事例紹介 札幌市
お客様名
札幌市
お客様ウェブサイト
http://www.city.sapporo.jp/callcenter/
プロジェクト
自治体コールセンター
エグゼクティブ・サマリー
平成14年度、IT先進都市である札幌市は、市民からの電話相談にワンストップで対応する自治体コールセンターを日本で初めて開設しました。札幌市は平成12年度、「顧客志向の行政経営」を基本コンセプトとした「札幌市IT経営戦略」を策定。この戦略の策定に参画したアクセンチュアは、「札幌市コールセンター」事業ではプロジェクト・インテグレーターとして、コールセンター開設を統合的にサポートしました。札幌市役所、市内の情報産業と共に、3ヵ月という短期間でコールセンターの開設準備を完了させ、9割以上の利用者から「サービス内容に満足」と高い評価を受ける「札幌市の新しい顔」が出来上がったのです。
CRMによるIT経営戦略で
日本初の自治体コールセンターを実現 --- 札幌市
札幌市では、平成13年度から「行政と市民の関係性を変えていく顧客志向の経営」を目指す自治体CRM(Customer Relationship Management)の考え方を中心に据えた「札幌市IT経営戦略」に取り組んでいます。この戦略では、市民サービスの向上について、お客様の負担している社会的コスト(来庁など)を経営課題ととらえる「『手間いらず』の行政サービス」、いわゆるマルチチャネルを実現する「選べる窓口」、今お客様の求めている情報をお客様の望む方法でお届けする「『ぴったり情報』提供サービス」という三つのビジョンを掲げています。これらのビジョンを実現する具体策の一つとして選ばれたのが「札幌市コールセンター」です。
札幌市における自治体CRMの目的は、第一段階では、行政がお客様との接点における基本動作をきちんと整理していくことです。情報の流れを整理整頓し、たらい回しをなくし、そこから、行政と市民の信頼関係を再構築していきます。 第二段階では、窓口や電話、ウェブなどのチャネル(手段)を業務内容ごとに整理し、より安くより良いサービスが提供できるよう顧客接点におけるリソース配分を最適化します。第三段階では、地方自治の究極目標として住民自治の発展を最終ゴールに据えています。現在、多くの地方公共団体で協働によるまちづくりが行われていますが、そこに至るまでの市民と行政の関係性の再構築を、全市レベルで取り組む必要性があります。この第一段階から第二段階を中心に担うのがコールセンターです。
アクセンチュアの役割
平成12年度に「札幌市IT経営戦略」が策定されたとき、基本構想の段階からコンサルティングやアドバイスを行なったのがアクセンチュアでした。アクセンチュアは、行政が市民ニーズを把握してサービスや情報提供に生かし、市民との信頼関係を構築するという「顧客志向の行政経営(自治体CRM)」を提案しました。
平成14年度、この提案は札幌市の助役で情報統括責任者(CIO)を務める福迫尚一郎氏の直轄による「札幌市コールセンタープロジェクト」として実現しました。この日本初の行政におけるCRMを実施するにあたっては、国際的な情報ネットワークとCRMノウハウを有し、かつ海外でも実績のあるアクセンチュアがパートナーに選ばれました。アクセンチュアは、このプロジェクトで、自治体コールセンターの基本構想を策定し、アプリケーション開発やオペレーションなどに取り組む民間企業を統轄する役割を果たしました。「市民を迷わせない」、「市民に丁寧で親切な対応を行なう」といった明確な狙いを定めてシステム開発やオペレーターの教育などを手がけた結果、コールセンター開設までの準備を平成14年9月から11月までと、じつに3ヵ月という短期間で完了させたのです。
12月に市民モニター100人によるコールセンターの実証実験を行なった結果、86%のモニターから「対応が良い」という評価を得て、また平成15年1月から3月まで中央区・豊平区・西区の住民に対して行なったコールセンターの試行実施では、8割以上の問い合わせにオペレーターだけで対応することができました。さらにこの試行実施の際、コールセンターの利用者に対して行なった満足度調査では、10点満点中9.4点という高い評価も受けました。
市政の総合案内コールセンター
札幌市コールセンター「ちょっとおしえてコール」は、制度や手続き等の問合せや、イベント情報、施設案内、その他暮らしのちょっとした質問にお答えする、いわば市政の総合案内センターです。電話、FAX、Eメールで寄せられてきた市民の質問に1ヵ所で集中的に対応するワンストップ・サービスを提供しています。受付時間は土・日・休日を含む朝8時から夜9時までで、センター運営はすべて民間企業にアウトソーシングされています。

札幌市コールセンターでは、約2,000件の「よくある質問」(FAQ)をもとに、民間企業のオペレーターが市民からの電話相談に応対しています。込み入った内容の質問が寄せられた場合は、市の担当者から市民へ折り返し連絡する仕組みにしています。 コールセンターへの問い合わせ内容はデータベースで一元管理され、市役所の各部署にフィードバックされます。こうして市役所の各部署へ市民の生の声が届けられることで、従来のように一方的な配給型の行政サービスから、市民の声に基づいた顧客志向型の行政サービスへと変革することができるのです。また、昨今話題となっている個人情報に対するセキュリティ対策にも十分注意を払っており、データの取り扱いに対する情報システム上での利用制限や、コールセンターの運営を行っている民間企業に対しても、厳重なセキュリティ対策の義務付けを行っています。
札幌市では、コールセンター開設にあたり、市民から市役所に寄せられる相談の内容を調査しました。その結果、問い合わせ、苦情、要望、提言その他の項目のうち、問い合わせが82.5%を占めていました。さらにその問い合わせの57.1%は、「簡単」または「やや簡単」な内容のものであることがわかりました。この部分をワンストップ化し、市民の電話を集中させることで、市役所職員の電話応対時間を大幅に削減することが可能であることがわかりました。さらに、自治体コールセンターが、電子申請・届出などの電子自治体の使い方をナビゲートするヘルプデスク機能を持つことで、電子自治体の普及のための大きな推進力になると考えられています。その一方で、パソコンを利用しない市民に対しても、電話チャネルを利用したハイタッチなサービスを提供することで、デジタル・デバイドの解消といったメリットもあり、今後、本格化する電子自治体において、必須アイテムになることは間違いないといえます。
こうした事例は海外にもあります。アクセンチュアは今年5月、ニューヨーク市情報技術通信課が開設した「ダイヤル311 市民サービスセンター」の設計・構築・導入も支援しました。このセンターは、消防署や救急病院といった緊急以外の目的で「311」にダイヤルすれば、電話でワンストップ対応するというものです。ニューヨーク市は、これによって全米で最大規模の自治体コールセンターを実現しました。将来的にはインターネットのサービスと完全に統合される予定です。
今後の自治体CRMの展望
最後に、札幌市コールセンターをツールとした自治体CRMの将来的な展望として、(1)情報提供やサービス内容をさらに拡大、(2)市民ニーズを把握・活用し、(3)市民と行政の信頼関係を構築することが挙げられます。札幌市企画調整局情報化推進部IT推進課CRM担当係長の北川憲司氏は、利用者の8割以上にワンストップ・サービスを提供できるこのシステムを活用して、「顧客接点と対応業務を集約化し、より効率的なフロントオフィス業務に向けたBPR(Business Process Re-engineering)を実現したい」と抱負を語っています。また、先に述べた福迫助役は、自治体CRMの最終的な到達点として、「市民が行政施策を評価したり、議論に参加したりできる住民自治(eデモクラシー)を目指して行きたい」と意欲を見せています。
日本初の自治体CRMが、札幌市とアクセンチュア、そして市内情報産業との協働によるコールセンターの成果へと、こうして見事に結実しました。海外での豊富なCRM経験をもつアクセンチュアは、顧客接点を起点とした行政改革プログラムや、住民と行政とのパートナーシップを一層強めるソリューションで、今後も電子自治体に大きく貢献していきます。
カスタマー・リレーションシップ・マネジメント(CRM)に関するアクセンチュアのサービスその他の詳細は、お問い合わせフォームをご利用ください。
トップへ