サステナビリティ活動は企業の業績に貢献するか
ブルーノ・バートン、デイビッド・J・アブード、ピーター・レーシー
広報誌「アウトルック」日本語版 2011 February
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答えはイエスである。しかしその前提として、基本的なサステナビリティ活動が、戦略・業務の両面で事業に完全に組み込まれる必要がある。サステナビリティを事業に組み込むためには、5つの障害(ジレンマ)を乗り越えなければならない。
今日、サステナビリティ(持続可能性)、すなわち環境的・社会的責任を果たす中で事業を行うことの重要性を、認識すらしていないという企業は、恐らく世界中どこにも存在しないだろう。
事実、今では多くの企業にとってサステナビリティは、テクノロジー、人材、顧客といった従来からの関心事と同様、戦略面での優先事項となっている。サステナビリティに真摯に取り組む企業の姿勢は、景気低迷の嵐をくぐりぬけても健在であるばかりか、中には強化されたケースもある。また、サステナブルな事業活動はハイパフォーマンスと密接に関連していることが各種調査で明らかになっている。
一方、業務面では、サステナビリティはまだ企業組織の根幹部分に完全に組み込まれてはいない。経営者は依然として毎日のように、短期的ニーズを充足する業務と、次世代ニーズに持続的に貢献する業務との狭間でバランスを取るという、困難な問題に対処しなければならない。
アクセンチュアが国連と合同で行った新しい調査は、サステナビリティという長期的な取り組みと企業業績の維持・向上という短期的なプレッシャーとの間で苦悩する各国CEOの姿を如実に捉えている。※
この葛藤は別のレベルにおいても見ることができる。たとえば、今四半期にサステナビリティへの投資を行っても、それが次の四半期の決算発表に反映されることは殆どない。現行の経理システム上やむを得ないのかもしれないが、コストと収益のミスマッチを修正しない限り、サステナビリティが業務に統合され組み込まれることはない。言い換えれば、このミスマッチがある限り、サステナビリティがハイパフォーマンス企業の真に不可欠な一部分になることはない。
アクセンチュアが国連と合同で行った調査によれば、調査対象となった各国CEOの93%が、サステナビリティは自社の将来の成功にとって重要だと考えている。2 0 0 7年にCEOを対象に同様の調査を実施したが、その時に比べ多くの視点で企業のサステナビリティの取り組み姿勢は強化されている。
筆者について
ブルーノ・バートン(Bruno Berthon)は、アクセンチュア・サステナビリティ・サービスのグローバル・マネイジング・ディレクターである。消費財、リテール、通信、マスコミなどの業界における多国籍企業の変革という課題に取り組んだ経験を持つ。過去14年間はスペシャリストとして、グローバリゼーションや大規模なオペレーティング・モデルの変更、イノベーションの分野でコンサルティング活動を行っている。同氏はパリを拠点として活動している。
デイビッド・J・アブード(David J. Abood)は、北米におけるアクセンチュア・サステナビリティ・サービスのマネイジング・ディレクターであり、アクセンチュアの二酸化炭素削減に関連したグローバルベースのオファリングを統括している。企業変革や技術変革について、戦略作成からソリューション・デザイン、計画策定、実施に至るまでの全ての段階におけるコンサルティングを過去20年間行っている。また、いろいろな業界の企業や政府機関、NGOなどに対し、サステナビリティや低炭素経済への移行に伴うビジネスチャンスやリスクにどう取り組むかについて、コンサルティングを行っている。サステナブルな企業について、さまざまなNGO、大学、企業にアドバイスも行っている。同氏は米国クリーブランドを拠点として活動している。
ピーター・レーシー(Peter Lacy)は、欧州、アフリカ、ラテンアメリカにおけるアクセンチュア・サステナビリティ・サービスのマネイジング・ディレクターである。同氏は、サステナビリティの戦略や政策、実現に関し、10年以上にわたり政府やフォーチュン・グローバル500の企業にコンサルティングを行ってきた実績を持つ。またサステナビリティに関する大規模な国際的研究プログラムのいくつかを主導した。サステナビリティに関する講演を度々行っている他、企業や大学、欧州連合・国連などの公の機関のアドバイザリー・ボードのメンバーでもある。同氏はロンドンを拠点として活動している。
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