ニューヨーク州会計検査部門、PaySRプロジェクト
ニューヨーク州は、2000年以降も従業員に給与を支払っていくために、現行の給与支払システムを置き換える必要がありました。1999年前半に、“00”で終了するトランザクションをシステムで処理できるようにするには、1998年の終わりまでに、州全体で統合化された給与支払システムを設計、構築、テスト、そして導入することが必要だったのです。
そこで開発されたのがPaySRです。このシステムは1998年11月に完成し、導入され、現在では約25万人の州政府職員に毎年100億ドル以上に給与を支払っています。
PaySRを利用することで、州にとってはいくつものメリットが生まれました。まず特筆すべきは、PaySRは1999年に何の問題も起こさず、会計検査部は職員に対して正確に、また予定通りに給与を支払い続けることができました。1960年代に開発されたレガシー・システムと異なり、PaySRの最新ハードウェア/ソフトウェアは柔軟性に優れ、またスケーラブルで更新も容易です。さらにPaySRの優れたオンライン・アーキテクチャーにより、州内のユーザーはリアルタイムでデータ検証を実行し、給与データに直接アクセスが可能となり、また給与支払処理に必要とされた紙の量を削減できたのです。PaySRによるもう一つの利点は、通常およびアドホック・レポートの両方を作成する、完全なレポート・アーキテクチャーです。そして、新しい給与支払小切手や給与明細のフォーマットは以前に比べてずっと読みやすく理解しやすいものとなりました。
ニューヨーク州の給与支払レガシー・システムは多くの問題を抱えていました。まず、2000年以降のトランザクションを受け付けないため、給与支払いができなくなってしまうこと、2番目にメイン・システムが将来の機能要件を満たせず、現行ニーズを満たすには多数の“治療”やマニュアル作業を行わなければならなかったこと、そして最後に、冗長で頻繁に不正確な情報をメンテナンスしていた複数のレガシー・システムを置き換える必要があったのです。
100以上の主要政府機関における給与支払いや、多数の交渉単位をサポートしている州にとって、新しいシステムはかなりの関係者が関わることになりました。100カ所で“ミニ・サイズ”の給与支払システムを構築しなくても済むように、これらの組織が提示する要件を考慮する必要があったのです。100の行政機関には州全体で2,000人のユーザーがいて、処理要件をサポートするには全員がオンライン・ワークステーションを必要とし、これも検討を必要とする事柄でした。さらに事を複雑にしたのが、これらユーザーの多くは、プロジェクトが着手されるまで、コンピュータに不慣れな人たちであったことです。
また給与支払機関は、行政サービス部門と、別の管理機関の監督という責任もあったのです。PaySRではこれらの機関とシステムを統合しなければなりませんでした。
アクセンチュアとニューヨーク州は、PaySRの設計、開発、また導入を共同で進めました。PaySRとは、PeopleSoftのHuman Resources Management System(HRMS) バージョン6シリーズをもとに完全に統合化された、全機能型の給与支払システムです。
このプロジェクトでは、州とアクセンチュアの間で、本当の意味での協力体制が敷かれて行われました。期間は2年にわたり、アクセンチュア側だけで25,000日以上、また州側で10,000日が費やされました。プロジェクトは予定通りに完了し、1998年6月に最初の機関に、また11月には残りの機関に対してPaySRが移行されたのです。
PaySRプロジェクトは通常のビジネス・インテグレーション・プロジェクトであり、プロジェクト・チームはプロセス、テクノロジー、およびチェンジ・マネジメント・グループ(現ヒューマン・パフォーマンス)の要員で構成されました。このチームはPeopleSoftとパートナーシップを結んで、十分なソフトウェア・サポートを確保したのです。別のプロジェクト・サイトも立ち上げられ、州のアクセンチュア双方のメンバーが開発作業に専念できるようにしたのです。プロジェクト・サイトと、サンディエゴとミネアポリスにあるアクセンチュアのソリューション・センターとの強い結びつきも、プロジェクトの成功に大きく貢献しました。
アクセンチュアは職員に対して広範囲にわたるPeopleSoftのノウハウを提供し、これにより機能およびテクニカル要件が適切に識別され、設計に効果的に取り込まれていることを確認したのです。プロジェクトでは、アクセンチュア、PeopleSoftソリューション・センター、またパフォーマンス・テクノロジー・ソリューション・センターの方法論を利用しました。
アクセンチュアはユーザー要件の確定、一般的なシステム設計、詳細設計、構築と単体テスト、プロダクト・テスト計画、プロダクト・テストの実行、トレーニングの設計と開発、データ移行計画と準備、そしてデータ移行を含め、プロジェクトのほとんどの局面を担当したのです。
ニューヨーク州は約25万名の職員を抱えているため、テクニカル・アーキテクチャー、特に、PaySRの処理能力に大きな関心を払いました。アクセンチュアは、州規模で展開された他の大型PeopleSoft導入プロジェクトを経験したスタッフを任命し、システムがこの膨大な給与支払情報を処理できるよう設計されているかを確認したのです。
さらに、現行のスタッフが持つスキルをユーザーにも習得してもらうため、かなりのトレーニングを実行しました。アクセンチュアはこれら2,000名のユーザー向けにコンピュータ・ベースのトレーニング(CBT)を開発し、ニューヨーク州の各ユーザーのデスクトップ上でこれらのトレーニング成果が発揮されているのです。
1998年11月、24万6千人の職員がPaySRに移行しました。このシステムは現在、毎週ピーク時には15万人の給与支払処理をサポートしています。PaySRシステムは機能およびテクニカル面で最新であり、州の給与支払は2000年以降も正確に処理されていくでしょう。アプリケーション・アーキテクチャーはスケーラブルで、今後のかなりのビジネス成長にも対応していくことができます。
全体としてニューヨーク州は、PaySRによってその職員のみならず、すべての州機関の給与支払部門に対して効率的なサービスを提供できるようになりました。州のすべての給与支払部門で、以前よりも多くの情報を処理し、頻繁に情報にアクセスすることが可能となったのです。また2,000名のユーザーがオンラインでアクセスできるようになったことの他に、優れたアドホック・レポート・ツールも利用できるようになったことで、州も関連機関も、レガシー・システムでは決して実現できなかった方法でデータにアクセスできるのです。
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