多極化世界における新グローバリゼーション戦略
マーク・パーディ、マシュー・C・ロビンソン、ポール・F・ヌネシュ
広報誌「アウトルック」日本語版 2009 October
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グローバル競争のダイナミクスは、製品の輸出、現地パートナーへの依存、一カ国に本部を置くといった従来のパラダイムからの脱皮を急速にとげつつある。ハイパフォーマンス企業は新たなビジネス戦略を採用し始めており、グローバルであると同時にローカルでもある能力を活用してグローバル競争の先頭に立っている。
英国の消費者にはお馴染みのスーパーマーケットであるテスコの店頭に生きたカエルやカメが並ぶなどということは現時点ではまず考えられない。しかし中国では、この英国に本社を置く大手小売企業が、こうした生鮮食材を食べ慣れている現地の人々の嗜好に応えるため、様々な生きた食材を生け簀(す)で販売している。
ハイパフォーマンス企業は、多極化する世界における事業機会と課題に、より効果的に対応するため、ビジネスに対するアプローチを抜本的に見直しており、テスコはそうした企業の一例である。グローバル競争のダイナミクスは急速に変化しつつあり、従来の手法、つまり製品を輸出し、現地パートナー企業 に頼って販売し、1つの国に本部を置くスタイルに替わって、「グローバル、かつローカル」なあり方で力を発揮するビジネス手法が浮上してきている。
これまでの戦略は、多極化世界の5つの「主戦場」である消費、人材、資本、資源、アイデアの源泉について狭い見方をとってきた。しかし世界の経済活動は短い間に大きく変化した。今日では、意欲にあふれ十分な経営資源とオペレーティ ングモデルを備えた新興市場の企業が、グローバリゼーションに大きな影響を与えている。ノルウェーからの資金調達は、その容易さにおいてニューヨークからの資金調達となんら変わりがない。人材も国境を越えて移動する。またアイデアも国境の壁を易々と乗り越え、世界中でインターネットを通じて瞬時に共有されるようになってきている。
著者について
マーク・パーディはアクセンチュア・ハイパフォーマンス・ビジネス研究所のチーフ・エコノミストであり、経営課題に関連するマクロ経済学および地政学の動向に関する幅広い研究活動のリーダーを務めている。同氏はグローバリゼーションとそのビジネスへの影響についてのアクセンチュアの論考である「The Rise of the Multi-Polar World」の共著者の1人であり、2008年の世界経済フォーラム年次総会の場で初めて紹介され、これに続く研究である「Strategies for Achieving High Performance in a Multi-Polar World」にも共著者として携わっている。この他にもアクセンチュアを代表して、様々な経済関連の分析プロジェクトに参加している。同氏はロンドンを拠点に活動している。
マシュー・C・ロビンソンはアクセンチュア・ハイパフォーマンス・ビジネス研究所のシニア・リサーチ・フェローである。同氏が率いるチームは世界の経済、政治、社会の動向およびそれらがビジネスに与える影響を分析している。最近取り組んでいるテーマは、多極化世界の再出現、シナリオ・プランニングとビジネス・シミュレーション、変遷する政府と企業の関係などである。同氏はロンドンを拠点に活動している。
ポール・F・ヌネシュは、米ボストンにあるアクセンチュア・ハイパフォーマンス・ビジネス研究所の上級研究員であり、ビジネスおよびマーケティング戦略の調査・研究を統括している。同氏は「Harvard Business Review」やその他多数の刊行物にも定期的に寄稿をしている。「Harvard Business Review」に掲載された直近の記事は“Can Knockoffs Knockout Your Business?”(2008年10月号)ならびに“The Tourism Time Bomb”(2008年4月号)。また共著に「Mass Affluence: Seven New Rules of Marketing to Today’s Consumers」(Harvard Business School Press, 2004)があり、アウトルックのシニア寄稿・編集者も務めている。
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