今こそ顧客の時間を重視せよ
ポール・F・ヌネシュ、ニック・スミス、デイビッド・A・ライト
広報誌「アウトルック」日本語版 2010 February
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顧客が自社の製品やサービスに費やしている時間を注意深く分析、理解する。その上で、それら製品やサービスの時間コストの軽減や時間価値の向上を図る。こうした行動を取る企業は、景気回復後も、継続して競争優位を築き、節約志向の強い昨今の顧客を獲得することができるだろう。
諺にもあるように、時は金なり、である。
経済環境が厳しい今日ほど、この言葉が当てはまる時代はない。顧客はより低い価格で、より高い価値を得ようと絶え間なく厳しい要求を突きつけ、企業はそれを満たす新たな方法を発見できずに身動きが取れなくなっている。果たして、この状態から抜け出す手段はあるのだろうか。
その答えはイエスである。アクセンチュアのこれまでの調査や経験から、価格引き下げと魅力向上を同時に実現することで、自社製品やサービスの価値を迅速に上げることは可能であるといえる。そのためには、時間に注目すればよい。具体的には、マーケティング・ライフサイクル全体を通じて、顧客における時間の価値を尊重する、またはその価値を高めることである。
多くの消費者は、労働時間を延ばさざるを得ない状況に追い込まれている。その上、家計が縮小されているので、物を買う際は慎重になり、ますます時間が不足してきている。そこで、顧客が自社で費やす時間を注意深く調査、分析し、その上で製品やサービスの時間コストの軽減または時間価値の向上を図る企業が、景気回復後も持続する競争優位を構築できるのである。
筆者について
ポール・F・ヌネシュは、米ボストンにあるアクセンチュア・ハイパフォーマンス・ビジネス研究所の上級研究員であり、ビジネスおよびマーケティング戦略の調査・研究を統括している。同氏は「Harvard Business Review」やその他多数の刊行物にも定期的に寄稿をしている。「Harvard Business Review」に掲載された直近の記事は“Can Knockoffs Knockout Your Business?”(2008年10月号)。また共著に「Mass Affluence: Seven New Rules of Marketing to Today’s Consumers」(Harvard Business School Press, 2004)があり、アウトルックのシニア寄稿・編集者も務めている。
ニック・スミスは、アクセンチュア・マーケティング・サイエンスのマネージング・ディレクターとマーケティング・トランスフォーメーション・グループのグローバル・ヘッドを兼任する。マーケティング戦略の分野で豊富な経験を持ち、英国マーケティング協会の会員も務める(元会長)。同氏はロンドンを拠点に活動している。
デイビッド・A・ライトは、米ボストンにあるアクセンチュア・ハイパフォーマンス・ビジネス研究所のシニア・リサーチ・フェロー兼編集長である。将来価値の概念に関するアクセンチュアの「Wall Street Journal」連載記事(“The Future is Now”、2007年10月号)および「MIT Sloan Management Review」の記事(“Creating the Right Decision-Making Networks”、2008年冬号)の共著者。アウトルックにも寄稿する。
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