOを補佐し、CEOのパフォーマンス向上をサポートする重要な役割である。加えて、企業のハイパフォーマンス実現に向けて、業務体制を確立し、強化しなければならない。(アルゼンチン航空のパイロットは、COOが辞めれば同社の安全運行に支障をきたすとしてストライキを決行した)。
事実、アクセンチュアがCOOを対象に行った調査でも、全ての回答者が、自社のハイパフォーマンス実現に向けた貢献への意欲が、COOとしての成功に不可欠な要素であると答えている。
COOの交代は、バッキンガム宮殿の一糸乱れぬ衛兵交代のごとく周到に準備した上で行うべきである。企業には、新しいCOOがその職務に慣れるまでに1年間も待つ余裕はない。COOの職務に就く前後の準備期間として、就任前の3ヵ月、および就任後の3ヵ月間を入念に計画しておかねばならないのだ。
筆者について
ネイサン・ベネットは、米国ジョージア工科大学の経営学の教授である。経営チームの効果向上、戦略実行、リーダーシップ育成の課題に関する研究を専門としている。著作はハーバード・ビジネス・レビューだけでなく、ウォール・ストリート・ジャーナル、トロント・グローブ・アンド・メール、ガーディアン、フィナンシャル・タイムズ、エイジなどに掲載されている。また「Riding Shotgun: The Role of the COO」(Stanford University Press,2006)の共著者でもある。
ポール・F・ヌネシュは、アクセンチュア・ハイパフォーマンス・ビジネス研究所の上級研究員として、ビジネス戦略およびマーケティング戦略の研究を主導している。「The Tourism Time Bomb(2008年4月号)」、偽造品に関する論文(2008年10月号に掲載)など、同氏の記事はハーバード・ビジネス・レビューに定期的に掲載されている他、数多くの出版物に寄稿している。同氏は「Mass Affluence:Seven New Rules of Marketing to Today's Consumers」(Harvard Business School Press, 2004)の共著者でもあり、アウトルックのシニア寄稿・編集者でもある。同氏はボストンを拠点に活動している。
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