次なるS字曲線に乗り移る
いかにパフォーマンスを長期的に維持するか
ポール・F・ヌネシュ、ティム・ブリーン
広報誌「アウトルック」日本語版 2011 June
収益成長曲線に沿った経営を行って成功を収めている企業は多い。しかし、それだけでは十分ではない。ハイパフォーマンス企業は、収益力同様に重要な3つの要素の成熟化を上手に管理し、次から次へと事業転換を行い、それぞれの市場で優位を確保している。
アクセンチュアがハイパフォーマンス企業の調査を開始した2003年当時、「優良」企業がいかに「偉大な」企業になるかについての議論が盛んに行われていた。そのさらに前の時期の議論の中心は「卓越した」企業とは何か、ということであった。
当社の調査はその後も継続している。その間、様々な業界のクライアントと世界各地で協業する中で、ハイパフォーマンスとは業界や市場の競争条件が変化しても競争に勝ち抜き続けることである、と考えるに至った。それは、非常に静的な概念である「偉大さ」や「卓越」を達成することではなく、また「長持ち」する企業を構築し長期的に存続することでもない。
ハイパフォーマンス企業がそうした地位に到達できたのは偶然の産物ではない。企業成長のS字曲線から次のS字曲線へと上手に乗り移るという険しい道のりを超えて初めて達成されたのである。ここでいう企業成長のS字曲線とは、企業の収益成長力の変化パターンを表している。つまり、数は少ないがしっかりした客層に支えられて立ち上がっていく草創期、新製品の成功などにより成長が加速する拡大期、市場の成熟化に伴い成長が頂点に達しその後は緩やかに下っていく成熟期である。ハイパフォーマンス企業は、S字曲線を駆け上がるだけではなく、成熟期の到来に伴い成長が横ばいになり始めると、次の新たなS字曲線へと乗り移るのである。
筆者について
ポール・F・ヌネシュ(Paul F. Nunes)は、アクセンチュア・ハイパフォーマンス・ビジネス研究所のリサーチ担当エグゼクティブ・ディレクターである。同氏の著作は「Harvard Business Review」、「WallStreet Journal」やその他多数の出版物に定期的に取り上げられている。また共著に「Mass Affluence: 7 New Rulesof Marketing to Today’s Consumers」(Harvard Business School Press, 2004)がある。アウトルックのシニア寄稿編集者を務めている。同氏はボストンを拠点として活動している。
ティム・ブリーン(Tim Breene)は、アクセンチュア戦略イニシアチブのシニア・マネイジング・ディレクター兼アクセンチュア・インタラクティブのCEOである。1995年にアクセンチュアに入社して以降、アクセンチュアの最高戦略・経営企画責任者、アクセンチュア・ビジネス・コンサルティングのグループ・チーフ・エグゼクティブ、アクセンチュア戦略サービスのマネイジング・パートナーなど、数々の上級ポストを歴任している。同氏はボストンを拠点として活動している。
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