マーケティングとITを融合する
デジタル革命の準備は整っているか
ティム・ブリーン、ブライアン・ホイップル
広報誌「アウトルック」日本語版 2011 June
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デジタルチャネルやインタラクティブチャネルの行く着く先と期待されているのが、パーソナライゼーションである。つまり、顧客がどこにいようと、彼らが興味を持つタイムリーなオファリングを、企業の機会と顧客の興味がうまく重なる瞬間を狙って提供するのである。しかしこれを実現するためには、経営者は、マーケティング部門とIT部門が互いに積極的に協力し合う体制を確立しておく必要がある。
古代ギリシャ人はこのような瞬間を「最高の瞬間」「最適な時」の意味を持つkairos(カイロス)という言葉で表現していた。
今日の最高マーケティング責任者(CMO)の多くは、こうした瞬間を見失っているが、デジタル育ちでリアルタイム思考を持つ顧客の期待感をつなぎ止めるには、これらの瞬間は非常に重要だ。かつてはマーケティングの独壇場であったブランディングやメッセージング、ポジショニングは、拡大を続けるピアツーピアやクラウドソース、アフィニティベースの顧客のインタラクションによって浸食されている。
技術に精通し、高いデジタル能力を駆使して製品やブランドの比較を行い有利な条件を引き出す今日の顧客は、10年前とは全く異なる期待感を持っている。にもかかわらず、マーケティングの専門家の多くは、ユビキタスに、いつでも、どこでも、だれもが接続できるようになったことで消費者に起こった重大な変化に対応する必要性を十分理解していない。
巨大なオンラインコミュニティやソーシャルメディア、モバイルマーケティング、インタラクティブ広告の出現は、顧客の企業との関わり方、またその結果としての企業の顧客ニーズへの対応法を変えた。これらのデジタルチャネルやデジタルケイパビリティによって、企業はその気になれば今すぐリアルタイムに、いつでも、顧客の心をつかむことができるようになった。電信、電話の発明が距離を縮めたように、デジタル革命によってリアクションタイムが圧縮され、企業は長年慣れ親しんだ仕事の進め方から脱却することを迫られている。
筆者について
ティム・ブリーン(Tim Breene)は、アクセンチュア戦略イニシアチブのシニア・マネイジング・ディレクターであり、アクセンチュア・インタラクティブのCEOでもある。1995年の入社以来、アクセンチュアの最高戦略・経営企画責任者、アクセンチュア・ビジネス・コンサルティングのグループ最高責任者、アクセンチュア戦略サービスのマネイジング・パートナーなどの要職を歴任している。同氏はボストンを拠点として活動している。
ブライアン・ホイップル(Brian Whipple)は、アクセンチュアで10年以上の経験を持ち、戦略立案およびコンサルティングでのさまざまな職務を歴任してきた。また、広告・マーケティングサービス会社の最高執行責任者、フォーチュン500のグローバルなテクノロジー・サービス企業の北東地域担当マネイジング・ディレクター、世界最大手のダイレクト・マーケティング・エージェンシーのシニア・バイスプレジデント兼マネイジング・ディレクターも務めた。2010年よりアクセンチュア・インタラクティブのマネイジング・ディレクターである。同氏はボストンを拠点として活動している。
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